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PFFアワード

PFFアワード作品紹介

PFFアワード1988

作品名 監督名 作品名 監督名
最優秀女優賞、最優秀撮影賞
『青緑』
大谷健太郎 最優秀女優賞
『DOLL』
友野 一
『宇宙虫』 秋山貴彦 『ドクトル結城の逆襲!!』 たくや
『エンドレス・ラブ』 小口容子 『ドコニイルノ?』 大嶋 拓
『踊るA業』 鈴木剛彦 『鍋』 横山一真
高校生監督賞
『鏡の向う側』
鈴木玲二 審査員特別賞
『にじ』
鈴木卓爾
『愕然』 紋侍十兵衛 『2+1』 北山ひろあき
『人生』 大沢けんいち 最優秀音響賞
『バス・アマリリス』
墨岡雅聡
『双虫』 戸川喜史
柴田博紀
審査員特別賞、観客審査員賞、最優秀男優賞
『はばかりあん』
永森裕二
『次の秋』 横山一真 『ぱら』 永森裕二
『冷たい日曜日』 瀧 真吾 『真直ぐ行こう』 山岡隆資
グランプリ
『電柱小僧の冒険』
塚本晋也 最優秀短編賞
『わたくしと彫塑』
山本憲司

応募総数 345本 入選 22本

最優秀女優賞&最優秀撮影賞

『青緑』

監督:大谷健太郎

桃子と健太郎は恋人同志。夏休み、桃子は旅行に誘うが健太郎ははっきりしない。そんな時、ある小さな事件が起こり、2人の仲は荒れ模様になる。そして桃子は1人で旅に出ようとし、健太郎は跡を追うのだが…。些細なことでわだかまったり、すねたり、ゆれたりする恋人達の心模様を、ドキュメンタリー的手法で淡々と描写。男女の恋愛の本質を見事に突いて、“リアルだ!”と唸らされる。

1988年/8ミリ/カラー/90分 英題:BLUE GREEN
監督・制作・脚本:大谷健太郎
撮影:大谷健太郎、釜屋越子、広田つぢ
出演:大谷健太郎、釜屋越子、土居桃子、畑中 満、小倉千恵、松島 洋、森 直子

『宇宙虫』

監督:秋山貴彦

宇宙に夢をはせる少年の読む本の上に落下してきた不思議な卵。そこから出てきたのは変な虫だった。少年は育てようとしたが母親に拒否されたため、近所の山に捨てて観察を続ける。虫はみるみる増殖を続け、人間顔負けの文明をつくりだすのだが…。一番の見どころは手作り特撮のテクニックだが、登場人物のキャラクターやドラマの設定もかなり笑えるユニークなSF。原作は水木しげる。

1988年/8ミリ/カラー/40分 英題:THE SPACE INSECT
監督・制作・脚本・撮影:秋山貴彦
音楽:井上 歩
出演:萩原正康、若林 司、佐藤しおみ

『エンドレス・ラブ』

監督:小口容子

「初恋」と「エンドレス・ラブ」の2章に分かれ、作者の小口が各々別の男を「愛してる!」と追いかけまわす。第2章では、彼女は人前で叫ぶわ、相手とセックスをするわ、あげく自分の髪を剃ってしまい両親に(本当に)怒鳴られる。ドラマの虚構性とか完成度とかを超えて、作者の大胆で向こう見ずなパフォーマンスが観る者に強烈なインパクトを与える。

1988年/8ミリ/カラー/48分 英題:ENDLESS LOVE
監督・制作・脚本:小口容子
撮影:鈴木栄寿、園 子温
出演:小口容子、平野勝之、袴田浩之

『踊るA業』

監督:鈴木剛彦

学習教材販売に明け暮れる2人の若い営業マン。歩けど歩けど成績は上がらず、女もできず、まさに地獄巡りの苛酷な日々。そうこうする内、1人は通り魔に襲われ瀕死の重傷を負い、頭がおかしくなる。そんな男たちの悲哀を、怒涛の如く鳴り響くオールディーズ、歌謡曲、CMソングをバックにアクション、スチャラカ、ミュージカル、何でもござれのごった煮映像でパワフルに活写した白黒映画。

1988年/8ミリ/パートカラー/76分 英題:DANCIN' SALESMAN
監督・制作・脚本:鈴木剛彦
撮影:鈴木剛彦、岩井義治 音響:岩井義治 録音:三谷俊司 美術:坂田正彦
出演:今野秀彦、森脇伸樹、嵩元友子、小川浩基

