絵本

監督:日比野浩樹

章は地方誌に連載を持つフリーライター。最近はスランプ気味で筆が進まない。旅先の友人から送られてくるビデオを見て、ボーッとしているだけの彼を編集者の杏子は案じる。そんな中、章のもとにいとこの宵子が訪ねてきた。家族のもとに帰るのを拒む宵子を章はしばらく預かることにする。どことなく切なく優しい場面が多く、原稿の書けない章と吃音症の宵子のいる風景は題名通りとても詩的な響きと余韻を持つ。観る者の胸に迫る急転直下のラストシーンは“やられた!”と思わず言いたくなるほど鮮やか。

  • 1990年/53分/カラー/8mm 英題:CHILDLEN'S BOOK
  • 監督・脚本:日比野浩樹
  • 撮影:成瀬知一 製作:名古屋大学映画研究会
  • 出演:日比野浩樹、寺井久美子、成田美佳