招待作品部門
映画を志す人が何かのヒントを掴む時間。それがこのPFFのスペシャル講座シリーズです。
<ピーター・バラカン 音楽のある人生>
毎年好評の音楽映画シリーズは、装いも新たに7年目に突入。
本年は、幻の音楽と歴史的事件が重なる傑作ドキュメンタリーを日本初上映!
ぜひ大スクリーンでご堪能ください!
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9月11日(水)18:30~/
9月20日(金)13:30~ チケットを購入する
『TWO TRAINS RUNNIN'』
監督: サム・ポラード
編集: ダワ・ワイスナント
プロデューサー: ベンジャミン・ヘディン
出演:ゲイリー・クラーク・ジュニア、ルシンダ・ウィリアムス、コモン
今からちょうど60年前の1964年、世界がビートルマニアに燃え上がっている中、アメリカの東海岸と西海岸の大学生が、お互いの存在を知らずにミシシッピー州の極めて近い場所へ出かけようとしていました。目的は1930年代に数少ないレコードを残して消えてしまったブルーズ・シンガー、サン・ハウスとスキップ・ジェイムズの消息をたどることでした。
時期は公民権運動の最中、北部の大学生活動家が南部のアフリカン・アメリカンの投票権支援のために訪れていたミシシッピー州で殺害される有名な事件が奇しくも同じところで起きました。映画『ミシシッピー・バーニング』の題材となったこの事件も、サン・ハウスとスキップ・ジェイムズの再発見も歴史に残る出来事でした。その流れを分かりやすく確認できるこのドキュメンタリーは必見です。
ピーター・バラカン
(ブロードキャスター)
- ゲスト
(9月11日) - ピーター・バラカン氏(ブロードキャスター)
サム・ポラード
アメリカの映画監督、編集者、プロデューサー。40年以上のキャリアを持ち、スパイク・リー監督の『4 Little Girls』(98)でアカデミー編集賞ノミネート、『By the People: The Election of Barack Obama』(10)でエミー賞編集賞など受賞歴多数。監督作に『Mr. Soul!』(18)、『MLK/FBI』(20)など。2020年、国際ドキュメンタリー協会功労賞を受賞。
<『EO イーオー』『バルタザールどこへ行く』>
「人生で唯一泣いた映画が『バルタザール』。あんな映画を撮りたいと長く夢見ていた」
20代で名匠の傑作に衝撃を受け、ポーランドの巨匠は心に秘めた映画の夢を80代で結実させました。オマージュの美しさに満ちた2つのロバの物語、ぜひ観比べてみてください!
- 9月18日(水)19:00~ チケットを購入する
『バルタザールどこへ行く』
監督・脚本:ロベール・ブレッソン
撮影:ギスラン・クロケ
美術:ピエール・シャルボニエ
音楽:シューベルト、ジャン・ヴィーネル
編集:レーモン・ラミー
出演:アンヌ・ヴィアゼムスキー、フランソワ・ラファルジュ、フィリップ・アスラン、ナタリー・ジョワイヨー
小さな農村で少女に可愛がられていたロバのバルタザール。放浪の末、10年後に再会し、仲睦まじく暮らすが、嫉妬した男にこき使われる。ブレッソンもまた、ドストエフスキーの長編小説「白痴」の挿話に触発され、本作をつくった。
ロベール・ブレッソン
1901.9.25-1999.12.18
フランスの映画監督。画家、写真家として活動した後、第二次世界大戦の従軍を経て、1943年『罪の天使たち』で長編デビュー。『田舎司祭の日記』(53)でヴェネツィア映画祭国際賞を受賞、世界的に高く評価され、『抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-』(56)でカンヌ映画祭監督賞、『たぶん悪魔が』(77)でベルリン映画祭銀熊賞を受賞するなど、世界三大映画祭の常連に。初期から職業俳優を一切起用せず、感情表現を抑え、音楽もほぼ使用しない独自のスタイルを貫き、自らの作品群を「シネマトグラフ」と称した。寡作で知られ、98年の生涯で結実させた作品は14本のみ(うち1本は自ら廃棄)。『ラルジャン』(83)が遺作となった。
- 9月18日(水)16:30~ チケットを購入する
『EO イーオー』
監督:イエジー・スコリモフスキ
脚本:エバ・ピアスコフスカ、イエジー・スコリモフスキ
撮影:ミハウ・ディメク
音楽:パヴェウ・ミキェティン
編集:アグニェシュカ・グリンスカ
出演:サンドラ・ジマルスカ、ロレンツォ・ズルゾロ、マテウシュ・コシチュキェビチ、イザベル・ユペール
サーカス団で平穏に暮らしていたロバのイーオー。だが、ある日、動物愛護の名のもとに解放され、放浪の旅へ。農家、乗馬クラブやサッカーチームの面々、若い司祭...。人々との出会いを通し、物言わぬイーオーが雄弁に語る現代の寓話。
イエジー・スコリモフスキ
1938年生まれ。ポーランドを代表する映画監督。アンジェイ・ワイダやロラン・ポランスキーの脚本を手掛けた後、ウッチ大学在学中に制作した『身分証明書』(64)で長編デビュー。『出発』(67)がベルリン映画祭で金熊賞を受賞したのを皮切りに、『ザ・シャウト/さまよえる幻響』(78)でカンヌ映画祭審査員賞、『ライトシップ』(85)でヴェネツィア映画祭審査員特別賞と、世界三大映画祭すべてで賞を獲得。90代以降は俳優業にシフトし、2008年『アンナと過ごした4日間』で17年ぶりに監督に復帰。16年、第73回ヴェネツィア映画祭で生涯功労金獅子賞を受賞した。ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展に出展するなど画家としての顔も持つ。
<映画のデザイン>
映画のチラシ、ポスター、そしてパンフレット!日本で高度に発達した「映画宣伝美術」。その第一人者であり、近年はジム・ジャームッシュの再評価にも貢献した大島依提亜氏を講師に迎え、映画宣伝美術を改めて検証します。
- 9月8日(日)17:30~ チケットを購入する
『ナイト・オン・ザ・プラネット』
監督・脚本・製作:ジム・ジャームッシュ
撮影:フレデリック・エルムス
編集:ジェイ・ラビノウィッツ
音楽:トム・ウェイツ
出演:ウィノナ・ライダー、ジーナ・ローランズ、ロベルト・ベニーニ
ハリウッドの大物を乗せた運転手、英語を話せない運転手、盲目の女性客にイラ立つ運転手、神父に懺悔し続ける運転手、泥酔客に不幸自慢される運転手。LA、NY、パリ、ローマ、ヘルシンキを走るタクシーで起きる、5つの物語。
大島依提亜
映画のグラフィックを中心に、展覧会広報物、ブックデザインなどを手がける。主な仕事に、『パターソン』『万引き家族』『ミッドサマー』『ちょっと思い出しただけ』『カモン カモン』『LAMB/ラム』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『aftersun/アフターサン 』『Pearl パール』『枯れ葉』『ボーはおそれている』『ルックバック』『Cloud クラウド』展覧会「谷川俊太郎展」「ムーミン展」「ヨシタケシンスケ展かもしれない」、書籍「君のクイズ/小川 哲」、著書にヒグチユウコとの共著「映画とポスターのお話」など。