生体模倣

監督:下西 紀

優秀賞

先を争うように、コンセントの入口に群がるおたまじゃくし。彼らのひとつはやがて内部の核に到達し、細胞分裂を始める。急速に膨張した核は、まもなく赤ん坊の姿に変わる。現在、猛烈な勢いで広がるエレクトロニクス社会。人間社会を発展させていくのに不可欠なエネルギーだが、さらに両者がこのまま急速な拡張を続ける時、互いの関係はどうなっていくのか?リアルで緻密な作りの人間に、象徴的に用いられるビニールコードやICチップ。グロテスクなまでにメタモルフォーゼの強烈なイメージを作り上げた秀逸な想像力と造形力。辛口なメッセージを4分間に凝縮した粘土アニメーション。

  • 1991年/4分/カラー/video 英題:BIOMIMETIC
  • 監督・制作・脚本・撮影:下西 紀