福田さん

監督:宇田敦子

レンタル可能/配信有り

福田さんは、岐阜県にあるマルチメディアの専門学校の2年生。特に美人でも、個性的でもなく、どちらかといえば要領もよくないが、ほんわかとした雰囲気と、暮らし全般に対するいいセンス、それに、こまやかな思いやりの持ち主だ。あまりしゃべらなくても、長い時間を一緒に過ごせる友人も多い。この福田さんと友人にまつわる日常のエピソードを、4話のオムニバスで切り取る。福田さんのもとに実家から蟹が届き、友達を呼んで蟹鍋をする「日曜日」。福田さんが友達の大切な茶碗を割ってしまう「かけら」。引っ越し準備をする福田さんのもとに友達がやってきて、福田さんが一度捨てたラケットでバドミントンをする「バドミントン」。福田さんの部屋に友達が遊びにきて、一緒にお菓子を食べ、お茶を飲む「何でもない日」。どれもが素っ気ないほどの日常的なトーンで語られるが、福田さんとその友達が醸しだすコミュニケーションの温度は、じっくりと確実に、観る人の気持ちを温めていく。ちょっとうれしいことがある日。自分はついていないと感じる日。友達にしあわせを分けてあげたい日。友達にしあわせをもらう日。誰もが過ごしているような、小さな出来事が繰り返される日々も、福田さんという存在を通して見ると、何かを改めて発見したり、自分を前よりも理解してもらう時間になる。“世界は、監督の目を通すとどう見えるか”を提示する映画が多い中で、タイトル通り“世界は福田さんの目を通すとこう見える”と提示する。監督の福田さんに対する強い興味と信頼が成立させた作品。

  • 1999年/41分/カラー/video
  • 監督・脚本:宇田敦子
  • 機材:岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)
  • 出演:福田 史、内山ありさ、玉井章子、宇田敦子

配信・放映

レンタル可能作品

料金:15,000円(税別) 貸出フォーマット:ビデオ

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