招待作品部門
映画を志す人が何かのヒントを掴む時間。それがこのPFFのスペシャル講座シリーズです。
上映+新鮮な視点のトーク=映画再発見!
今年は8人の豪華講師陣が、様々な角度から映画と時代と人に迫り、一層映画を面白くします!
「コロナ禍の卒業映画制作」
廣原 暁(映画監督)×諏訪敦彦(映画監督)
東京藝術大学大学院映像研究科では、コロナの影響により従来の卒業制作が出来なくなった。では、どうしたのか?その結果を示す作品を上映後、監督を務めた廣原暁氏と同校教授・諏訪敦彦氏を迎え「卒業制作について改めて考える時間」となるだろう。
◎ ゲストプロフィール
廣原 暁
諏訪敦彦
1960年、広島県生まれ。85年、「はなされるGANG」がPFF入選。97年、初長編『2/デュオ』公開。監督作に『M/OTHER』(99年)『HStory』(00年)『不完全なふたり』(05年)『風の電話』(20年)など。
◎ 上映作品
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『藝大の怪談』監督:廣原 暁
2021年/日本/カラー/65分東京藝術大学大学院映像研究科が舞台の4篇からなるオムニバス。学生たちに巻き起こる恐ろしい出来事とは...。ホラーという制約下で、試写室、暗い廊下など、馬車道校舎のロケーションを存分に生かした撮影&演出が冴えわたる!
「越境するインディペンデント映画~"越境シネマLABO" はじめます~」
藤元明緒(映画監督)×渡邉一孝(映画プロデューサー)
「インディペンデントなやり方で映画をつくり続ける」この課題に果敢に取り組む監督とプロデューサーを迎え、具体的なその方法を開示いただく貴重な時間。世界で話題の2作品を上映し、国際映画祭をフル活用する具体的なノウハウを語るみっちり濃厚な機会に是非!
◎ ゲストプロフィール
藤元明緒
映画監督
1988年、大阪府生まれ。在日ミャンマー人家族を描く初長編『僕の帰る場所』(18年)が東京国際映画祭をはじめ33の国際映画祭で上映。21年、ベトナム人技能実習生を描く第二長編『海辺の彼女たち』を公開。
渡邉一孝
映画プロデューサー
1986年、福井県生まれ。14年、企画・配給他を行う株式会社E.x.Nを設立。『黒い暴動♥』(16年)や藤元明緒監督作などプロデュース。山形国際ドキュメンタリー映画祭ラフカット!部門のプログラムコーディネーター。
◎ 上映作品
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『僕の帰る場所』2017年/日本・ベトナム/カラー/98分
監督・脚本・編集:藤元明緒/プロデューサー:渡邉一孝、吉田文人
出演:カウン・ミャッ・トゥ、ケイン・ミャッ・トゥ、アイセ、テッ・ミャッ・ナイン日本とミャンマーで引き離された家族の日常を、幼い少年の目を通して描く。これは難民認定がほぼ通らない日本で、普通に暮らすことが許されない多くの家族の物語でもある。「異国の故郷」を生きる少年がリアルな存在感を放つ。
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『海辺の彼女たち』2020年/日本・ベトナム/カラー/88分
監督・脚本・編集:藤元明緒/プロデューサー:渡邉一孝、ジョシュ・レヴィ、ヌエン・ル・ハン
出演: ホアン・フォン、フィン・トゥエ・アン、クィン・ニュー寒々しい海辺で懸命に生きるベトナム人研修生たち。過剰な演出を一切排し、リアリズムに徹した文体ながら、「彼女たち」に対する監督の温かな優しさがあふれる。ダルデンヌ兄弟の作風を思わせる秀作。
「タイトルと内容のギャップに驚愕!加藤泰の傑作」
横山 百合子(国立歴史民俗博物館 名誉教授)
ローアングルによる独特の映像美で知られる名匠・加藤泰監督はフェミニスト。と思わせる作品のひとつ『骨までしゃぶる』を上映し、昨年大変な評判を呼んだ「性差の日本史」企画・監修の横山百合子氏を迎え、遊郭や売春の歴史と映画の背景を伺い、一層この傑作を楽しむ時間。女子高生必見!
