上映作品
映画監督を目指す若者たちの登竜門。
今年は692本の応募作品の中から入選した、19作品をスクリーンで上映。上映後は監督を迎えてのトークを行います。
平均年齢23.1歳の若き新人監督たちに、ぜひ会いに来てください。
最終日9月21日(土)に受賞作上映
※上映作品は、9/20(金)に公式サイトで発表します
12:00~準グランプリ含む受賞作
15:30~グランプリ含む受賞作
※年齢、職業(学校名)は応募時のものです。
16名のセレクション・メンバーによる、おすすめ作品の紹介はこちら!
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9月10日(火)11:30~ 小ホール/
9月14日(土)17:30~ チケットを購入する
『アイスリンク』
監督:王 紫音(23歳/清華大学美術学院)
2人の若者がアイスリンクのオープンをお喋りしながら待っている。とめどなく溢れる不思議でオフビートな会話に、カラフルで奇天烈な動物や昆虫が乱れ飛ぶ、とても優しい白日夢。目にも眩しい大人の絵本。
監督・脚本・編集:王 紫音/音楽・音響効果:吳 宜瞳
王 紫音
2000年、 中国浙江省生まれ。清華大学美術学院の修士課程に在籍。幼少期より絵を描くことや映画に親しみ、学部時代からアニメ制作を始める。本作が初監督作品。現在、MV制作に携わりながら次作の脚本を執筆中。
『さよならピーチ』
監督:遠藤 愛海(22歳/京都芸術大学 芸術学部 映画学科)
ラストシーンがうまく演じられず悩む、主人公もも。演技の参考に、サイレント映画を上映すると、劇中の女優が突然スクリーンから飛び出してくる...。つくり手の瑞々しい悩みや葛藤を、自主映画の世界線で描いた青春賛歌。
脚本・監督・編集:遠藤愛海/撮影:上原恭平/照明:飯島達都/録音:谷川央/助監督:山崎真理子
出演:向井彩夏、長谷川七虹、林ひより、倉田彩音、桃児
遠藤 愛海
2001年、静岡県沼津市生まれ。京都芸術大学映画学科で古厩智之氏に学ぶ。本作は卒業制作だが、撮影・編集・脚本推敲を繰り返すうち3時間の作品に。筋書きを大幅に見直し、124分となった。現在、同学科に在籍中。
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9月11日(水)13:30~ 小ホール/
9月15日(日)17:30~ チケットを購入する
『鎖』
監督:杜 詩琪(25歳/武蔵野美術大学大学院 映像・写真コース)
男尊女卑が色濃く残る中国の地方都市に、日本から里帰りした監督自身が、同国の結婚、出産、同性愛の在り方を探る。慣習という"鎖"をパフォーミングアートとアニメーションを駆使して描いた、切実で渾身の映像表現。
監督・脚本・アニメーション・編集:杜诗琪/撮影:杜诗琪、马铭涵/イラスト:杜诗琪、郭月/音楽:王涵
杜 詩琪
1998年、中国四川省生まれ。来日し、映画をつくる中で日本語を学ぶ。フランス留学も経験。本作は武蔵野美術大学映像学科の修了作品として、故郷に帰った際に制作した。同大大学院の映像・写真コースを卒業。
『さようならイカロス』
監督:田辺 洸成(20歳/青山学院大学 総合文化政策学部)
無気力な青年ケンが、同じく無気力な女性との出会いを通して、同性愛、性虐待、貧困、暴力、死という薄皮1枚向こうのリアルを垣間見る。監督の心の叫びが全編にこだまし、目を背けたくなる現実を否応なしに叩きつける問題作。
監督・脚本・編集:田辺洸成/原案:田辺洸成、関 翼、大田 健/助監督:関 翼
出演:大田 健、田辺洸成、稲葉釈阿、大野善徳、敦賀伶美
田辺 洸成
2003年、福岡県生まれ。小学生の頃から映画づくりを始め、高校時代に撮った『愛の惑星』(22)はTOHOシネマズ学生映画祭等で上映された。作品にはいつも友人が多く参加。現在、青山学院大学総合文化政策学部に在籍。
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9月10日(火)15:30~ 小ホール/
9月14日(土)14:30~ チケットを購入する
