審査講評
グランプリ
【プレゼンター】
山内マリコ(作家)
この作品こそグランプリにふさわしいと思い、全力で推しました。私だけでなく、個性がバラバラなほかの審査員の方も、本作を高く評価していることで、文句なしの受賞となりました。この映画は、発達障害のある兄をケアする妹・直美が主人公です。障害のある兄弟姉妹を持つことで負担を抱える子どもを「きょうだい児」といい、見過ごされてきた社会問題として最近、耳にするようになりました。直美たち兄妹に母はおらず、父も彼女に、兄の世話を丸投げして逃げてしまいます。直美は女性であることで兄のケアを担っている。けれど直美自身もどうやら、なんらかの発達特性を持っていて、社会生活が難しく、助けが必要な存在です。女性の発達特性が見過ごされやすいこと、女性はケア役割をやらされがちなこと。
確かなジェンダー視点でもって、とても複雑な、これまであまり描かれてこなかった家庭環境が描き出され、苦しむ兄妹に光が当てられた映画でした。けれど悲壮感はなく、直美はあっけらかんとしていてタフで、剥き出しで、とても魅力的。パンチがあって面白くって、粗野なエネルギーに溢れていて、ずっと見ていたくなる稀有なキャラクターでした。直美のようなキャラクターは、私が知る限り、はじめてじゃないかと思います。テーマ、脚本、俳優たちの演技、ユーモアのセンス、どれをとってもすごく力のある作品で、私は2025年の最前線の映画だと思いました。また観たい、このチームの作品をもっと観たいと思うような、才気溢れる素晴らしい作品です。この作品をグランプリに選べて審査員一同とてもうれしく思っております。中里監督、おめでとうございます。
<賞金100万円>
準グランプリ
【プレゼンター】
関 友彦(プロデューサー)
まず、約800本の作品の中から22本に選考されるということだけでも、大変素晴らしいことだと思います。改めまして、入選作品のみなさまおめでとうございます。そして『BRAND NEW LOVE』は、一言で言えば「とても素敵な映画」でした。全体的に繊細で丁寧に描かかれており、特に、脚本、画づくり、また、整音においてもとても丁寧につくられていることを感じることが出来る映画でした。冒頭のファーストカットのロングショット。もうこの1カットで主人公二人の関係をすべて表しており、その後もその二人をずっと観察していたくなる、とてもいい映画だと思いました。丁寧さとワンカットづつのこだわりとを持った、非常に優れた映画で驚きました。準グランプリ受賞、おめでとうございます。
<賞金20万円>
審査員特別賞/3作品 ※作品名50音順
【プレゼンター】
山中瑶子(映画監督)
おめでとうございます。本当に面白かったです。ファーストカットから、これは何かあるぞと。高架下のロケーションから目を見張りました。少女の情動とは関係なく往来する電車と、ふく風。少年のセリフの吐き出し方も素晴らしかったです。文字通り目が離せず、20分が、3秒に感じるくらい、惹きつけられました。『アンダー・マイ・スキン』というタイトルのとおり、観るものの身体にも侵入してくるような、味がして、匂いがする、そんな魅力がありました。一見力技の荒削りに見えそうな質感を持ちますが、全くそういうことはなく、ひとつひとつのショットの強度とそれを感じさせない編集も特筆すべき点でした。後から知りましたが主演の鈴木みゆきさんが企画脚本をやられているというのもあって、鈴木さんの引力でぐいぐいひっぱっていっているのはもちろんのこと、そこに寄り添った監督の確かなる演出力も感じました。彼女の独りよがりな世界だけでなくそれを取り巻く社会、少年も、同級生も、お父さんも、売春する男も、はりぼてのパートナーまで、みないきいきしていました。撮影、照明、録音、美術、各パートのこだわりもビシバシ感じました。コンクリートの街を駆け抜ける花嫁、最高でした。鈴木みゆきさんが今度は自分でも監督してみようとしていると聞いて、とても楽しみにしています。そして細川監督が次どんなものを作るのか、とても観たいです。信頼できる人の顔を思い浮かべて、そうではない人の言うことは聞き流して好きなようにやって欲しいと思います。改めておめでとうございました!
