コンペティション部門

PFFアワード2021

PFFアワードは自主映画のためのコンペティションです。
本年は489本の応募作品の中から入選した18作品をスクリーンでご紹介します!
上映後、監督を迎えてのトークを予定。
観客賞の投票は、国立映画アーカイブの会場に加え、配信サイト「DOKUSO映画館」でも実施します。


**映画祭最終日、受賞作上映あり**
9/25(土)12:00~準グランプリ受賞作、16:00~グランプリ受賞作

ふたつのプラットフォームでオンライン配信!9/11(土)から、映画祭会期後の10/31(日)まで

DOKUSO    U-NEXT

Aプログラム
9/12(日)17:45~|9/16(木)13:00~小ホール

『グッバイ!』

監督:中塚風花

今の私しか撮れない、手探りのセルフドキュメンタリー

一緒に暮らす母親、離れて暮らす父や兄姉との関係。就職や上京といっためまぐるしい変化の時期に、自らカメラを持って今見ている世界と向き合ってゆく。グッバイの先の未来へ向かってゆく彼女を応援したくなる!

2021年/カラー/31分
監督・撮影・編集:中塚風花/監修:植松眞人/機材協力:岡本実樹
出演:中塚風花

セレクション・メンバーによる[ココがすごい!]

あの母この父!どうする私?愛憎交わる私的な記録。中塚監督のアンビバレントな感情は表現力と繋がってるかも。冷たく温かく繊細で大胆。胸打つ文体。言葉にならない想いを映画の光で照らし出す。人を繋ぐものとは?

大久保 渉(ライター/編集者/パブリシスト)

中塚風花

NAKATSUKA Fuka

2000年生まれ、滋賀県出身。ビジュアルアーツ専門学校 大阪に入学し、撮る側になったことで、改めて映画の魅力に気付く。同校の卒業制作として本作を制作。現在はテレビ番組のADとして、忙しい毎日を送っている。

『五里霧中』

監督:曽 子明

廃墟の風景の中にリアルに浮かび上がる若者たちの葛藤

廃墟の並ぶ中国の町で、闇商売でしのぐ若者たち。主人公パンは恋人や後輩が新天地へ向かおうとする中、どうにかもがいていく...若者たちの人生への諦観や焦り、葛藤が、暗い町の風景と重なり、生々しく映し出される。

2021年/カラー/40分
監督・脚本・編集:曽 子明/撮影:王 军、王 星野/プロデューサー:曽 缤、卢 明慧、王 東
出演:黄 柯精、常 嘉豪、蔡 浩、李 维新

セレクション・メンバーによる[ココがすごい!]

見る者を世界観に一気にひきこむような、廃墟の並ぶ街をバイクが駆けるオープニング。若者たちの焦りや無力感を雄弁に物語る、過去にも未来にも思える物寂しい街の風景が、真の主役だと思えるほど強烈に印象に残る。

上條葉月(映画館スタッフ/字幕翻訳者)

曽 子明

ZENG Zingming

1995年生まれ、中国湖北省出身。黒澤明監督の『羅生門』を見て以来、映画に興味を持つようになり、日本映画に興味をもつ。本作は、武蔵野美術大学の卒業制作として制作された。現在は中国の映画会社で働いている。

『ROUTINE』

監督:宮原拓也

ジャグリングのリズムが心地よい、個性的なバディ映画

足の悪い清掃員ミトの職場に現れた青年。無言でジャグリングばかりしている不思議な男だが、その才能を清掃作業にも活かせる事に気づく。日々の労働=ROUTINEの中にも、新しいリズムが生まれていく面白さ!

2021年/カラー/21分
監督・脚本・編集:宮原拓也/撮影:Ame/録音:宮原淳志/整音:松隈結花/助監督:河野桃子
出演:ハチロウ、うをとも、田丸大輔、石川貴一、佐々木七海

セレクション・メンバーによる[ココがすごい!]

