コンペティション部門

PFFアワード2020

自ら映画を生み出す決意と熱意と才能を紹介する自主映画のコンペティションPFFアワード。本年は480本の応募作品から17本を入選作品として紹介し、2回のスクリーン上映を実施。会場に監督を迎え、上映後、客席との対話をとおし、映画は更に広い世界へと飛翔する。会場では観客賞投票を実施。遠方の方は、オンライン上映へ!観客賞投票は、会場のみで実施します。
※上映後は、来場監督を迎えてのトークを予定。

**9/26(土) グランプリ、準グランプリ受賞作品上映あり**

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Aプログラム
9月12日(土)11:00~/9月18日(金)15:15~
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『パンク』

監督:鈴木順也

パンクしているのは自転車か、俺かお前か、それとも...

昨日も今日も自転車がパンクしている。誰の仕業か突き止めようとするトキオだが、ネット上のやりとり、駐輪場の女、自転車屋のオヤジ、全てが疑わしく思えてくる...。トキオに見えている世界に引き込まれ、圧倒される!

2020年/カラー/44分
監督:鈴木順也
出演:稲葉歓喜、一柳直之、西本あんずex.桃、岡崎勇太、見谷優唯

鈴木順也

Junya Suzuki

1988年生まれ、神奈川県出身。中学3年生の時の授業で、個人課題研究のテーマに「映画」を選んだのをきっかけに、カメラを手に取る。桜美林大学映画学科入学後、自主映画制作にのめりこむ。現在は、横浜の「ジャック&ベティ」勤務。
◎最も影響を受けた監督:ジョージ・ルーカス

霞姫霊異記かすみひめりょういき

監督:高階 匠

不思議な伝説と住民たちが誘う、オフビートな冒険物語

旅行で訪れた島で恋人が土偶になってしまった!再び島に戻った小林は、島の人々ともに祟りを解くため奔走する。島の人々の佇まいや会話の隅々に不思議な魅力が詰まった作品。小林は祟りを解くことができるのか?

2020年/カラー/57分
監督・脚本・撮影・編集・録音:高階 匠/音楽:澤田栄一
出演:小林武志、宮内希奈香、関 直軌、石川大輝、小山駿助

高階 匠

Takumi Takashina

1989年生まれ、東京都出身。早稲田大学文学部入学後、映画研究会で映画の制作を始める。現在は映像制作会社で働きながら、自主映画をつくっている。前監督作の『Good bye, Eric!』がPFFアワード2018に入選。
◎最も影響を受けた監督:金子修介

Bプログラム
9月12日(土)18:30~/9月17日(木)11:00~
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『タヌキ計画』

監督:チェ・ユシン

在日外国人とともに暮らす、現代日本へ問いかける寓話

日本人に「化ける」ための違法薬物「タヌキ」。ベトナムから出稼ぎに来たタンヤもこの薬で日本人として生活し始めるが、次第に母国の記憶を失っていく...。在日外国人の生きづらい現実をおとぎ話として描いた異色作。

2020年/カラー/41分
監督チェ・ユシン/編集:河喜多恵、黄愛恩/撮影:藤原俊太/プロデューサー:金井もも子
出演:ユッキーレ、藤田恵美、七瀬真生子、渡辺 理、クオン

チェ・ユシン

Chiueh Yu Hsin

1995年生まれ、アメリカ出身。2018年に台湾から日本へやって来て、自主映画制作を始める。現在は、東放学園映画専門学校で監督や美術について学ぶかたわらで、テレビ番組のサブディレクターとしても働いている。
◎最も影響を受けた監督:荻上直子、寺山修司

LUGINSKYルギンスキー

監督:haiena

「変なものが見える」主人公の視界をコラージュで描く

ある日、幻覚が見えるようになった。そんな彼が幻視に導かれるように密造酒や奇妙な人々に出会い、不条理な世界へ吸い込まれていく。独特の語りとコラージュを用いた映像表現で、観客は唯一無二の世界へと迷い込む!