『Into a Landscape』
監督:山中 千尋(30歳/東京藝術大学大学院 映像研究科 アニメーション専攻)
水彩画タッチの魅力が凝縮された2分間の短編アニメーション。紙の上に創造された自然の美しさと圧倒的な力強さを畏敬の念を持って描き、抽象と具象を行き来していく。その麗しさが全編にわたって炸裂する曼荼羅。
監督:山中千尋/プロデューサー:布山タルト/音響担当:森内慎之助、藤垣美南/音楽担当:一杉敏矢、森内慎之助
山中 千尋
1993年、兵庫県生まれ。幼少期、祖母の住む奈良の山野で遊んだ体験が原風景となり、創作へと繋がった。本作は東京アニメアワードフェスティバル等でも上映。現在、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻に在籍。
『分離の予感』
監督:何 英傑(25歳/武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科)
映画のオーディションで初めて顔を合わせた男女は、台本に従って演技を始める。虚構と現実と、過去と未来が少しずつ混ざり合う様子を、コントラストの効いた画面構成と漂うカメラ演出で描き、洗練された作家性が溢れ出る。
監督・製作・脚本・編集:何 英傑/製作:袁 鑠涵/撮影:苗 莊莊/照明:張 澤誠/美術:吳 詩瑤
出演:津隈もるく、伊藤 梢、大場みなみ、佐藤 駿
何 英傑
1998年、中国桂林生まれ。武蔵野美術大学に入学後、写真、メディアアート、映画制作を学び、初の長編である本作は第35回東京学生映画祭にも選出された。現在、同大大学院の修士課程に在籍。
『あなたの代わりのあなた展』
監督:山田 遊(28歳/劇団主宰)
マッチングアプリの待ち合わせをすっぽかされた男と、美術館デートをすっぽかされた女。2人は仕方なく"代わり"のデートを始めるが...。ミニマルな登場人物の遊戯のような会話劇で展開される、独特すぎる映画体験。
監督・脚本・編集:山田 遊/撮影:河野恭平/録音:野村 光/チケットデザイン:せきぐちはるか
出演:早川新之助、大宅聖菜
山田 遊
1995年、東京都生まれ。劇団「品川親不知」主宰。休業に追い込まれたコロナ禍にニューシネマワークショップへ入学、本作が卒業後初監督作品。劇団員が出演・音楽を担当した。小津安二郎記念蓼科高原映画祭にも入選。
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9月11日(水)17:30~ 小ホール/
9月14日(土)11:30~ チケットを購入する
『正しい家族の付き合い方』
監督:ひがし 沙優(14歳/中学生)
酒浸りの父親と暮らす夢見る少女。彼女の思い描く理想の親子像はどこか歪。目の前の現実になす術も力もない少女は、それでも上を向く、そして外を向く...。最年少14歳の監督が描く、振り切ったテンションの一作。
監督・編集・演出・撮影:ひがし沙優/脚本・プロデューサー・演出・撮影:ヒガシ淳郎/撮影:比嘉千晶
出演:ひがし沙優、加瀬 百、小川あみ、内藤御子、ヒガシ淳郎
ひがし 沙優
2009年、大阪府生まれ。中学生。女優活動と並行し、2022年から映画制作を始め、本作で9作目。スタッフ、キャストは家族中心で、撮影・編集はスマホで行う。YouTubeやゲームも大好きなインドア派。現在、新作を制作中。
『これらが全てFantasyだったあの頃。』
監督:林 真子(27歳/会社員)
役者の夢を追うえみ。引っ越し中に見つけた脚本によって記憶の扉が開かれ、次第に虚構と現実の境界が曖昧になっていく。何層にも重なる物語は複雑に交差しながらも、夢見る主人公たちを応援するかのように爽快に広がっていく。
監督・脚本:林 真子/脚本・助監督:北林佑基/監督補佐・編集:松本佳樹/撮影:中村元彦/録音・整音:堀内萌絵子
出演:塚田愛実、町田英太朗、米良まさひろ、在原貴生、花純あやの
林 真子
1996年生まれ、兵庫県育ち。ヒッチコックの『レベッカ』で映画にハマる。大学はファッション学科に進むが、卒業後、大学時代の仲間と映像制作団体「世田谷センスマンズ」を結成。現在、美術部としても活動している。