ショーが始まったワクワク感を感じた!主演のジャグリング技術もさることながら、人付き合いが上手くない登場人物達の持つ愛嬌に惹かれ、リズムとテンポの良さの中で進んでいく物語は他の作品では味わえないものがあった。

稲垣美音(デザイナー)

宮原拓也

MIYAHARA Takuya

1992年生まれ、東京都出身。もともとインディーズバンドのドラマーとして音楽活動に没頭。やがて映像に触れる機会が増えたことで、徐々に映画に魅せられ、現在は仲間たちと自主制作を続けている。

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Bプログラム
9/14(火)11:30~小ホール|9/18(土)18:00~

『豚とふたりのコインランドリー』

監督:蘇 鈺淳

些細だけれど大切な時間をワンカットで描いた野心作

台北のコインランドリーでブタのぬいぐるみを洗う男と、誰かを待つ女。大量生産のブタと同じく、人生で数多ある偶然の短い出会いだが、ふたりのことや街の暮らしが、ひたひたと浸み込んで長い余韻を奏でていく。

2021年/カラー/22分
監督・編集:蘇 鈺淳/撮影:林 詠翌/録音:辛 佩倫/サウンドデザイン:王 姿雅/音楽:三浦良明
出演:陳 又瑄、徐 華謙

セレクション・メンバーによる[ココがすごい!]

見えているのは、コインランドリーで豚のぬいぐるみと二人の男女だけ。タイトルその通り。それでも二人やその町の背景が見えてくる。そして二人の過去や未来までもが想像できる。一つの空間を越えることができるのは、まさに映画。

森川和歌子(映画人材育成事業スタッフ)

蘇 鈺淳

SU Yu Chun

1994年生まれ、台湾出身。台湾藝術大学の修了制作『ダウン・ザ・ロード』(18年)が、なら国際映画祭に入選。東京藝術大学映像研究科映画専攻の編集領域に在籍していたが、同監督領域への受験用に本作を制作し、本年度から編入。

『Parallax』

監督:野辺ハヤト

見る側に解釈を委ねる、自由さ溢れるアニメーション

列になって並ぶ謎の生き物たち。ある者は選ばれ、ある者は選ばれない...不思議な映像や完成された世界観に思わず浸ってしまう。抽象的な映像と音楽で描かれるこの宇宙は、見る人によって様々な解釈をもたらすはず。

2021年/カラー/34分
監督・アニメーション・音楽:野辺ハヤト/編集:野辺智子

セレクション・メンバーによる[ココがすごい!]

根底では単純でない不変的なものを巡り廻らせ、柔らかな質感で余白を持って描くことで、その時の自分の状況・感情でも残るものが変わり、繰り返し観たくなる。1つの群衆の中の正解にならない事は、その世界にとって不正解なのか。

稲垣美音(デザイナー)

野辺ハヤト

NOVE Hayato

1971年生まれ、埼玉県出身。デザイン・イラストの仕事を行う傍ら、アニメーション制作を始め、アニメーションから作曲・演奏まで全てを手がける。『affordance』(16年)が、海外映画祭で多数上映。

『巨人の惑星』

監督:石川泰地

「巨人がいる」という男の強烈な世界観を信じるか?

大学時代の友人の家を訪ねると、彼は「夜の東京には巨人がいる」と熱弁しだす...見えない「巨人」の存在を信じて一人の世界に引きこもるホンダの姿は、現代社会の様々な陰謀論を想起させる。巨人は彼の妄想なのか?

2021年/カラー/25分
監督・脚本・撮影・編集:石川泰地/音響:佐藤恵太/VFX:癸生川稜
出演:石川泰地、国本太周、高取 生

セレクション・メンバーによる[ココがすごい!]