2020年/カラー/63分
監督・原作・脚本・音楽・演出・出演:haiena/コラージュ・アニメーション・編集・演出・エフェクト:ジャン=ピエール・フジイ
フォトグラフ・撮影:夏色インコ/ドローイング・台詞テスト:あすてか
出演:大谷修久、水田真央、haiena(以上 声の出演)、こぐちゆみ(ムシェットフォトモデル)

haiena

haiena

1977年生まれ、東京出身。音楽専門学校映像科に入学、課題消化のため映画をつくり始めた。卒業後はポストモダニズム文学創作に注力。現在は日当制の肉体労働に就きながら、chill系トラックメイカーとして活動。アートグループJ&HFilmsを結成。
◎最も影響を受けた監督:ベルトラン・ブリエ

Cプログラム
9月13日(日)11:00~/9月17日(木)14:30~
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『もとめたせい』

監督:矢部 凜

「変態」から始まる屈折したガール・ミーツ・ボーイ

同級生の男子、馬場からある日突然「ブラジャーを貸して欲しい」と相談された女子高生の相川。誰にも言えない秘密の相談に協力する中で、ふたりは仲を深めていくが...。他人の性に興味津々な新しいヒロイン像に注目!

2020年/カラー/30分
監督・編集:矢部 凜/プロデューサー:安井希歩乃/脚本:上田美穂/撮影・照明:西岡 徹/音楽:松原直樹
出演:掛橋七海、前田隆成、田井由美子、中山創太、鈴木卓爾

矢部 凜

Rin Yabe

1997年生まれ、滋賀県出身。京都造形芸術大学芸術学部で映画制作を学ぶ。現在は広告制作会社に勤めながら、脚本執筆やPV制作を行う。これまでに『リビングファミリー』(19年)や『あなたと密会』(20年)などがある。
◎最も影響を受けた監督:宮崎 駿

『へんしんっ!』

監督:石田智哉

車椅子とカメラ、人と人の関わりが拡張する、表現の可能性

車椅子に乗った監督が、しょうがい者の表現活動の可能性を探ったドキュメンタリー。映画製作を通じて様々な人と関わりあう中で、多様な"違い"を発見してゆく。周囲の人を巻き込む、彼の映画の作り方にも注目。

2020年/カラー/93分
監督・企画・編集:石田智哉/プロデューサー・録音:藤原里歩/撮影:本田 恵、壺井 濯、柗下仁美
キャスト:石田智哉、砂連尾理、佐沢(野崎)静枝、美月めぐみ、鈴木橙輔

石田智哉

Tomoya Ishida

1997年生まれ、東京都出身。中学生の頃、自分に合った学習方法としてiPadを紹介され、映像制作に興味を持つ。立教大学入学後、映像制作系のゼミに所属し、ボランティアサークルではバリアフリー映画上映会を行う。本作が初監督作品。
◎最も影響を受けた監督:想田和弘

Dプログラム
9月13日(日)18:00~/9月18日(金)11:00~
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『追憶と槌』

監督:金井啓太

独創的な表現でみせる、雪の中に埋まった町への思い

岩手県の「錦秋湖」はかつてダム建設で水没した湯田町という町だった。写真を用いて語られる土地の歴史と、かつての町をおおう雪。二度と戻ってこない町との距離を表現したパフォーマンスが目に焼きついて離れない!

2020年/カラー/8分
監督・脚本・編集:金井啓太/撮影:本藤太郎、吉田真也
出演:金井啓太

金井啓太

Keita Kanai

1994年生まれ、東京都出身。中学3年生の時に文化祭で友人たちを誘って、初めて映画をつくった。筑波大学入学後、パフォーマンスやインスタレーション作品を制作し、東京藝術大学映像研究科に進学する。現在はゲーム開発に携わる。
◎最も影響を受けた監督:五島一浩

『頭痛が痛い』

監督:守田悠人

現代の死にたい少女たちの切実な叫びが聞こえてくるー

優等生のいくと不登校の鳴海。一見、相入れないふたりが「死にたい」という苦しみを共有し距離を縮めていく...。配信やSNSといった時代がもたらす問題を捉えつつ、生きづらい少女たちの声に真摯に向き合った作品。

2020年/カラー/131分
監督・脚本・編集:守田悠人/撮影・照明:田中丈尊/録音・整音:五十嵐猛吏/プロデューサー・助監督チーフ:砂糖 塩/音楽:大村知也
出演:阿部百衣子、せとらえと、鐘ヶ江佳太、山本華容子、杉山宗賢

守田悠人

Yuto Morita

1997年生まれ、愛知県出身。日本映画大学映画学科に入学し、1年次から映画制作を始める。脚本コースを卒業後、就職活動を早々に挫折し、脚本を書き続けている。これまでに執筆した作品に「幸福なLINE」などがある。
◎最も影響を受けた監督:エドワード・ヤン

Eプログラム
9月15日(火)11:00~/9月20日(日)18:00~
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『遠上恵未(24)』

監督:遠上恵未

「あと10日で25歳になる」自分を写したい焦りと衝動!