劇場公開
海外映画祭
1987年 トリノ国際映画祭 (イタリア)
1988年 ブリュッセル・スーパー8&ビデオ・フェスティバル (ベルギー)
高校生監督賞

『鏡の向う側』

監督:鈴木玲二

おびえた眼をした裸足の少年。彼は言葉を発せず、街を彷徨い、バスに乗り、野をさすらう。過ぎゆく風景の中で彼が見たのは、赤い風船、鹿の首、血の水たまり、日の丸、旧約聖書、老人…。そして銃声と共に彼は倒れる。外の世界に対して心を閉ざしてしまった少年の心象を、様々なイメージに託して丹念に綴り上げ、その真摯な思いが静かに伝わる一編。

1988年/8ミリ/カラー/43分 英題:BEYOND THE MIRROR
監督・制作・脚本・編集:鈴木玲二
撮影・録音:奥田真一 題字:黒田征太郎 美術:中野 篤
出演:黒田海太郎、横山佳弘

『愕然』

監督:紋侍十兵衛

大学生にはありがちな“マージャン地獄”。勉学はそっちのけで麻雀に明け暮れる青年がある夜、実家に電話にしようと電話ボックスに向かったところ、恐ろしい亡霊が襲いかかる…。ホラー映画とドタバタ・コメディの要素をミックスさせ、全てのぐうたら学生に捧げる教訓的映画。ラストのどんでん返しで堂々の登場と相なる“お父さん”の大熱演が涙ぐましい。

1988年/8ミリ/カラー/23分 英題:OH! MY GOD
監督・脚本・撮影:紋侍十兵衛
制作:川井善也 照明:古城圭二、平田直樹
出演:川井善也、佐藤優二、米村正二、田中正孝、佐々木 洋、加藤美代、岡田耕多郎、斉藤尚子

『人生』

監督:大沢けんいち

お調子者の男とその男にナンパされた女。セールスマンと無差別殺人を企む狂人。そもそも何の関係もないアカの他人の4人が、ひょんなことから1つの家で本能と欲と狂気と単なる運にふりまわされて四苦八苦する“人生”の縮図。TVドラマにもありがちなテーマだが、自分なりのセンスでそれなりに軽く見せてしまう。役者のキャラクターも楽しめるブラック・コメディ。

1988年/8ミリ/カラー/13分 英題:THE LIFE
監督・制作・脚本・撮影:大沢けんいち
助監督:粕川直人
出演:山岸樹美雄、大日方より子、前原 修、小池さん

『双虫』

監督:戸川喜史/柴田博紀

手のモデルをしている女が突然誘拐され、美しい手を自分のものにしようとする気狂い科学者によって右手を切断されてしまう。放っておけば女は死ぬと思った科学者の助手が、女を助けようとして取った手段は…。異様に猟奇的な世界を、キワモノとしてみせるのではなく正攻法のホラーとして描き、最後は深遠な愛の映画として終わる。作者の趣味的世界のこだわりに唸らされる。

1988年/8ミリ/カラー/47分 英題:THE TWIN INSECT
監督・制作・脚本:戸川喜史、柴田博紀
撮影:柴田博紀
出演:戸川喜史、萩原かおる、佐々木伸之、伊藤嘉文

『次の秋』

監督:横山一真

晩秋の京都。卒業を控え、故郷で教師になろうとする女と、東京の出版社に就職が決まった青年は、2人の今後を真剣に考え始める。そんな折、彼女は彼女に秘かに思いを寄せる青年に再会する。様々な葛藤を経て2人が出した結論は…。人生の転機を迎え、微妙に揺れ動く若者達の心理の綾を、京都のしっとりと情感溢れる風景の中で巧みに描いた本格的メロドラマ。

1988年/8ミリ/カラー/69分 英題:THE NEXT AUTUMN
監督・制作・脚本・撮影:横山一真
音楽:池内義真
出演:久保田いずみ、宮川辰也、細谷和弘

『冷たい日曜日』

監督:瀧 真吾

何の脈絡もなしに3人の女と2人の男が次々に登場し、カット・バックにより無秩序に各々の行動を続けてゆく。しかし場面を重ねるにつれ、1人1人の関係が見え出し、やがて5人が1本の糸でつながれる。よくある男と女、女と女の関係なのだが、シャープな映像は、それを人間関係の空疎さとして的確に切りとる。劇中の「やっぱひとりだわ」というセリフが耳に焼きつく。

1988年/8ミリ/カラー/39分 英題:THE COLD SUNDAY
監督・制作・脚本・撮影:瀧 真吾
出演:古田佳子、清水寛子、村田良成、タキ、宮本じゅん、岸 正法