静かに響く荘厳な音楽と低く構えたカメラの長回し。冒頭からどこか禍々しい雰囲気に引き込まれる。アパートの一室での二人の男のたわいもない会話劇から、深い夜の闇へと観客の想像力をいざなっていくラストに注目。

久保田ゆり(PFFスタッフ)

石川泰地

ISHIKAWA Taichi

1995年生まれ、東京都出身。高校3年生で映画制作をはじめ、早稲田大学入学後、サークルで多数の学生映画に関わる。卒業後は自主制作を続けながら、テアトル新宿と山形国際ドキュメンタリー映画祭でアルバイトしている。

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Cプログラム
9/14(火)14:30~小ホール|9/19(日)14:30~

『壁当て』

監督:井上朝陽

"壁当て"を通じて描かれる、野球少年の友情と葛藤

一人で壁に向かって野球の練習に励む少年。そこに現れた、もう一人の野球部員。チームメイトであり、ライバルでもある2人の野球少年の微妙な関係を、壁にボールを当てる淡々としたリズムの中で言葉少なに描き出す。

2021年/カラー/10分
監督・脚本・撮影・編集:井上朝陽
出演:山本惣太、太田和樹

セレクション・メンバーによる[ココがすごい!]

壁当てという一見単調な動作が微妙なズレをもって反復されることで、主人公たちの関係性が立ち上がっていく。ありふれているようでいまここにしかない、言葉にできない感情が、寡黙なボールの響きとともにこちらに手渡される。

新谷和輝(ラテンアメリカ映画研究者)

井上朝陽

INOUE Asahi

2001年生まれ、大阪府出身。映画好きの父の影響で幼い頃からたくさんの映画に触れ、映像制作を志す。現在は、ビジュアルアーツ専門学校 大阪に在学中で、本作は同校での課題として制作された。

『みなみとあした』

監督:林崎征大

かつてあった時間に、ありえたかもしれない優しい物語

先輩の家で恋愛相談をしている大学生みなみを中心に、男女4人の恋や友情が交差する一夜。震災前日というかつて私たちの経験した時間を誰かの日常として生々しく誠実に描いた本作は、観客自身の記憶を刺激する。

2021年/カラー/22分
監督・脚本・編集:林崎征大/撮影・照明・録音:井口暁人/撮影・照明:霧生笙悟/録音:鈴木理利子/撮影:蔡 融霖
出演:鈴木理利子、廣田直己、丸岡未歩、林崎征大

セレクション・メンバーによる[ココがすごい!]

「あの日」の前夜、私たちはなにをしていたか。気づけば取りこぼされていく時間の粒子を、映画はひとつずつ拾いあげそこに血を通わせる。他者の生を想像/創造する、フィクションの稀有な力がここには結実している。

新谷和輝(ラテンアメリカ映画研究者)

林崎征大

HAYASHIZAKI Masahiro

1998年生まれ、東京都出身。昨年、在学する武蔵野美術大学の課題で10分間のドラマを制作し、多くの人と関わり合う映画制作に改めて魅力を見出す。4年生である現在、卒業制作として実写映画の制作を進めている。

『ばちらぬん』

監督:東盛あいか

与那国の持つ記憶や文化を、個人の経験に重ねた実験作

与那国に積み重ねられた歴史や文化と、今そこにいない監督自身の物語。大きな時間に個人の経験を重ねることで、そこにいた人々の人生も想像させる。フィクションやドキュメンタリーの枠を超えた、土地と人々の物語。

2021年/カラー/61分
監督・脚本・撮影・編集・美術・与那国語指導:東盛あいか/撮影・VFX・カラーグレーディング:温 少杰/撮影照明助手・メイキング:西川裕太/録音・整音:西垣聡美、村中紗輝/制作・録音助手:木村優里/衣装:平井茉里音
出演:東盛あいか、石田健太、笹木奈美、三井康大、山本 桜

セレクション・メンバーによる[ココがすごい!]

