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PFFアワード

PFFアワード作品紹介

PFFアワード2007

作品名 監督名 作品名 監督名
観客賞(東京)
『青い猿』
池田 暁 『深海から来る音』 水本博之
審査員特別賞
『青海二丁目先』
角田裕秋
野田賢一
企画賞(TBS賞)、GyaO賞(USEN賞)
『背』
山口 学
審査員特別賞、技術賞(IMAGICA賞)、エンタテインメント賞(エイベックス・エンタテインメント賞)
『俺たちの世界』
中島 良 準グランプリ、観客賞(名古屋)
『その子供』
尾﨑香仁
『革命前夜』 志子田 勇 観客賞(大阪)
『それから明日が』
藤澤茉衣子
仲 美由希
審査員特別賞
『季夏』
水谷江里 観客賞(仙台・福岡)
『つめたいあたたかい』
成冨佳代
観客賞(北九州)
『幸福なる食卓』
タテナイケンタ 観客賞(大分)
『パラレ リズム』
白取知子
『シねない奴』 井上真行 グランプリ、音楽賞(TOKYO FM賞)
『剥き出しにっぽん』
石井裕也

応募総数 780本 入選 14本

観客賞(東京)

『青い猿』

監督:池田 暁

自分に甘えてばかりいる青年に成長する日は来るのか?
同棲相手の彼女が書き置きを残して突然、家出。彼女を追って東京に向かう主人公・新田君。ところが、何事にも優柔不断な彼は、一人じゃ何もできない。川で魚釣りに興じていた親友を釣り竿を抱えたまま、なかば強制的に同行させるのも、彼が何も考えていない証拠。気の良いホームレスや、親切心を見せる女の子一家との交流を通して、やがて一端の大人に変わっていく? いやいや、「青い猿」はそう簡単には成人することを覚えようとはしない。大人になんてならなくても、という彼の甘えはいつしか親友との間にもギャップを生じさせていくのだ。そんな新田君がゆるゆるだけれど、強制されずに自主的に育んでいく成長の物語。

2006年/ビデオ/107分/カラー 英題:The Blue Monkey
監督・脚本・撮影・編集・音楽:池田 暁
製作:恩庄パウロ 助監督:堀川瑞穂、納冨正彦 録音:村上幸彦 協力:倉田麻由香、成井智春、栗原アタ、久保田裕子
出演:塚田知彦、加藤和俊、ワニ完才、原 由香里、高橋敏之、山本百合子、恩庄パウロ、武岡隆弘、村上征人斗、納冨正彦、北河原康博、崋狩祐雅、JIN

【貸し出し対象作品】料金:15,000円(税別)/貸し出しフォーマット:ビデオ

審査員特別賞

『青海二丁目先』

監督:角田裕秋/野田賢一

二人の若者のガチンコバトルは、人類へのメッセージを提示する!?
地球温暖化なんてどこ吹く風。母親からの仕送りをいいことに、贅沢三昧、まさにゴア元米副大統領が指摘する「不都合な真実」を地でいく若者と、彼が放置するゴミ袋の中から、コーヒーの染みだらけのTシャツに、リサイクルショップ直行必至の家電製品、さらには食べかけのトーストまで、こまめに分別収集を続けるもう一人の若者。やがて、二人は真っ正面から勝負することに。環境問題を真剣に考えたメッセージ映画? というより基本は、正反対の立場に対峙するデュエリスト2人のあくなき関係をコミカルかつ想像力逞しく描いた娯楽作。消費しまくり男の秘めたトラウマも混ぜながら、焼却シーンなどのシュールな映像も魅力だ。

2006年/ビデオ/48分/カラー 英題:Beyond Aomi's Second Ward
監督:角田裕秋、野田賢一
脚本・編集:角田裕秋 撮影:加藤晃央、角田裕秋 音楽:コアントロー、クリストフ・シャルル、Sora
出演:龍埼 俊、野田賢一、河西恭子、坂元佑介、大澤友梨恵

【貸し出し対象作品】料金:15,000円(税別)/貸し出しフォーマット:ビデオ

審査員特別賞&技術賞(IMAGICA賞)&エンタテインメント賞(エイベックス・エンタテインメント賞)

