招待作品部門

森田芳光70祭
~伝えたい、モリタを~

<常に新しい>森田芳光監督についた冠のようなこの言葉。本年は「森田芳光70祭」と題して、ブルーレイボックスや書籍の発売に加え、ゆかりの劇場でのマラソン上映(「ゆかりの映画館で森田芳光の映画人生を辿る特集上映の旅」)が企画された。8mm自主映画『ライブイン茅ケ崎』からの縁となるPFFでは、旬の映画監督たちの森田愛を知ってしまい、『ときめきに死す』を冨永昌敬監督に、『メイン・テーマ』を松居大悟監督に、『それから』を沖田修一監督に、『39 -刑法第三十九条-』を石川慶監督と脚本家の向井康介さんに語っていただき、森田マジックを解きあかし、次世代へと繋ぐ時間をつくります。上映は全て35㎜フィルムで行います。

※9月8日には、8ミリフィルムなど森田監督の初期作品にフォーカスしたユーロスペースにて、第43回ぴあフィルムフェスティバル共同企画として『劇的ドキュメント レポート'78~'79』を上映します!

9/12(日)12:00~小ホール
(C)1984 ハネシネマ

『ときめきに死す』

1984年/105分/35mmフィルム上映
監督・脚本:森田芳光
出演:沢田研二、杉浦直樹、樋口可南子
ゲスト
冨永昌敬(映画監督)
森田監督のオフビートが刻まれた最高にクールなサスペンス!!

とある田舎町。自称・医者の男は、ある組織から依頼を受け若い男の面倒を見はじめる。そこに謎の女も加わり共同生活が始まるが・・。原作を大幅改変したストーリー、セリフまわしや空間演出など、随所に監督のセンスが光る!

9/12(日)16:00~小ホール
(C)東映

『それから』

1985年/130分/35mmフィルム上映
監督:森田芳光
出演:松田優作、藤谷美和子、小林 薫
ゲスト
沖田修一(映画監督)
日本文学最高峰の古典を新感覚で魅せた恋愛映画の傑作

松田優作とのタッグ2作目は、明治後期の東京を舞台に男女の燃え上がる愛と葛藤を描いた夏目漱石の同名小説を映画化。美術や小道具、衣装など斬新でスタイリッシュな映像世界が圧巻!キネマ旬報ベスト・テン第1位を獲得。

9/19(日)12:30~小ホール
(C)光和インターナショナル/松竹

『39 -刑法第三十九条-』

1999年/133分/35mmフィルム上映 *英語字幕付
監督:森田芳光
出演:鈴木京香、堤 真一、岸部一徳
ゲスト
石川 慶(映画監督)
ゲスト
向井康介(脚本家)
鈴木京香×堤真一 共演のスリリングな法廷劇

「心神喪失の状態にある者は罪に問えない」という刑法がモチーフの心理サスペンス。虚ろな表情、"銀残し"の色調、敢えてピントをぼかすなど、怪しげで個性的な演出が炸裂!ベルリン国際映画祭コンペ部門出品。

9/19(日)17:00~小ホール
(C)KADOKAWA1984

『メイン・テーマ』

1984年/100分/35mmフィルム上映
監督・脚本:森田芳光
出演:薬師丸ひろ子、野村宏伸、桃井かおり
ゲスト
松居大悟(映画監督)
角川映画のスター薬師丸ひろ子主演 異色のアイドル映画

恋に揺れるヒロインが大人へ成長していく姿を描く青春ロードムービー。森田監督の遊び心たっぷりの演出が随所に見られる。主演の薬師丸ひろ子が歌う主題歌が大ヒットし、歌詞の一節が映画のキャッチコピーにもなった。

ゆかりの映画館で森田芳光の映画人生を辿る特集上映の旅
<その他の特集上映会場>
9/4(土)~10(金)ユーロスペース|10/2(土)~新文芸坐|11/3(水・祝)飯田橋ギンレイホール
詳しくは公式サイトをチェック!
https://tarimo70.com/

写真:小櫃亘弘
Director

森田芳光

MORITA Yoshimitsu

1950年、東京都出身。大学在学中から8ミリ映画を監督しはじめ78年、8ミリ映画『ライブイン茅ヶ崎』がPFFに入選。81年、『の・ようなもの』で劇場公開映画デビュー。以後『家族ゲーム』(83年)『それから』(85年)『キッチン』(89年)『(ハル)』(96年)『阿修羅のごとく』(03年)『海猫』(04年)『間宮兄弟』(06年)などを監督。『僕達急行A列車で行こう』(12年)を遺作に11年、死去。享年61。