自分が生まれ育った町のことをどれだけ知っているだろうか。人が文化を作り、文化が人を育てる。そう気づいた時、身の回りにあるもの全てが自分に影響を与えていることに気づかされる。『ばちらぬん』は、つい日々を浪費しがちになっている自分に意識革命をもたらしてくれた。

田中大地(映画館支配人)

東盛あいか

HIGASHIMORI Aika

1997年生まれ、沖縄県出身。地元の与那国島には映画館もレンタルビデオ屋がなく、進学した石垣島の高校時代にレンタルDVDで映画を観始める。京都芸術大学で多方面から映画について学び、現在は俳優事務所に所属。

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Dプログラム
9/15(水)13:30~小ホール|9/18(土)15:00~

『苺のジャムとマーガリン』

監督:宮永咲弥花

コッペパンさえ特別。10代の豊かな感受性が溢れだす!

好きな人の味は、苺のジャムとマーガリン。日々喜びや苦悩を感じる多感な時期に、高校生たちはいかに自らを表現するのだろうか?写真、絵、小説、演劇。様々な手法で現在の感情や感覚と向き合う少年少女を描く。

2021年/カラー/10分
監督・脚本・撮影・編集:宮永咲弥花
出演:清水陽香、竹本朝信、三代朋也、宮永咲弥花

セレクション・メンバーによる[ココがすごい!]

多感な高校生たちは日常風景を特別な瞬間として切り取る...平凡なコッペパンにさえ意味を持たせるように。彼らの豊かな感受性からあふれ出る表現の瑞々しさを捉えた、若き監督の鋭い洞察に満ちた言葉と巧みな演出力!

上條葉月(映画館スタッフ/字幕翻訳者)

宮永咲弥花

MIYANAGA Sayaka

2002年生まれ、埼玉県出身。好きな映画やアニメに携わることに憧れ、埼玉県立芸術総合高等学校に入学、映像制作を始める。現在は、通信大学で油絵を学びながら、自分の表現と発信について模索中。

『転回』

監督:岩﨑敢志

印象的な映像で描き出す、芸術家たちの関係性の揺らぎ

志向の違う2人の若手芸術家カップルの元に界隈では有名な芸術家の男が現れたことで、2人の感情や意識に変化が訪れる...ショットの構図で微妙な人物たちの関係性をあぶり出す冒頭から、映像の魅力に引き込まれる。

2021年/カラー/14分
監督・脚本・編集:岩﨑敢志/撮影:寺西 涼/録音:三村一馬/照明:西野正浩/助監督:梅澤舞佳
出演:加藤紗希、岩﨑敢志、アライジン

セレクション・メンバーによる[ココがすごい!]

ギャラリーと家の小空間で葛藤する映像作家カップルの嫉妬や欲望が鮮やかに描かれ、彼らの一挙一動に目が離せない。ミニマルな緊張感と、その一方で滲み出るアートに生きる人間の滑稽さの二重性が奥ゆかしい。

佐藤友則(映画資料関連事業スタッフ)

岩﨑敢志

IWASAKI Kanshi

1996年生まれ、愛知県出身。大学4年生の時に、映画づくりを志し、映画美学校に入学。最近は、録音部スタッフとして現場に参加しながら、自身の監督作の制作や、友人の作品づくりの手伝いをしている。

『夜の帳につつまれて』

監督:松林悠依

不幸な生い立ちを乗り越えた先の、他者との共生を描く

仕事をクビになった裕也は、育児放棄されていた小学生・海斗を連れて旅に出る。親切な人々との出会いや母親との再会を通し、裕也は自分自身を見つめ直す。人と共に生きることの温かさと苦しさを力強く描いた作品。

2021年/カラー/70分
監督・脚本・撮影・編集:松林悠依/録音・照明:榊原 滉/録音・照明:片山名緒子/録音・照明:松本大河/記録:野口友莉香/助監督・美術・衣装・メイク・劇中絵:遠藤はいさ
出演:林原 翔、川合結人、野村 考、千代反田美香、秋山大地

セレクション・メンバーによる[ココがすごい!]