『俺たちの世界』

監督:中島 良

ここでないどこかで待っている自分たちの未来を信じて
虚無感に苛まれた女子高生。彼女の家庭教師をしながら、就活とともにサークル仲間たちとの「危険な遊び」から逃れられない大学生。そして、同級生いじめにも閉口しながら満たされない日々を過ごす高校生。彼らが今の自分から脱却するために何かを掴もうともがけばもがくほど、社会との歪みのなかで、がんじがらめになっていく皮肉さをこの作品は真摯にとらえている。妥協点を見出すことしか、自分たちには残されていないのか。絶望の極みに達しようとしたその時、彼らが選んだ行動とは? メディアが連日のように報道する破滅行為に満たされたこの世界にどう立ち向かえばいいのか。若者たちの切ないまでの渇望感が伝わってくる。

2006年/ビデオ/92分/カラー 英題:This World of Ours
監督・脚本・撮影・編集:中島 良
音楽:大野恭史 録音:宮田睦子 メイク:加藤貴世、知野香那子 プロデュース:尾道幸治 助監督:松下洋平 美術:宮古優美子、佐久間球壱 制作:長瀬 拓 バイオリン:斎木なつめ ピアノ:早川真美子 CG:加藤恒重、粟路理栄 スタント:柏木カズアキ 宣伝美術:市川愛奈 照明:大島孝雄
出演:谷口吉彦、秦 ありさ、奥津サトシ、村上 連、赤穂真文、夏柊ナツ、小川武倫、松下愛子、羽柴裕吾、ギー藤田、加藤亮佑、長谷川草太、荻原達也、華沢レモン、宮脇崇誌

劇場公開
2009年 11月21日~12月11日 東京 ユーロスペース
11月28日~12月4日 大阪 第七藝術劇場
12月12日~18日 京都 京都シネマ
海外映画祭
2007年 第26回バンクーバー国際映画祭
ドラゴン&タイガー・アワード
(カナダ)
2008年 第37回ロッテルダム国際映画祭 (オランダ)
第10回サンフランシスコ・インディペンデント映画祭 (アメリカ)
第5回メキシコ市国際近代映画祭 (メキシコ)
第14回ブラッドフォード国際映画祭 (イギリス)
ニッポンコネクション 日本映画祭 (ドイツ)
日本映画祭LA (アメリカ)
第10回バルセロナ・アジア映画祭 (スペイン)
第7回ニューヨーク・アジア映画フェスティバル
最優秀新人作品賞
(アメリカ)
第16回レインダンス映画祭 (イギリス)
マサチューセッツ工科大学 上映会 (アメリカ)
第10回ノルチェピング国際映画祭 (スウェーデン)

【貸し出し対象作品】料金:15,000円(税別)/貸し出しフォーマット:ビデオ

『革命前夜』

監督:志子田 勇

女子高生のたった一人の「革命」が成就する喜びを祝福とともに描く
もやもやとした苛立ちとともに、満たされない精神状態が続く、受験を控えた女子高生。彼氏からの電話に応じてアパートに遊びに行くものの、二人の間に会話はほとんどない。アパートを後にする彼女。だが、ついに解放の時が衝撃的に訪れる。
人があまり見せたくないものをストレートに表現する。まるで、キム・ギドクの世界観のようなものもチラリと感じさせながら、ヒロインにとっての「革命」が達し得た後の幸福に満ちた様子が、映像全体から伝わってくる。20分強の短い作品ながら、前半の寂寞感から後半の疾走感への展開は巧みだ。色彩と音へのこだわりも非常に効果的で、見る者に共鳴を覚えさせるのに成功している。

2006年/ビデオ/23分/カラー 英題:Revolution Eve of the Wet Girl
監督・脚本・編集:志子田 勇
撮影:高木風太 音楽:森谷将之、松野 泉 録音:森谷将之 助監督:保木明元 照明:浅川 周
出演:山根千枝、駒井隆二、門村伊奈子

【貸し出し対象作品】料金:15,000円(税別)/貸し出しフォーマット:ビデオ

審査員特別賞

『季夏』

監督:水谷江里

この世に生を受けることは幸せか?人間の本質的なテーマを問い掛ける
雛がかえる。新しい生命の誕生。本来なら誰もが祝福すべき出来事のはずなのに、小学校のクラスの中で、たった一人の少年だけがそれに納得できない。少年はある日、廃屋の中で少女を発見する。彼女の膨れたお腹。怯えるように自分の母親の存在にすがろうとする彼女。真夏の京都・舞鶴のむせかえるような暑さのなか、人目を避けるようにひっそりと生活を送る臨月を迎えた幼い娘とその母に遭遇した少年の物語は、得も言われぬミステリアスな空間を観客に提供する。まるで、江戸川乱歩の小説のごとく、屋根裏の覗き穴に魅せられた登場人物が抱く未見の世界への好奇心を、いつしか見る者すべての心の襞にひしひしとストレートに共有させるのだ。

