コンビニエンス・パパ

監督:永森裕二

最優秀短編賞

ペンフレンドとの結婚を機に東京生活を始めた男、松男。1年経ち、すっかり東京に慣れた彼であるが、ただ1つコンビニエンス・ストアだけにはどうしても足を踏み入れることができない。勇気を振り絞り、完全な都会人を目指して、彼は自動ドアの前に立つのだった。独特のリズムを持ち、機関銃のように連射を仕掛けるシニカルな台詞。休むことを知らず変化を続けるスクリーンは融合し、観客を巻き込んで、大都市とは一体何か、人間性とは一体何かを叫ぶ。ダッチワイフを抱き締め、1人海に泳ぎだした松男に冷たい波だけが優しく彼を包み込む。

  • 1989年/28分/カラー/16mm 英題:CONVENIENCE PAPA
  • 監督・制作・脚本:永森裕二
  • 撮影:鈴木 守
  • 出演:大島 椿、とこまこと、春野かおり、はやしひな