胸を打たれ続けた70分だった。困った人を助ける、悪いと思ったら素直に謝る。本作でそんな「当たり前」を体現するのは「弱き人々」だ。当たり前が壊れた現実で、本作は新たな世界の萌芽を映す。映画が持つ力を実感する一作だ。

木村奈緒(フリーライター)

松林悠依

MATSUBAYASHI Yuui

1997年生まれ、三重県出身。アメリカ留学中、講義や校内ミニシアターを通じて、様々なジャンルの映画に触れ、衝撃を受ける。現在は早稲田大学で、映像制作の授業を履修し、映画制作の基礎知識を学んでいる。

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Eプログラム
9/11(土)11:30~|9/15(水)16:30~小ホール

『愛ちゃん物語♡』

監督:大野キャンディス真奈

人との出会いで世界が変わる。キュートな現代の成長譚

早くに母を失い、厳しい父のもとで高校生になるまで友情も知らずに生きてきた愛。トランス女性の聖子さんとの出会いで、彼女の世界は一変する...。カラフルでポップな世界観で、成長物語の王道を独創的に塗り替える!

2021年/カラー/88分
監督・プロデューサー・脚本・編集:大野キャンディス真奈/助監督:ryo matsumura、竹井啓吾/撮影:澤木宥吾、小島 翔、呉大雅俊、小畑智寛、田村 悠
出演:坂ノ上 茜、黒住尚生、保土田 寛、松村 亮

セレクション・メンバーによる[ココがすごい!]

未だかつて味わったことのない魅惑的なリズムで刻む、とびきりキュートでちょっぴり辛辣な"愛"の物語。描かれる"家族"の形は、まさに20年代の新基準!この映画は、世界を優しく包み込み、全人類を肯定してくれるのだ!

長井 龍(映画プロデューサー)

大野キャンディス真奈

OHNO Candice Mana

1998年生まれ、千葉県出身。『歴史から消えた小野小町』(17年)が、カナザワ映画祭で期待の新人俳優賞、東京学生映画祭で観客賞を受賞して話題に。SHINPAの「在宅映画製作」プロジェクト(20年)にも参加。

『サイクルレース』

監督:倉澤紘己

独特な世界なのに、なぜか懐かしいような不思議な魅力

自転車のレースの途中、気づけば道を外れて1人走り続け...。延々と続く道、自転車のリズム、見守る電灯。独創的なアニメーション世界でありつつ、観客に自分の記憶を連想させるような余白ある空間に魅了される。

2021年/カラー/5分
監督・アニメーション・編集:倉澤紘己/音響:大森寿一

セレクション・メンバーによる[ココがすごい!]

自転車と街灯の音が淡々と繰り返され、響き合う。双方の音が互いに少しずつ変化をつけたり、どちらか一方が消え入ったりするうちに、世界の在り方が変わって行く。どこからか亡霊の声がする。

中野弘基(作曲家)

倉澤紘己

KURASAWA Hiroki

1999年生まれ、神奈川県出身。高校2年生の時に、美術予備校で制作したアニメーションが好評で、アニメーション制作を志すようになる。現在在学中の武蔵野美術大学では、ドキュメンタリーの制作も行った。

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Fプログラム
9/12(日)11:30~|9/16(木)16:15~小ホール

『県民投票』

監督:大場丈夫

ひとりひとりが政治について考える重要さを問いかける

原発再稼働の是非を問う県民投票をめぐるドキュメンタリー。自分自身で政治について考える大切さをよびかけ、対話を重ねる人々を映した本作は、私たちが目を背けてはいけない現代日本の政治の姿をしかと捉えている。

2021年/カラー/92分
監督・製作・撮影・編集:大場丈夫
出演:鵜沢恵一、姜 咲知子、徳田太郎

セレクション・メンバーによる[ココがすごい!]