【プレゼンター】
福永壮志(映画監督)
尺も内容も多種多様な作品をどのような基準で評価したらいいのかとても悩みました。審査員一人一人が独自の視点で審査に向き合いましたが、僕個人としては作品の完成度ではなく、その監督の次回作が見たいかどうかという点を何よりも優先しました。ノミネート作品それぞれがとても個性豊かでしたが、その中でも『紅の空』が持つ独特な空気感や、リズム、映像美が強く印象に残りました。17才でこの映画を作った瀬川監督が、今後どのような作品を撮るのかとても楽しみにしています。本当におめでとうございます。
【プレゼンター】
門脇 麦(俳優)
22本分の作品をどうするか3時間ぐらい話しまして、どの作品も素晴らしくて、1本1本についてみんなで語ったんですけど、この作品を選んだのは、井上さんが見つめる世界をもっともっと観てみたいなと思ったのが一番の理由です。次回作があったら絶対観たいなと思いますし、フェチっぽい感じがぶっ刺さりまして、私たちに。それで今回選ばせてもらいました。おめでとうございます。
<賞金10万円>
エンタテインメント賞(ホリプロ賞)
【プレゼンター】
堀 義貴(ホリプログループ 会長)
こちらの賞は、どちらかと言うと芸術性よりも観客を楽しませる意欲を感じた作品を例年選んでおります。つまり、グランプリを取りそうだなと感じた作品は意図的に外しておりまして、うちの会社と仕事をするかもしれないなという方を選んでいるつもりです。
『空回りする直美』は、重いテーマになりがちな題材を日常と捉えて明るく見せて、展開を際立たせる。ヤングケアラーの問題をさらりと描いた、とても優れた作品だと思いました。
その他の作品についても少し。
『カクレミノ』。ロケもしっかりやっているし、内容もとても面白かったと思います。
『黄色いシミ』。ワンカット撮影を本当に上手く使った、実録物のようで非常に緊迫感があって面白かったです。
『宮沢さんは剥がさせないっ!』。アニメのキャラ設定や絵コンテなどを盛り込んで役者の演技もとても上手く、編集もとても面白い。常にくだらないコントのように見えるんですけども、コメディの構図がちゃんと出来ている。若い人達の叡智を集めた作品だなと。
『屈折の行方』。なんとも切ない、見応えのある作品。
『紅の空』。本当にびっくりするような作品でした。
この10年間でホリプロ賞を受賞した監督のその後をご紹介したいと思います。
2016年『DRILL AND MESSY』 で本賞を受賞した吉川鮎太監督は、就職活動をしていなかったということで、「じゃあうちの会社に来なさい」とホリプログループのホリックスという会社に入りましてその後、劇場映画作品『SOUND of LOVE』を撮り、さらに、オリジナル作品となる『プロジェクト・カグヤ』が10月31日に公開となります。
17年のシガヤダイスケ(志萱大輔)さん。今年の釜山国際映画祭コンペティション部門に『猫を放つ』という作品で選出されています。受賞作 『春みたいだ』 主演の古矢航之介さんはホリプロ制作のドラマにも多数出演されています。18年の野村奈央(のむらなお)さんは引っ張りだこのドラマ監督です。ホリプロ制作・プロデュースの連続ドラマ『わたしの夫は―あの娘の恋人―』でドラマ初演出以来、数多くのドラマの監督をやられています。19年、草場尚也さん。最新作『雪子a.k.a.』でウェールズ国際子ども映画祭やブエノスアイレス州国際映画祭に選出されています。受賞作である『スーパーミキンコリニスタ 』で主演していた高山璃子さんはホリプロブッキングエージェンシーに所属しておりまして、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』に出演されています。21年の大野キャンディス真奈さん。去年ホリプロ制作のBS日テレのドラマでドラマ監督デビューをしています。23年の渡邉龍平監督はホリックスに入りまして、現在は助監督として関西テレビの『僕達はまだその星の校則を知らない』に参加されています。去年の遠藤愛海監督。受賞作 『さよならピーチ』 出演の長谷川七虹さんが、今年のPFFアワードのビジュアルの表紙になっています。グランプリを取らなくてもこれだけ皆さん活躍されていますので、就職活動をしていない監督は是非声をかけていただければと思います。
