577本の応募作の中から、約4ヶ月もの厳正な審査を経て選出された20作品を、お披露目上映。まずは、気になる1作品から観てみよう!あなたの投票で賞が決まる「観客賞」にもご参加ください。
※審査員、賞一覧、審査方法などPFFアワードの詳細は、「PFFアワードについて」をご覧ください。
冒頭、殺風景な高速道路の高架下から人のいない町並みをゆっくり映していくシーンから、すでにただならぬ気配を感じさせる。会社を辞めて昼夜逆転の生活を続ける男は、もはや生活費に事欠く。いずれこの生活から脱出するしかなかった彼にとって、影のように現れた何者かは、一種の救世主か!?
「異常者に翻弄される主人公」はジャンル映画としてよくある設定でも、描写が丁寧であれば、観る者を夢中にさせる作品がまだまだ作れるんだと改めて感じさせられました。観る者を常に意識した作り手の映像・音への執着心がとにかく凄まじく
街の騒音・ドアノック・ピンポン・学校のチャイムなど日常に溢れる音を駆使した演出はお見事。ただ恐いだけではなく、引きこもり青年の内面をしっかり描いたロードムービー(?)を目撃せよ!
原 武史(レンタルビデオ店スタッフ)
1989年東京都出身/デジタルハリウッド大学 デジタルコミュニケーション学部デジタルコンテンツ学科 卒業
小さい頃から映画やアニメが好きで、最初はアニメ監督志望でデジタルハリウッド大学に入りました。ですが、映画史やシナリオの授業を受けたことと、自主映画をつくっている仲間と出会ったことがきっかけで、実写映画のほうに夢中になりました。大学時代はほとんど映画を観るだけの生活で、本格的に自主制作を始めたのは大学院に入ってからです。現在は大学院を休学中で、アルバイトをしながら映画の仕事を探しています。
第1作はアクション映画で、次は怖い映画が撮りたいと、まず思いました。スピルバーグの『激突!』を小さい頃から何度も見てきたことと、肩がぶつかった人間に追いかけられ続けるというアイディアが以前からあって、『THE ESCAPE』の話が生まれました。最後に出てくる廃校は、デジタルハリウッド大学の八王子キャンパスの給食室です。あの廃校シーンの前で終わらせる案もありましたが、クライマックスとして必要だと考えました。
【繰り返し観ている作品】
『JAWS/ジョーズ』(1975年/スティーヴン・スピルバーグ監督)、
『トランスフォーマー』(2007年/マイケル・ベイ監督)、
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(1995年/押井 守監督)、
『パリの灯は遠く』(1976年/ジョゼフ・ロージー監督)
【好きな映画監督】
スティーヴン・スピルバーグ
[2015年/67分/カラー]
監督・脚本・撮影・編集:島村拓也/録音:スティポン・カノクルアンロン/録音:細谷朋弘
出演:松岡眞吾、田中健志、原 知也