2006年/ビデオ/50分/カラー 英題:KI-KA
監督・脚本・編集:水谷江里
撮影:深町 理 音楽:Butcher Philippe
出演:村田祐理恵、平岡大樹、豊島貴恵、瀬野 卓、田中 瑛

【貸し出し対象作品】料金:15,000円(税別)/貸し出しフォーマット:ビデオ

観客賞(北九州)

『幸福なる食卓』

監督:タテナイケンタ

練り込まれたストーリー構成で、ありふれた愛の形の本質を見せる
中年女性の一途な思い。果たしてこれは愛と呼べるものなのか? 好きな男に対し、全身全霊を込めて料理に励むその姿。一縷の希望。だが、それは男にとってはたまゆらの関係にしか思えなかった。ひと昔以上前に、流行った映画のタイトル。『蜘蛛女のキス』『蜘蛛女』。何とも意味深である。男に手料理を食べさせることが、究極の愛の表現だと信じていた女。たまたま付き合っていた彼女との関係が芳しくなか、「蜘蛛女」の放つ網に引っかかっただけの男。カノン曲をBGMに女にとっての至福の喜びが表現され、やがて、彼女の落胆と共に、残酷なまでの人間の本質が浮かび上がってくる。良質のフランス映画を思わせる大人のための映画である。

2006年/ビデオ/50分/カラー 英題:Set Your Table
監督・脚本・編集:タテナイケンタ
撮影:ボクダ茂 音楽:榊原正吾 録音:與語哲士、長尾風汰 制作:森野奈津子 製作:蓼内耕太
出演:篠原あさみ、加藤雅人、鈴木あゆみ、植田祐介、山田清孝、汐月由奈、ボクダ茂

劇場公開
2008年 1月26日~2月8日 東京 シネマアートン下北沢
海外映画祭

【貸し出し対象作品】料金:15,000円(税別)/貸し出しフォーマット:ビデオ

『シねない奴』

監督:井上真行

シンプルな映像の中から炸裂した本音がほとばしる
肺炎で苦しむ男25歳。いかに世知辛い世の中でであろうとも、表面的には日本国中が目出度さ一色となる正月だというのに、医者からの入院宣告にビビるだけで精一杯の彼。自作の詩に興味を示した女子高生とのコンタクトも、彼の憂鬱な人生観に変化を来すまでには至らない。『紀子の食卓』で現代日本の家族の崩壊と再生を極限まで活写した園子温監督が、若かりし日にセンセーショナルに発表した自主作品『俺は園子温だ!!』を彷彿とさせるナルシスティックな主人公のキャラに惹かれる者は間違いなく存在するだろう。まさに自主映画の原点とも呼ぶべき世界観。ここにハマったら最後、活性化し続けるあなたの脳の回転を制御するのはもはや不可能だ。

2006年/ビデオ/29分/カラー 英題:Exit Tense
監督・脚本・編集:井上真行
撮影:井上真行、大西 徹、清水尚貴、福田和美、太田博之 音楽:裸同然
出演:井上真行、三丸真功、藤本弥生、井上家の人々

【貸し出し対象作品】料金:15,000円(税別)/貸し出しフォーマット:ビデオ

『深海から来る音』

監督:水本博之

B級テイストの香りも心地よく残しながら、全編に充溢する創造愛
東京で何か起こっているらしい。そんなことは露も気にせず、ミュージシャン仲間2人は脱退したメンバーの代わりに、キーボードを持ち歩くバイカーと意気投合。3人は海に向かうが、彼らは背後に異様な影が迫りよっていることにまだ気づいていない。
'60s特撮TVヒーロードラマの金字塔『ウルトラセブン』のなかでもカルト的人気の高いエピソード「ノンマルトの使者」を彷彿とさせる人類への警告のメッセージにも似た何かが、この作品には感じられる。背後に流れるノイズミュージックとの境界線も曖昧なままに、監督自らが造型したというクリーチャーと登場人物との邂逅も思わせぶりだが、表現する喜びが全編から伝わってくる。

2006年/ビデオ/20分/カラー 英題:The Destruction Sounds of the Monster from the Deep Sea
監督・脚本・撮影・編集:水本博之
音楽:The Tenrec Sounds(梅木、水本、横田)
出演:梅木大成、小沢拓郎、田中羊一、伊藤哲郎、笠原隆史