フィクションならどれだけ良かっただろう。「茨城県だけの話でしょ?」と他人事では済ませられない。現実は映画より闇い。この世を変える、変えなくてはいけないと思い知らせてくれる一本。

永井勇成(DOKUSO映画館 マガジン編集長)

大場丈夫

OHBA Takeo

1982年生まれ、茨城県出身。日本映画学校(現・日本映画大学)卒業。日々の仕事の傍ら、ドキュメンタリーを撮り始め、『祖母』(19年)を制作。仙台短篇映画祭2019「新しい才能に出会う」で上映される。

『Journey to the 母性の目覚め』

監督:岡田詩歌

ポップな映像に凝縮された、母性をめぐる思考の旅

中学校への登校中、突然"母性"に目覚めた私。結婚や妊娠、子育て、様々な年代において私につきまとう母性をめぐる言説。母性、そして親になることとは?5分間のポップなアニメーションで様々な思考が駆け巡る。

2021年/カラー/5分
監督・脚本・編集・アニメーション:岡田詩歌/音楽:黒柳紗繭/音響:井関幸平
出演:川口真実、岡田和音、増田チカ、住吉美玲、岡田みずき

セレクション・メンバーによる[ココがすごい!]

「母性」という神秘に悩める女の人生がつまってる。切り取るシーンの着眼点にハッとさせられ続け、転換や抽象表現のユニークな演出の虜になった。誰しもが世界観に入り込んで、一緒に旅をすることになるに違いない。

雨無麻友子(映画プロデューサー)

岡田詩歌

OKADA Shiika

1996年生まれ、東京都出身。兄の見様見真似で始めたアニメーション制作に魅了される。東京藝術大学大学院 映像研究科アニメーション専攻在学中に制作した『ワンダフル千鳥足 in ワンダーランド』(19年)が国内外の映画祭で上映。

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9/14(火)17:45~小ホール|9/19(日)11:30~

『帰路』

監督:高橋伊吹

高校生の感じる、何も起こらない日常の中の切実さ

10時42分、少年は高校を抜け出す。まっすぐ家に帰りたくない気がしても、やっぱり最後は帰るしかない。少年が家への帰路の中で巡らせる思いや切実な感情が、彼の見ている景色のような親密な映像で表現される。

2021年/カラー/19分
監督・脚本・編集:高橋伊吹/カメラ:高羽快登
出演:高橋伊吹

セレクション・メンバーによる[ココがすごい!]

感覚的なセンスなのか、はたまた自覚的に作られたものなのか。決して劇的な出来事を描いているわけではない。にも関わらず、いや、だからこそ、画面から溢れる声なき叫びと並々ならぬ切実さに心がぎゅっと掴まれた。

加藤綾佳(映画監督)

高橋伊吹

TAKAHASHI Ibuki

2002年生まれ、愛知県出身。ラジオでライムスター宇多丸の映画批評を聴き「この人に自分の映画を批評してもらいたい」と映画制作を志す。瑞陵高校の映画部で映画制作を行い、現在は立命館大学映像学部に在学中。

へだててて』

監督:加藤紗希

行き交う人々、交差する時間。そして映画は家の外へ!

同じ家に住む女性アコとサンを中心として描かれる、家で暮らす者、訪れる者、出ていく者。家という舞台を効果的に用い、様々なアプローチの時間・空間表現に挑むオムニバス。家で展開する人々の些細なズレの面白さ!

2021年/カラー/78分
監督・出演・編集・製作:加藤紗希/脚本・出演・製作:豊島晴香/撮影:河本洋介/録音・音響:三村一馬/照明:西野正浩
出演:釜口恵太、神田朱未、髙羽 快、本荘 澪、湯川紋子

セレクション・メンバーによる[ココがすごい!]

家の中と外を行き来するだけで、日常空間を劇的に変容させてしまう...だけにとどまらず、そこに歴史(時間)を持ち込んで、「やばいやばい!」「すげー!」と言いながら、彼女たちはこの世界の新しい地平を目指す。

五十嵐耕平(映画監督)

加藤紗希

KATO Saki

1989年生まれ、愛知県出身。18年、映画美学校のアクターズコースを修了。『泥濘む』でPFFアワード2019に入選。振付師・俳優として活動する傍ら、豊島晴香との創作ユニット「点と」を立ち上げ、映像作品の制作を行っている。

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