<副賞 = Amazonギフトカード>
映画ファン賞(ぴあニスト賞)
【プレゼンター】
岡 政人(ぴあ株式会社 デジタルメディア・サービス事業局 局長)
映画ファン賞(ぴあニスト賞)は、ぴあ株式会社が運営しておりますデジタルメディア「ぴあ」のアプリで一般公募で選ばれた3名の審査員の方で選んだ賞になります。この「ぴあ」アプリは、映画好きはもちろんこと、アプリユーザーのことを「ぴあニスト」と呼んでおりまして、今年のぴあニスト審査員3名の方に来ていただいておりますのでお名前ご紹介いたします。八木幹太さん、澤地真弓さん、浦山真行さんです。3名とも普段、映画を何百本と観ていらっしゃる映画ファンなんですけれども、自主映画は基本的に初めての方が多い中で、こちらの会場で会期中にスクリーンで全作品を観ていただいて、直接監督ともお話いただいた後、3名で審査会議を2時間近くでしょうか、全作品について話合いました。私も参加して横で見ていたんですが、その中で出てきたコメントを紹介させていただきます。
まず、受賞された『惑星イノウエ』についてです。
「身近にあるものを使い、つくりこまれた造形物その一つ一つの手触り感や、『未来世紀ブラジル』『ウルトラQ』などを意識した特撮的な部分で監督オリジナルの世界観にこだわりをみせていました。映像に目が行きがちなんですが、音の使い方も本当に緻密に計算されていて映像と音響が同じ強度でスクリーンから迫ってくることを感じました。監督の次回作を是非観てみたい」ということで3人一致でこの作品になったということでした。
最後まで賞を競った他作品もご紹介させて下さい。
『僕はガタロウ』。「短い尺の中で登場人物一人一人全員に親近感を覚えるような、無駄のないわずかなカットで物語に自然に引き込まれる。監督が描きたいファンタジー的な世界観がとても心地よかった」
『紅の空』。「高校生監督が撮った作品というのが驚きですが、50歳の監督が撮ったんじゃないかと思うほどどこでこんなにたくさんの映画を見たんだろうというような多くの映画モチーフが詰め込まれた中で、一方、監督独自の世界観も表現されていて本当に驚いた」
『郷』『黄色いシミ』『ノイズの住人』『人生はいつだってHARDだ』など名前を挙げ出すと全ての作品を紹介したくなるほど、全部の作品を楽しく深く、感想・議論含めて語り合う審査会議でした。
先程、監督のお1人もおっしゃっていましたが、やはり映画は観客が観て議論することで成立するんだなと改めて思いました。
<副賞 = 映画館ギフトカード>
観客賞
【プレゼンター】
入江良郎
(国立映画アーカイブ 学芸課長)
今年もぴあフィルムフェスティバルの主催者の一つとして参加させていただいたことを光栄に存じます。国立映画アーカイブでは、今年も中川信夫監督特集、三浦光雄キャメラマンの特集など、たくさんの企画を開催してきました。三浦特集の中には、成瀬やマキノ、五所、豊田など日本の巨匠たちの作品が含まれています。この後には森田芳光監督特集、アメリカのアンソロジー・フィルムアーカイブス、ハーバード・フィルムアーカイブ映画コレクションの特集なども控えています。森田芳光監督については先行して展覧会が始まっていますが、皆様にはこうしたものに漏れなく触れていただきたいという気持ちがあります。これからの日本映画をつくられる皆さんの作品を、同じスクリーンで上映できたことを光栄に思っています。歴史上のすべての映画と皆さんは地続きであることを感じていただけたなら幸いです。そのようなことで、国立映画アーカイブの上映を1年間観られるパスポートを副賞とさせていただいています。
