かつて自主映画とは8mmでした。名作6本を8mm映写機を持ち込み上映。貴重なチャンス到来です!
病床の少年の意識と無意識の危うい関係を、
計算されたトーン、カメラワークで見せる。
[1979年/8ミリ/カラー/28分]
監督・制作:山田勇男/脚本:稲葉憲仁/撮影:藤木光次/美術:湊谷夢吉/製作:銀河画報社
出演:M少年、Y氏、R嬢
少年を看病する少女は、少年の願望する母親の姿、やさしい姉、はたまた妹、それとも恋人とあらゆる姿のイメージが重なり合った人物として登場する。背中に羽をつけた青年は、成長した青年自身の姿であろうか、ひたすら夢想する人さらいなのかもしれない。危うく揺れ動くまぼろしの世界にあって、少年の目ざめにより、確実に1つの終焉があってひとつの始まりがある。少年の意識と無意識世界の危うい関係を、計算されたトーン、確実なカメラテクニック、独特なフィルター効果を拠りどころとして、1つのカラーで引きつける。青年は、少年の世界から旅人となっていつか見るであろう風景を目指して、フレームの中から歩き出るのである。
1952年、北海道生まれ。
74年「天井桟敷」入団、寺山修司『田園に死す』に参加。以後、寺山映画の美術・衣装デザインを担当。77年『スバルの夜』(PFF入選)から2013年『幻景』まで8ミリフィルムを中心に103本を制作。92年『アンモナイトのささやきを聞いた』がカンヌ国際映画祭招待。03年『蒸発旅日記』。
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