女優が自身の代表作とすべく自らカメラを回す!24歳からアラサーになることへの焦り。今の自分をカメラに収めなければと、自分にしか撮れない姿を求め、さらけ出してゆく。だが、自分が撮りたい「遠上恵未」とは...?

2020年/カラー/26分
監督・撮影・編集・出演:遠上恵未

遠上恵未

Emi Togami

1993年生まれ、東京都出身。千葉大学教育学部在学中に、現代美術家と協働でビデオアートを制作したことがきっかけで、映像表現に興味を持つ。卒業後に、広告制作会社勤務を経て、ENBUゼミナールに入学し、映画制作を始める。
◎最も影響を受けた監督:五社英雄

『屋根裏の巳已己みいこ

監督:寺西 涼

記憶か現実か?生と死のはざまをさまよう怪奇な物語

同棲中のアパートから逃げるように実家に帰ったショウは、繰り返し夢に現れていた中学時代の幼なじみ、ミーコと再会する。だが、どこかおかしい...。不安をあおる独特のカメラとスピード感あふれる編集に魅せられる!

2020年/カラー/102分
監督・脚本・撮影・編集・音響:寺西 涼
出演:中川原佳晟、長谷川友香、出月 景、寺西 恵、森泉春乃

寺西 涼

Ryo Teranishi

1995年生まれ、神奈川県出身。東京藝術大学美術学部絵画科在学中に、デヴィッド・リンチ監督の『インランド・エンパイア』に触発されて、自主映画制作を始める。現在は、映画美学校フィクションコースの高等科に在籍している。
◎最も影響を受けた監督:デヴィッド・リンチ

Fプログラム
9月15日(火)15:00~/9月19日(土)18:30~
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『フィン』

監督:小池 茅

日常のような特別なような。25才、ポエジーな誕生日!

京都に滞在中に女の子に声をかけられたフィン。同級生だと言うがよく思い出せないまま、年上の友人と3人で自分の誕生日会をすることに。彼女は誰?ユーモアあるセリフ一つ一つが楽しく、独特のリズムが心地よい!

2020年/カラー/36分
監督・脚本・撮影・編集:小池 茅/音楽・録音協力:岩出 拓/整音:五十嵐猛吏
出演:河内宙夢、森岡沙妃、半川伸也

小池 茅

Kaya Koike

1993年生まれ、東京都出身。中学生の時に、夢日記をもとに初めて映画をつくる。早稲田大学入学後はサークルで、タンザニア留学のち帰国後は映像制作の授業で、またお寺のもとで映画をつくる。現在は会社勤めの傍ら友人たちと撮影を行う。
◎最も影響を受けた監督:Paz Encina(パズ・アンシーナ)

『MOTHERS』

監督:関 麻衣子

カメラを介して向き合う、父そして3人の母親との関係

不安定な父と暮らす監督自身が、姉とともに"3人の母親"に改めて向き合ったドキュメンタリー。家族という逃れられない呪縛。この映画をきっかけに、苦しみに直面しながら揺さぶられる家族の関係を、観客は目撃する!

2020年/カラー/63分
監督・撮影・制作:関 麻衣子/撮影・録音・編集:韋冠男
出演:関 卓司、関 桃子、関 麻衣子、池村かなた、関 ミラソル

関 麻衣子

Maiko Seki

1997年生まれ、東京都出身。日本映画大学映画学科入学後、フィクションとドキュメンタリー映画のつくり方を学び、卒業制作として本作を完成させる。現在は報道局に勤めながら、今後『MOTHERS』完全版をつくりあげることを目指す。
◎最も影響を受けた監督:寺山修司

Gプログラム
9月16日(水)15:00~/9月19日(土)11:00~
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『Fear of missing out』

監督:河内 彰

亡くなった人の存在は、どう確かめられるのだろうか。

亡くなった友人の音声を発見したユジンは、彼女に想いを馳せながら、車を走らす。「ここにいる人」の記憶や言葉によって、「ここにいない人」の存在が夜の闇の中に描き出される。静かな余韻を残す一晩の出来事。