私も全作品観させていただいたなかで、『黄色いシミ』はとても好きな作品でした。全編をワンショットで撮った作品ですが、社会的にも深刻な問題となっている闇バイトを扱ったシリアスな内容でもある一方で、大変優れたサスペンスだと思いました。シンプルなアイデア、シンプルな構成という点では今回の入選作の中でも異彩を放っていたと思いますが、それを形にした演出が見事でした。アイデアと演出が一体になってストレートな力強さを実現した映画で、これは大変貴重なものと感じました。僕はスピルバーグの『激突!』が頭に浮かんだりしましたが、このストレートさを失わずに、メジャーではじけてほしいなとも思いましたし、観客も魅了した作品だと思います。おめでとうございます。
<副賞 = 国立映画アーカイブ優待券>
最終審査員による総評
山中瑶子/映画監督
入選された皆様、そして受賞された皆様、本当におめでとうございます。たくさんの勇気をだして映画をつくり、こうして観せていただいたことに感謝したいです。そしてPFFの運営に携わってくださった皆さまにも感謝申し上げます。
今回の受賞作はどれも、その監督のもつ映画言語のようなものがこちらに響いて、共鳴して、この人の次の映画を見てみたいと思うようなものだったと思います。とはいえ映画祭の入選や受賞というのは、審査員との相性が大きいとわたし個人の実感として思うので、もちろん思いっきり喜んでもらってから、あまり考えすぎずまた次に向かうくらいがちょうどいいかなと思います。受賞しなかった皆様も、とくに気にすることはないと思います。
本来わたしはまだまだ映画づくりが何たるかを理解できていない新人なので、何かを偉そうに言える立場ではないのですが、それでも僭越ながら少ない経験から何かを話してみたいと思います。
わたしは、8年前の2017年に『あみこ』という映画で入選しました。当時、どうしてもPFFに入選しないと先がない状態だと思い込んで、とにかく入選することだけが目的でした。清原惟監督の『わたしたちの家』と同じプログラムで、初日に上映があったのですが、自分の映画がスクリーンでかかるということすら事前にイメージできておらず、自分の映画が大写しに出されて、その下手さにびっくりしました。その後に『わたしたちの家』を見たら、そのうまさにびっくりして、なんてところに来てしまったんだろうかと恥ずかしく思いました。本当に世間知らずで何も知らなかったので、他の入選監督の映画を観ることもしませんでした。映画をつくることは、社会や人間と繋がりたいという欲求が水面下には必ずあるものだと思っていますが、それでいて表面的には興味のあることにしか興味がなく、傲慢だったのだと思います。
今振り返ると、当時は他者とろくに会話もできず、人前に出られるような人間ではありませんでしたが、それでも、映画祭で出会った人々によって、徐々に人間らしくしてもらえたと思っています。
どんな映画も、つくり手がどのように世界を見ているかということがどうしても出ます。みなさんが今持っている才能、魅力を大切にすることはもちろんですが、この社会、世界とは一体なんなのかを常によくよく見つめて欲しいと思います。自分が何に好奇心を持ち、興味関心があるのか。何を嫌悪し、何が許せないか、それがなぜかを考え、突き詰めながらも、自分自身も変化してゆくということを恐れずにこの社会と立ち向かってほしいなと思います。
とはいえ、どんどん理不尽で苦しく世界が壊れていくような現実もありますので、心に負荷がかかっているなとおもったら、壊れてしまう前に立ち止まって休んでほしいです。心を壊してまでやるべきことは、本来何もないはずですし、特に映画づくりは、実はまったく焦らなくていいことなので。1人で抱え込まず周りを頼って、ときには迷惑をかけながら、それぞれのペースでやっていけたらいいのかなと思います。改めておめでとうございました。
門脇 麦/俳優
まずは皆さん本当におめでとうございます。映画づくりに関わっている一人の人間として、悔しい思いやもどかしい思いをする時もあるのですが、皆さんの作品を今回観れて、皆さんの作品を観た時間があまりにも幸福すぎて、すごく幸せな時間でした。これからも映画づくりを一緒にしていきましょう。おめでとうございます。
