青~chong~
監督:李 相日
グランプリ、エンターテイメント賞(レントラックジャパン賞)、企画賞(TBS賞)、音楽賞(TOKYO FM賞)
レンタル可能/配信有り
在日朝鮮人学校に通う在日3世のヤン・テソン。ケンカをしたり女の子にちょっとエッチな気持ちを抱いたり、ごく普通の高校生活を送っている。1つ違うのは、朝鮮人として誇り高く生きるよう学校でも家庭でも教育を受けていること。しかし、姉が「結婚したい」と連れて来たのは日本人で、美しく成長した幼ななじみも日本人と付きあっているらしく、おもしろくない。子供の頃から打ち込んできた野球も、高校野球連盟に朝鮮人学校の加盟を認められるが、練習試合で日本人学校に大敗。テソンは自分の無力さを感じて野球部をやめて失意の日々を送る。そんなある日、日本人と付きあっているという理由で、幼ななじみがいじめを受け…。
在日3世の日常という硬くなりがちなテーマを、簡潔にして練りこまれたストーリーと、省略をうまく使ったカット割、センスあふれる構図で、テンポのいい新鮮なエンタテインメント作品に仕上げた。朝鮮人の蔑称である“チョン”と、朝鮮語で“青”を表す“チョン”、そして日本語で“若さ”を意味する“青”。恋や挫折といった当たり前の青春の悩みが、在日朝鮮人というアイデンティティの問いかけと重なる登場人物達の状況を、タイトルは見事に伝える。また、映像はそのタイトルを裏切るように、学生シャツ、学校の屋上、月、紙製のロケット台など、白を効果的に映していく。その白が、彼らの潔癖さと可能性を感じさせて、まぶしい。
- 1999年/54分/カラー/16mm 英題:BLUE~CHONG~
- 監督・脚本:李 相日
- 制作:伊藤史秀、小菅順子、李 康先 撮影:早坂 伸、山田康介、橋本太郎 照明:飯村浩史、市丸知範 録音:五十嵐 圭、生 繁崇 編集:滝ロ千恵子 助監督:水野貴之、鈴木秀樹、松浦 本、巫 紹棋 音楽:坂本 健
- 出演:眞島秀和、山本隆司、有山尚宏、竹本志帆
海外映画祭
1999年 | ニューヨーク大学国際学生映画祭 | アメリカ |
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1999年 | 第4回釜山国際映画祭 ワイドアングル部門 | 韓国 |
1999年 | 第29回ロッテルダム国際映画祭 | オランダ |
2000年 | 第4回シネマコリア上映会 | 韓国 |
2001年 | 第37回ペサロ国際映画祭 | イタリア |
2002年 | フィルム・アンド・ビデオ・センター(UCI) | アメリカ |
2002年 | 光州ヴィエンナーレ | 韓国 |
2002年 | イェール大学 | アメリカ |
2003年 | パシフィック・フィルム・アーカイブ | アメリカ |
2003年 | デュッセルドルフNRW日本デー2003 | ドイツ |
2013年 | ニッポンコネクション NIPPON VISIONS部門「PIA FILM FESTIVAL:CLASSICS」 | ドイツ |
劇場公開
- 2001年:4月21日~6月15日・東京・BOX東中野
- 2001年:8月4日~17日・大阪・扇町ミュージアムスクエア
- 2001年:9月15日~28日・愛知・シネマテーク
- 2001年:9月19日~24日・兵庫・神戸アートビレッジセンター
- 2001年:11月13日~23日・京都・みなみ会館
配信・放映
レンタル可能作品
料金:15,000円(税別) 貸出フォーマット:16ミリ、ビデオ