'79・11~'80・3

監督:高見雅計

裸電球に照らされた友人の顔。朝の食卓。写真を撮る女。煙草を喫う女の表情。寝巻姿の女。夜の食卓。車窓の風景。鏡に向って髪を結う裸の女。海、はしゃぎまわる女。夜、酒を飲む女…。題名が示すとおり、この期間に、作者が折に触れてカメラを回した映像の断片をつなぎ合わせた作品。素材は作者の身の回りと周りの人々だけに限定され、人々は撮られていることを意識し、カメラを見たり、カメラに笑いかけたり…つまり、カメラの後ろにいる作者を見たり、作者に笑いかけたりしているのであり、この映画は作者の視線と同時に作者に向けられた視線をも記録しているのである。カメラを覗く作者の呼吸とカメラに笑いかける人々の声がサイレントの画面から聞こえてくるようだ。8ミリのホーム・ムービーとしての良さを100%生かした貴重な作品である。

  • 1980年/40分/カラー/8mm
  • 監督・制作・撮影:高見雅計
  • 出演:周囲の人たち