関 友彦/プロデューサー
改めましておめでとうございます。先程も言いましたが、800本の中から22本に入選したこと自体、本当に素晴らしいことだと思います。おめでとうございます。今回、スクリーンで1本も観れていないので、そこは謝罪したいと思います。申し訳ございません。スクリーナーで拝見させていただきまして、22作品どれもクオリティの高さに驚かされました。反面、クオリティは高いんですけど、パッションみたいなものが心にズバッと突き刺さる、記憶に深く残るといった評価を全部が全部持っていたかと言うと、そうではなかったとも同時に感じました。
勿論、みなさんが精一杯作っているということは十分に伝わってきました。ですので、22作品どれもPFFらしい力のこもった作品たちであり、観るのがとても楽しかったです。中でも審査員特別賞、準グランプリ、グランプリの5本は、審査員全員で決めた作品ですけれども、それ以外にも僕は個人的に『黄色いシミ』のあの緊張感がたまらず、とても素晴らしい作品でありましたし、『あの頃』も大好きな作品でした。そのお二人の監督とは、是非今後一緒に仕事をしたいなと思っております。22作品の皆さん本当におめでとうございます。
山内マリコ/作家
受賞された皆さん、受賞できなかった皆さん、おめでとうございます。今回、初めて審査員をさせてもらって、賞ってやつは本当に、なんて気まぐれなんだなろうと感じました。入選者の中には、どうして自分の作品は選ばれなかったんだろうと、不服な方もいらっしゃるかもしれません。作品のクオリティは高いものの、選ばれなかった作品もあります。反対に、受賞作の中には、あまりにつたない作品もあります。審査員は作品を、総合的な完成度や優劣では観ておらず、もっと別の琴線に触れることを基準にしていました。一人一人の個人的な、感性に依拠した向き合い方です。映画なのだからそれでいいし、だからこそ、作品をつくる人間は、賞の気まぐれさに慣れておかないといけないんだなぁと改めて思いました。人は評価されたい生き物ですし、評価が興行にも関わってくるとなると、みんな必死だし、プレッシャーもかかります。けれど、賞に振り回されないというのはすごく大事なことだと思います。賞に媚びるようになってしまうと、作品をつくる人間として、どんどんダメになってしまう。つくりたいものをつくり続ける。たとえ評価されなくても、賞を取れなくても、自分を信じてつくり続けることが大事なんだと思います。私は大学で映画を学んでいたことがあり、実習なんかには参加しましたが、自主制作映画は一作もつくれませんでした。なので余計に、仲間と一緒に映画をつくり上げた皆さんを、すごく眩しく感じました。応募した皆さん全員、自分で映画をつくって、PFFに応募しただけで、すごく誇らしいことなんだよと伝えたいです。皆さん変わらずに自分の好きなこと、やりたいことを貫いていって下さい。本日はおめでとうございました。
福永壮志/映画監督
今回PFFの審査員の一人としてお招きいただき光栄でした。審査に入る直前に海外ドラマの現場にいたのですが、その後PFFの入選作品を拝見させてもらい、作品をつくるにあたって本当に大事なものは予算や技術ではないということを改めて思いました。受賞を逃した方は悔しい思いをしているかもしれませんが、賞の結果は審査員によって変わるものですので、気持ちを切り替えて前進してください。作品の真価は観た人の心に残るかどうかなのではないかと思います。それは数字では表せないですし、例え大きな賞を取ったとしても、その作品が5年後10年後にどれだけの人の心に残っているかは誰にも分らないことです。その映画を誰かに届けたいと思うか、心に残る何かがその映画にあると信じられるかどうかが、映画制作を続けていく上で大事なのだと思います。入選されたみなさんはそれぞれ次の作品制作に向かって行くのだと思いますが、どうか今回制作された映画に注いだような純粋な熱意を持ち続けてください。貴重な映画体験をありがとうございました。