グランプリ

『電柱小僧の冒険』

監督:塚本晋也

背中に大きな電柱が生えているため、昔から“電柱小僧”といじめられている孤独な少年。彼は、ある日突然、吸血鬼グループが人類を支配しようとする恐るべき未来へタイム・トリップしてしまう。そこで彼を待ち受けるのは!? アニメーションの手法を駆使した血と汗と涙のSEXとスピーディな演出がド肝をぬく近未来オリエンタルSF巨編。

1988年/8ミリ/カラー/47分 英題:THE ADVENTURE OF DENCHU-KOZO
監督・制作・脚本・撮影:塚本晋也
音楽:ばちかぶり、他
出演:塚本晋也、仙波成明、叶岡 伸、藤原 京、タグチトモロヲ、佐賀 充、奈佐健臣

最優秀女優賞

『DOLL』

監督:友野 一

如月小春の同名の戯曲を大胆に脚色。高校の演劇同好会に所属する4人の女子が初めての芝居「DOLL」を上演しようとするが、食い違いばかりでなかなかうまくゆかない。そんな彼女たちが互いに傷つけ合い、“自分のことを誰も必要にしてないんだと思うようになって”心中に至ってしまうまでの心の軌跡を追った102分。あくまで純粋に美しく生きようとした4人の真実が胸に迫る。

1988年/8ミリ/カラー/102分 英題:DOLL
監督・脚本・撮影:友野 一
制作:久保秋康子
出演:白子智絵、田辺友美、守屋亜紀、若林紀久子、佐々木由紀子、田中 修

『ドクトル結城の逆襲!!』

監督:たくや

突然、大爆発が起こり、“こうして世界は滅亡した”。その後、食糧問題はなくなり、森はチェーンソーを持った殺人鬼が通りかかる人々を殺しまくる~~という聞くも恐ろしい話が何の脈絡もなしに展開され、パタッと終わる。7分の中にパロディ精神を充満させ、コマ落としを巧みに使い、ポップな笑いを巻き起こす。

1988年/8ミリ/カラー/7分 英題:THE REVENGE OF DR.YUKI
監督・制作・脚本・撮影:たくや
出演:結城明宏、森 泰宏、菅原香織、岸浪清史、菊池三奈子

『ドコニイルノ?』

監督:大嶋 拓

ごく普通のいまどきの女の子。“パパは普通のサラリーちゃん”で、何不自由なく育ってきた。でも18歳になって、彼女の心境は複雑。近頃ちょっと変だ。“自然と相性が悪くなったみたい”。まだまだ大人になりたくない、両親にももっと甘えていたい、そんなさみしがりやの可憐な少女の本音をリリカルに描く。センス溢れるカットが少女のエロチシズムを爽やかにとらえている。

1988年/8ミリ/カラー/33分 英題:WHERE ARE YOU?
監督・制作・脚本・撮影:大嶋 拓
助監督:藤原孝直
出演:金久保奈々子

『鍋』

監督:横山一真

あるアパートの一室を舞台に、3人の大学生の鍋料理を囲んでの青春模様を綴ったほのぼのコメディ。同じ1つの部屋、そこに終始固定されたカメラ、3人だけの、それも男だけの出演者。そんな究極のシンプル=低予算設定にアイデアが光る。発想そのものは単純だが、計算された演出とそれに応える演技陣の的確な雰囲気作りが、インテリジェンスさえ感じさせて観る者をうならせる。

1988年/8ミリ/カラー/28分 英題:THE PAN
監督・制作・脚本・撮影:横山一真
出演:宮川辰也、尾藤康裕、細谷和弘

審査員特別賞

『にじ』

監督:鈴木卓爾

鈴木卓爾は自分の顔にカメラを向け、映画を撮り始めた。部屋の中でも、授業中の教室でも、旅に出て野を歩く時も作者の顔がカメラに語りかける。そしてノコギリの様にバイオリンを弾く“じーじ”との触れ合い。カメラとじーじが向き合った時、現出する珠玉の時間は、自己のアイデンティティ発見のためフィルムを回し続ける作者のユニークな行為の終着点。この味は誰も出せない。

1988年/8ミリ/カラー/83分 英題:THE RAINBOW
監督・制作・撮影:鈴木卓爾

劇場公開
海外映画祭
1989年 ブリュッセル・スーパー8&ビデオ・フェスティバル (ベルギー)

『2+1』

監督:北山ひろあき

“男Aと男B”“女Aと女B”“男Aと女A”という登場人物の組合せからなる3つの話で構成されたオムニバス。全く個性の異なる2人の人間が一緒にいるとどうなるのか――。何か起こりそうで、結局何も起こらない。この作品は、そんな人と人との微妙なコミュニケーションの綾を、ピュアな視点で見つめている。出演者のキャラクターが捨てがたい。