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9月8日(日)14:30~/
9月13日(金)17:00~ 小ホール チケットを購入する
『ちあきの変拍子』
監督:白岩周也、福留莉玖(18歳、17歳/米子工業高等専門学校 放送部)
自分を抑えて生きる女子高生・千秋と、彼女が創り出した春貴という人格。必死の我慢を邪魔されることに我慢ができなくなった彼女は、ついに"彼"を消し去ろうとするが...。カタルシスと喪失感と希望が背中合わせのスリリングな青い春の叫び。
監督・脚本・撮影・編集:白岩周也/監督・編集・撮影・制作進行・脚本:福留莉玖/脚本・撮影・記録・音声:富谷彩愛/音声・撮影・記録・編集:森灘 結/音楽:大倉拓真
出演:上阪彩子、葉狩羽流、靏亀琥太郎、德中美桜、平沢理緒
白岩 周也
2006年、鳥取県生まれ。中学の頃からMVやCMに惹かれ、米子工業高等専門学校に入学後、物語のある作品づくりを始める。現在、映像系の学校を目指し、準備中。
福留 莉玖
2006年、鳥取県生まれ。米子工業高等専門学校放送部に在籍。助監督・制作進行だったが、白岩監督を手伝ううち共同監督に。本作は「部員みんなでつくりあげた」。
『I AM NOT INVISIBLE』
監督:川島 佑喜(21歳/武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科)
"心が疲れた"監督が自身のルーツに迫るセルフドキュメンタリーは、フィリピンのスラム街でたくましく生きる人々の姿を捉える。同国でサバイブしてきた祖母の現実的な言葉に心が揺れながら、魂の"在り方"を力強く探究する。
監督:川島佑喜/協力:Jonathan Reyes、Kiwie Kondo、Mai Pérez Yada
出演:Chie Kondo
川島 佑喜
2002年、東京都生まれ。父の影響で幼少期から映画好きに。中学高校と続けた油絵をやめ、現在は武蔵野美術大学映像学科に在籍。大島新氏の授業でドキュメンタリーに触れ、フィリピンで初めて自らカメラを回した。
『わたしのゆくえ』
監督:藤居 恭平(32歳/会社員)
勤務先の探偵事務所で、ある男性の調査映像を編集する孤独な女性・難波。次の休日、彼女の足は男の住むマンションへ向かっていた。繰り広げられる人間ドラマはサスペンスかラブコメか。圧倒的な不穏さをたたえる一本。
監督・脚本・編集:藤居恭平
出演:難波樹音、関戸健人、堀越夕香理
藤居 恭平
1991年、滋賀県生まれ。京都芸術大学で高橋伴明氏らに学び、卒業後は助監督として活動。現在は会社員として働きつつ、家事育児の傍ら、映画制作を続けている。本作は下北沢映画祭コンペ部門にも選出された。
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9月7日(土)11:30~/
9月12日(木)16:30~ 小ホール チケットを購入する
『よそのくに』
監督:尾関 彩羽(21歳/名古屋学芸大学 映像メディア学科)
緑豊かな丘陵を包むのは、そこにはないはずの浜辺の響き。山であり海である、この不思議な空間で初めて出会った2人の少女がリコーダーで奏でる童謡。2つの世界を入れ替えた大胆な演出が、観る者を圧倒する。
監督:尾関彩羽/プロデューサー:高島綾菜
出演:辻美莉愛、天木優花
尾関 彩羽
2002年、愛知県生まれ。名古屋学芸大学映像メディア学科で仙頭武則氏に学び、3年次作品として本作を制作。セリフを外し、画と音響で観せる演出に挑戦した。現在は、卒業制作作品『ぼくらの宇宙』を制作中。
『季節のない愛』
監督:中里 有希(22歳/東北芸術工科大学 デザイン工学部)
それぞれ人生に傷付いてきた、同じ高校演劇部出身のノゾミとヨリコ。"あの時の約束"を果たすために山を登り、鳴らせば幸福になれるという鐘を探す。山と森を歩き続ける中年女性の姿に込めた、監督の願いが胸を打つ。
