ワタシハコトバカズガスクナイ

監督:上田大樹

準グランプリ

レンタル可能

アルバイトをクビになり、留年を宣告され、恋人からふられたミワ。真実を探そうと日本海に旅に出るも、お土産はちょっと失礼な女友達と、かなり冴えない。気を取り直して、今度は弟・ハルミを連れて故郷の町に。弟の同級生でミワとも仲が良かったサワダくんと共に、3人は子供の頃に戻ったような夏休みを過ごす。が、かつて自分の家があった場所を写真に撮る時も、プールで悪ふざけしている時も、風邪を引いて寝こんだ時も、ミワはある日突然いなくなったお父さんのことを考えるのだった。
一方、“僕”の家には最近ひんぱんに無言電話がかかってくる。悪友にそそのかされて待ち合わせてみたが“彼女”は現れなかった。そして数日後、家のポストに1本のカセットテープが入っていた。そのテープには“彼女”からお父さんに宛てたメッセージが吹き込まれていて…。
ある意味、かなりダサイ、しかしなかなか気になる女の子の、失恋と片思いと、保留していた自分の中の空白を埋めていく夏の日々。ひまわり、アイスキャンディ、西瓜、花火と、正統派過ぎるほどの夏のアイテムを使いながら、甘くも古臭くもならず、むしろみずみずしい印象が残るのは、全体に流れる客観と主観のバランスの効果か。“僕”のモノローグも適度に文学的で、作品全体に奥行きを与えるのに成功している。テンポのいいセリフと音楽を感じさせる編集が“2000年のポップ”と呼びたい1本である。

  • 1999年/23分/カラー/video 英題:I DON'T TALK MUCH
  • 監督・脚本:上田大樹
  • 出演:安藤玉恵、内 正和、岡 雄一郎、冨田中理、久保木秀直

レンタル可能作品

料金:15,000円(税別) 貸出フォーマット:ビデオ

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