1988年/8ミリ/カラー/72分 英題:TWO PLUS ONE
監督・制作・脚本:北山ひろあき
助監督:佐藤吉司 撮影:佐藤吉司、小山 寛 録音・照明:村川和巳 製作:学習院大学映画研究部
出演:中 幸彦、馬場理恵子、永井 誠、本郷由紀

最優秀音響賞

『バス・アマリリス』

監督:墨岡雅聡

彼は“自分の音”を探していた。歌う、叫ぶ、たたく。でも彼の音はなかなか見つからない。「俺の聞きたい音はこんな音じゃな~い!!」音探しの旅は切なくも続く。何度もリフレインされる音と映像はやがてポップな音楽となって観客のアンテナに届く。ビデオ世代の映像遊びをフィルムで見せたことがこの映画のミソ。これは、今、最先端を疾走しようとする若者のリアルな姿だ。

1988年/8ミリ/カラー/39分 英題:BASS,AMARYLLIS
監督・脚本・音楽:墨岡雅聡
撮影:山本康晴、大坪英彦、山下秀児 編集:墨岡雅聡、山本康晴
出演:墨岡雅聡、山本康晴、弥生健生、日野哲也、古川 寛、中原むつき

劇場公開
海外映画祭
1989年 ブリュッセル・スーパー8&ビデオ・フェスティバル (ベルギー)
審査員特別賞&観客審査員賞&最優秀男優賞

『はばかりあん』

監督:永森裕二

一見何の変哲もない中学校。しかし、そこは男子が大便を禁止された恐るべきブラック・ホールであった。ある日、善良な品行方正少年が突然猛烈な便意に襲われ…。物語は、この学園の隠された伝統と生徒たちの権力抗争の歴史を次々と明るみに出しながら、少年の孤独で苛酷な戦いをとうとうと描いていく。その溢れ出るパロディ精神が織りなす言葉と映像の銃撃戦は特筆もの。

1988年/8ミリ/パート白黒/57分 英題:THE HABAKARIAN
監督・制作・脚本:永森裕二
撮影:永森裕二、樋口暁博、吉川和宏 音響:高木 創
出演:永森裕二、樋口暁博、吉川和宏、入江奈々、中田 徹、広田恵介

『ぱら』

監督:永森裕二

“ぱら”とはパラノイア、パラドックス、パラダイスの“パラ”。主人公の“私”は何かとものごとを真面目につきつめてしまう性癖のためか、はたまた純粋すぎるのか、毎日が悩んだり開き直ったりの戦いの日々。高校生にしては異常なSM知識を持ち、美少年にナンパされたりもする妙な奴だった…。“質より量”、“妥協は美徳”等、様々なアイロニーに彩られた青春の記録風映像エッセイ。

1988年/8ミリ/パート白黒/49分 英題:PARA
監督・脚本:永森裕二
制作・撮影:永森裕二、吉川和宏
出演:永森裕二、吉川和宏、加藤美奈、新芝修徳、神尾 信、木村勝敏、原田 隆

『真直ぐに行こう』

監督:山岡隆資

中山は、漫研に所属し、どうってことない生活を送る大学生。後輩のあやは彼に秘かに想いを寄せるが、中山が想っているのは同級の谷口暁子で、先輩の藤間はあやが好き。そんないくつかの感情が交錯し、さり気ない人間模様が繰り広げられ、最後に季節は移る。あまり起伏のない淡々とした展開の中に、現代の大学生気質の深い洞察がある。男と女の会話の中で、味のあるセリフは出色。

1988年/8ミリ/カラー/60分 英題:LET'S GO STRAIGHT
監督・脚本:山岡隆資
制作:山岡隆資、小林英彦、鈴木朋生 撮影・照明:小林英彦
出演:鈴木朋生、柳沢敦子、伊藤嘉文、藤巻かおり、平林享子、宮沢 豪、照井 睦、沢田恭平

最優秀短編賞

『わたくしと彫塑』

監督:山本憲司

「この映画は、わたくしの2年間の数少ない彫塑作品を改めて見直すことにより、大学生活の青春の1ページを顧みようとするものである…」冒頭の生真面目なナレーションが示す通り、ひと言でいえばそんな映画である。しかし、その語りと単純な画面設定が実はあくまでシニカルなギャグであることを観る者は次第に気づいていく。限りなく他愛なく、そこはかとなく奥深い異色の短編。

1988年/8ミリ/カラー/5分 英題:ME AND PLASTIC FIGURES
監督・制作・脚本・撮影:山本憲司
声の出演:山本憲司

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