【貸し出し対象作品】料金:15,000円(税別)/貸し出しフォーマット:ビデオ

企画賞(TBS賞)&GyaO賞(USEN賞)

『背』

監督:山口 学

黄色い恐怖に取り憑かれた男の運命を翻弄するデスゲーム
きっかけはホンの些細な過ちだった。路上で酔いに苦しむ女性を介護しようと、彼女のアパートまで送っていくだけだったはずなのに。彼女に誘惑されるままキスをし、さあいよいよ、というところに出現した黄色い靴下の男。見られた? 見られてない? 一目散でその場を逃げたものの、それから彼の行くところ、常に影がつきまとうようになっていく。ふとしたことから巨大タンクローリーに追い回される中年男の恐怖を描いたスピルバーグのデビュー作『激突!』を例にするまでもなく、恐怖はこわもてに見せられるより、平凡な日常のちょっとしたズレから表現されるほうが何十倍も煽られるものなのだ。黒沢清映画フリークならぜひチェックしてほしい作品である。

2006年/ビデオ/48分/カラー 英題:Height
監督・編集:山口 学
脚本:山口 学、川田雅子 音楽:小林良弥 制作:佐藤 光 照明:野田真基 録音:清野 守 美術:川口 学
出演:栗田雄司、三瓶瑞貴、三浦美香、篠森香那、畠中慶彦、秋山雄大、笠原優紀

劇場公開
2008年 8月9日~22日 東京 アップリンクX
海外映画祭

【貸し出し対象作品】料金:15,000円(税別)/貸し出しフォーマット:ビデオ

準グランプリ&観客賞(名古屋)

『その子供』

監督:尾﨑香仁

思い立ったらなりふり構わぬ強烈なまでのヒロインの固執
頑なな人間の内面はそう簡単に変わらないものだ。足が少し悪いヒロイン美咲は物事すべてに納得がいかない。友人の紹介で働き始めた工場でも、工場長からの何気ない注意に対して彼女が示す反応は、「私の足が悪いから」。そんな彼女を心配する友人が、「私は子供を産んでから変わったの」と言うと、思い詰めたあげくに、美咲はそれを即実行しようとする。数少ない男友達全員に声をかけ、さらには人のパソコンでインターネットを使って相手を急募。勢いの止まらない彼女に、周囲はただただ唖然とするばかり。そんなことにもお構いなしに、猪突猛進するだけの美咲を誰が止めるのか? 表面的な奇麗事では片付けられない人間の本能を鋭く観察した問題作。

2006年/ビデオ/34分/カラー 英題:The Child
監督・脚本・編集:尾﨑香仁
撮影・照明:近藤慶士、及川裕作、尾﨑香仁 音楽:伊藤健太 録音:川添穏嵩、森川純市 記録:竹腰祐実 撮影助手:木下 翔、伊藤貴哉
出演:田中千裕、谷敷真由子、勇 泰人、丸山慶子、川崎 豊、鈴木輝久、川添穏嵩、西川真子

【貸し出し対象作品】料金:15,000円(税別)/貸し出しフォーマット:ビデオ

観客賞(大阪)

『それから明日が』

監督:仲 美由希/藤澤茉衣子

のびやかにゆるやかに大人への階段を上っていく
一人暮らしをする従兄弟の部屋に居候を決め込む女子高生・宏美。学校も休み、ブラブラしながら過ごす毎日。実は従兄弟にほのかな想いを抱いているのだが、そんな気持ちを口には出せない。それなのに大好きな従兄弟は、自分よりも飼い犬の散歩相手に夢中の様子。しかもその相手は男子なのだ。宏美は自分の気持ちに正直になろうと、ある作戦を計画する。少女の成長物語で欠かすことができないのは、心の揺らぎをどう演出していくかだが、ヒロインの何気ない仕草を自然にとらえながら、心象風景がしっかりとカメラに収められている。昨今メディアを賑わす悲惨極まりないニュースとは対照的に、家族や周囲の人間から見守られる喜びをひしと感じさせる物語だ。

2006年/ビデオ/60分/カラー 英題:And, Tomorrow Comes
監督・脚本・編集:仲 美由希、藤澤茉衣子
撮影・音楽:仲 美由希 音声:藤澤茉衣子
出演:宇野香苗、吉田咲希、長崎隼人、髙橋知里、辻 大志、新居裕久

【貸し出し対象作品】料金:15,000円(税別)/貸し出しフォーマット:ビデオ

観客賞(仙台・福岡)