2020年/カラー/36分
監督・脚本・編集・撮影:河内 彰/協力:金子尚景
出演:Yujin Lee、高石 昂、小島彩乃、スニョン、サトウヒロキ

河内 彰

Akira Kawachi

1988年生まれ、兵庫県出身。アートセンターに勤務し、主に文化や芸術に関わる映像をつくっている。その一方で、作家として映画・映像作品の制作・発表を行う。これまでの作品に『光関係』(17年)、『幸福の目』(18年)などがある。
◎最も影響を受けた監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン

『冬のほつれまで』

監督:多持大輔

自分だけの時間を生きる、そんな少女もいてもいい。

朝の教室、昼の売店、放課後の喫茶店。誰とも会話をせず、スケッチブック片手に、ひとりの時間を過ごす女子高校。頑ななような、自由な猫のような少女を、独特な視線で丁寧に描いた作品。きっと彼女に魅了されるはず。

2020年/カラー/67分
監督・脚本・編集:多持大輔/撮影:井坂雄哉/照明:染谷夏海/録音:飯島花衣/衣装:大越味来
出演:青根智沙、北崎京佳、近藤奈保希

多持大輔

Daisuke Tamochi

1995年生まれ、茨城県出身。小学生の頃、兄とホームビデオで遊んだことから映像に興味を持つ。武蔵野美術大学映像学科入学後、初めて映画を監督。同大学院に進学し、自身の制作に身を入れる。現在はフリーランスの映像作家として活動。
◎最も影響を受けた監督:宮崎 駿

Hプログラム
9月16日(水)11:00~/9月19日(土)14:30~
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『こちら放送室よりトム少佐へ』

監督:千阪拓也

直接会うことのない、テープ/宇宙の向こうのあなたへ

1989年。高校の放送部の星は一人でラジオドラマを作っている。ある日カセットテープに知らない少女の声が...!孤独な生徒たちと、宇宙飛行士と管制塔。見えない相手と心を通わす2つの物語が16mmフィルムの上で重なり合う。

2020年/カラー/10分
監督・脚本・編集:千阪拓也/撮影・照明:田邉健太/録音:田辺ちひろ/美術・衣裳:伊藤友里恵/音楽:田中亮祐
出演:工藤徳真、荒川ちか

千阪拓也

Takuya Chisaka

1997年生まれ、兵庫県出身。高校の放送部で、NHK杯全国高校放送コンテスト創作テレビドラマ部門に出品するため、『学園裁判』(14年)、『その女、スパイにつき』(15年)を監督。映像制作の道を志し、日本大学藝術学部に入学する。
◎最も影響を受けた監督:庵野秀明、押井 守、宮崎 駿

『アスタースクールデイズ』

監督:稲田百音

現役高校生による、悩みも喜びもリアルな学園群像劇!

地味な転校生と遠足係になった4人。花と花言葉を贈ってくる彼を最初は気味悪がっていた生徒たちだが、彼の言葉に後押しされて、自分に正直に向き合うように...。個性あふれる生徒たちが魅力的な、心温まる青春と友情!

2020年/カラー/38分
監督・脚本・撮影・編集:稲田百音
出演:杉山 輝、稲田美柚、竹内史生、中村 空、石河 起

稲田百音

Mone Inada

2001年生まれ、東京都出身。小中学生の頃から趣味でアプリを使った動画編集や撮影をしていた。高校で映画制作団体を立ち上げ、『君は真夏のベガだった』(18年)を監督。高校在学中に映画をもう一本つくりたいと思い、本作を完成させた。
◎最も影響を受けた監督:是枝裕和、河瀨直美、宮崎 駿、ナディーン・ラバキー

『未亡人』

監督:野村陽介

「未だ亡くなれない人」ならば、どう生きていく?

芸術家としての志のために、これまで恋愛を捨てて童貞を貫いてきた、美大生の野村。自己愛と他人からの評価のはざま、友人や家族との関係、芸術や宗教観のなかで苦悩する主人公の姿を、俳優である監督自ら熱演!

2020年/カラー/54分
監督・脚本・撮影・録音・美術・編集:野村陽介/美術:青柳光祐
出演:野村陽介、後藤 匠、戸丸 杏、奥村アキラ

野村陽介

Yosuke Nomura

1996年、埼玉県出身。東京藝術大学美術学部デザイン科の4年次に、卒業制作として自身のこれまでの集大成となるものをつくろうと、本作を完成させた。本作が初監督作品となる。現在は、主に俳優として活動している。
◎最も影響を受けた監督:李相日、吉田大八、宮崎 駿