監督・脚本・編集:中里有希/撮影:溝江楓花/劇中詩:鈴木ひかり/題字:安彦柳雪
出演:杏奈、愛甲奈美、吉田なおこ、鈴木由美子、小野魁斗
中里 有希
2001年、山形県生まれ。東北芸術工科大学デザイン工学部映像学科に入学後、映画制作を始める。前作『水槽』でPFFアワード2022エンタテインメント賞を受賞。現在、東京藝術大学大学院映像研究科の脚本領域に在籍。
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9月7日(土)14:45~/
9月12日(木)13:30~ 小ホール チケットを購入する
『END of DINOSAURS』
監督:Kako Annika Esashi(26歳/国連職員)
新幹線と恐竜の町・福井市に住む帰国子女のエイコは、和順な日本人に囲まれた平凡すぎる日常を漫然と生きる。アメリカ生まれの監督が、軽快で多国籍な語り口で、自身のアイデンティティーの探究をエネルギッシュに描く。
監督:Kako Annika Esashi/プロデューサー:宮田耕輔/脚本:片山 享、Kako Annika Esashi/撮影・カラーグレーディング:片山 享/録音・MA:杉本崇志
出演:Kako Annika Esashi、Shota Kurt John Imai/JAMIE BADCHILD、Leica Sasafu、柳谷一成、髙橋昌裕
Kako Annika Esashi
1997年、アメリカ・マサチューセッツ州生まれ。自主映画の現場で映画づくりを学び、2020年から自らも制作を開始。本作は国連で働きながら完成させた。現在、ハワイで山火事を題材にドキュメンタリーを制作中。
『サンライズ』
監督:八代 夏歌(18歳/愛知県立旭丘高等学校 美術科)
映画への夢を諦められないヤシロ。"落としどころ"を見つけようとする日々、レンズを通せば生き生きとした世界が広がる。彼女は、諦めることを諦めた。POV撮影多用で自身の内面をストレートにぶちまけた、エネルギー溢れる決意表明。
監督・脚本・撮影・編集・美術:八代夏歌/ビジュアルデザイン:小嶋日和/撮影助手:戸蒔 葵
出演:八代夏歌、小嶋日和、柄沢健介、安武正博
八代 夏歌
2005年、愛知県生まれ。中学2年で相米慎二監督の『台風クラブ』に魅了され、愛知県立旭丘高校美術科に入学後、高校2年から映画づくりを始める。本作は3本目の監督作。卒業後、アルバイトをしながら新作を制作中。
『チューリップちゃん』
監督:渡辺 咲樹(22歳/東北芸術工科大学 デザイン工学部)
ちょっと変わった小学5年生・チューリップちゃんの夢は、"孫に還暦を祝ってもらうこと"。アニメーションならではの珍妙でオフビートな演出スタイルと卓越したワードセンスで、唯一無二の世界に引き込まれる。
監督:渡辺咲樹
出演:佐藤ハイジ、井﨑 愛、山崎鈴花、藤澤侑生、サンキュータツオ
渡辺 咲樹
2001年、宮城県生まれ。東北芸術工科大学デザイン工学部の卒業制作として本作を制作。絵画を勉強したことはなく、水野健一郎氏の授業をきっかけに卒業制作でアニメを選んだ。現在、就職して東京在住。
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9月8日(日)11:30~/
9月13日(金)13:30~ 小ホール チケットを購入する
『松坂さん』
監督:畔柳 太陽(25歳/フリーター)
執筆中の脚本にぴったりな"グラウンドでトンボをかける女性"と出会ってしまった青年・木嶋。淡い思いは台本を抜け出して現実と呼応を始める。見事なキャスティングと演出で獲得した"実在感"が、観客の心を揺さぶる。
監督・脚本:畔柳太陽/撮影:渡辺 亮/照明:町田智哉/録音:色川翔太/エンディングテーマ:Gateballers
出演:佐竹大樹、竹内かりん、川野邉修一、谷田部美咲、荒井典子
畔柳 太陽
1998年、愛知県生まれ。大学卒業後、映画美学校に入学。初監督作『キックボード』(21)が学内で高く評価され、修了制作の本作はSKIPシティ国際Dシネマ映画祭、下北沢映画祭、北海道国際映画祭等にも選出。