◎ ゲストプロフィール
横山 百合子
東京大学文学部国史学科卒業。専門分野は、日本近世史、ジェンダー史。著書に、「遊女の日記を読む―嘉永二年梅本屋佐吉抱え遊女付け火一件をめぐって」(長谷川貴彦編『エゴ・ドキュメントの歴史学』岩波書店、2020年)、岩波新書『江戸東京の明治維新』(2018年)など。
◎ 上映作品
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『骨までしゃぶる』1966年/日本/白黒/88分/35mmフィルム上映
監督:加藤 泰
出演:桜町弘子、久保菜穂子、宮園純子桜町弘子の姿が胸を打つ。彼女は借金苦で身売りしたお絹を演じる。先輩女郎の逃亡。救世軍。甚五郎との恋。拷問。廓の仕組を知ったお絹は自分で人生を切り開こうと意を決する。名匠加藤泰は総てを力強く描き出す。
「安部公房と勅使河原宏」
石井岳龍(映画監督)
安部公房の「箱男」映画化にむけ作家自身と交流のあった石井岳龍監督にとって、勅使河原宏監督は特別な存在であった。当時の思い出も交えながら、安部公房の世界、その映画化について、観る度に面白さが増すという『砂の女』を上映し、お話しいただく。
◎ ゲストプロフィール
石井岳龍
1957年、福岡県出身。自らの8mm作品のリメイク『高校大パニック』(78年)で商業映画デビュー。同年『突撃!!博多愚連隊』がPFF入選。これまでの作品に『狂い咲きサンダーロード』(80年)、『ソレダケ/that's it』(15年)、『パンク侍、斬られて候』(18年)などがある。
◎ 上映作品
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『砂の女』1964年/日本/白黒/147分/35mmフィルム上映
監督:勅使河原 宏
出演:岡田英次、三井弘次、岸田今日子夏の砂丘。一人の男が蟻地獄のような穴の底にある家屋へ。砂の浸食から家を守る女。やがて男は砂の世界に閉じ込められる。観客もまた砂だらけの世界に迷い込まされ、砂の表情に触覚をぞわぞわさせられる伝説の作品!
「勅使河原宏の音と空間」
長嶌寛幸(音楽家)×松井 茂(詩人)
勅使河原宏の映画といえば、武満徹の音楽。武満徹といえば、録音技師の奥山重之助が欠かせない。長嶌寛幸氏が、奥山氏へのインタビューをなさった松井茂氏を迎え、『他人の顔』をテキストに、驚くほど深く楽しく勅使河原宏の音と空間を追及する予感。
◎ ゲストプロフィール
長嶌寛幸
1966年、京都府生まれ。東京芸術大学大学院映像研究科教授。電子音楽グループDowserのメンバー。音楽を担当した映画に『エンジェル・ダスト』(94年)『接吻』(08年)『空に住む』(20年)など。
松井 茂
1975年、東京生まれ。詩人。共編に『日本の電子音楽続インタビュー編』ほか。共著に『テレビ・ドキュメンタリーを創った人々』ほか。詩集に『二●二●』ほか。
◎ 上映作品
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『他人の顔』1966年/日本/白黒/121分/35mmフィルム上映
監督:勅使河原 宏
出演:仲代達矢、京 マチ子、平 幹二朗大火傷で顔を失った男が精巧に造られた他人の顔の仮面を被り街へ出る。のみならず妻を誘惑する。顔とは?自己とは?他人とは?根源的な問いを冷徹なモノクローム画面、モダンな音楽と美術の結晶に込めた前衛的傑作!