『つめたいあたたかい』

監督:成冨佳代

無駄な台詞を極力排し、主人公と街そして人との結びつきを見つめる
ショーフロア(chaud froid)なオードブルほど贅沢なレシピはない。普通なら冷製もしくは温製と明確に分けられるメニューも、例えば冷たいサーモンに熱々の野菜ソースをかけるといった具合に、風味の幅に広がりが生まれるのだ。この映画のテイストもまさしくそう。妻に先立たれた父親が単身赴任のため、姉と二人暮らしの女子高生・陽(ハル)。父のためにマフラーを編み続けているが、ある日、彼女は父の再婚話を聞かされる。台詞を極力排し、まるで定点観測のごとく、陽が乗る都電が冬の街を走る風景が映し出される。同じ冬の日でも、冷たい雨の夜と、眩しいくらいの光が射し込む昼間の車内etc。表情豊かに主人公に優しく微笑みかける街も人も美しい。

2006年/ビデオ/27分/カラー 英題:Winter Thaw
監督・脚本・編集:成冨佳代
撮影:伊藤裕満 制作:山田晃久
出演:藤江莉莎、高橋 牧、麻生大輔

【貸し出し対象作品】料金:15,000円(税別)/貸し出しフォーマット:ビデオ

観客賞(大分)

『パラレ リズム』

監督:白取知子

接点のなかった4人の中学生 彼らの出会いが変化を生み出す
母子家庭で育つ中学2年生のミオ。引っ込み思案で自分の気持ちがなかなか正直に出せない彼女は、美術系の高校への進学を密かに希望している。授業をさぼりがちなテツヤといつしか会話を始めるようになる彼女。そのテツヤは同じクラスの女子ユカたちからキモいと言われ続ける男子オヤマダに親近感を持ち始める。そして、ユカはひょんなことからミオと行動を共にするようになっていく。性格も異なり、それまで接点のなかった同じ学校の中学生4人が、それぞれに関わりを持つことで、少しずつ内面的にも変化が生じていく。感受性とは言葉で表すと空虚に見えがちなものだが、それぞれの子供たちの他者からは見えにくい心の傷と癒しの可能性が丁寧に描かれている。

2006年/ビデオ/57分/カラー 英題:Parallel Rhythm
監督・脚本・編集:白取知子
撮影:安達 健 音楽:吉田 空 助監督:須藤和美
出演:麻生菜穂美、戸川 真、三ツ木孝輔

【貸し出し対象作品】料金:15,000円(税別)/貸し出しフォーマット:ビデオ

グランプリ&音楽賞(TOKYO FM賞)

『剥き出しにっぽん』

監督:石井裕也

頭でっかちでなく原初的に家族の有り様を見せつける
家族の絆や再生は、どんなにアタマで考えていても駄目だ。カラダを使えとこの映画は強く訴えかけている。物事が自分の思うように進まない太郎は、好きだけどそのことをハッキリ言えなかった洋子を誘い、ひなびた一軒家で畑仕事を始める。ところがなぜかそこに一緒に付いてくるのは、リストラされたばかりのダメ人間な自分の父親。3人の生活は奇妙だが、土着性もあり牧歌的でおおらかな香りがする。一人、マスタベーションに励む太郎を優しく後押しする(?)ユニークな祖父との関係や、親子の反発と和解といった問題も、どこか憎めないニッポン男子3世代のダメダメぶりを通して描かれているせいか、やわらかな哀愁とユーモアへと変容していくのだ。

2005年/16ミリ/91分/カラー 英題:Bare-assed Japan
監督・脚本・編集:石井裕也
撮影:松井宏樹 美術:沖原正純 音楽:今村悠輔 助監督:中村祐介 撮影助手:大田佳代 美術助手:内堀義之
出演:登米裕一、二宮瑠美、西園修也、牧野エミ、桂都んぼ、金 明玉、礒西紀行、高原聡之、横山真哉

劇場公開
2008年 5月31日~6月6日 東京 池袋シネマ・ロサ
海外映画祭
2007年 第26回バンクーバー国際映画祭
ドラゴン&タイガー・アワード
(カナダ)
2008年 第37回ロッテルダム国際映画祭 (オランダ)
第32回香港国際映画祭
第1回「エドワード・ヤン記念」アジア新人監督大賞
(香港)
第10回バルセロナ・アジア映画祭 (スペイン)
第10回台北映画祭 (台湾)
第14回サラエボ映画祭 (ボスニア・ヘルツェゴビナ)

【貸し出し対象作品】料金:15,000円(税別)/貸し出しフォーマット:ビデオ

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