上映作品紹介

◎コンペティション部門 PFFアワード2015

577本の応募作の中から、約4ヶ月もの厳正な審査を経て選出された20作品を、お披露目上映。まずは、気になる1作品から観てみよう!あなたの投票で賞が決まる「観客賞」にもご参加ください。
※審査員、賞一覧、審査方法などPFFアワードの詳細は、「PFFアワードについて」をご覧ください。

『海辺の暮らし』

監督:加藤正顕

英語習得と時給にこだわる浜の女

国家再建のため極端な中央集権化がおこなわれ、地方は孤立。この小さな町の浜は汚染され、金持ちたちは海外に高飛びした。15歳のときから天涯孤独の身である女は、英語圏への移住を計画中。というもっともらしい設定はあるものの、どこに進むか予測不可能な展開と手作りの魅力あふれるキッチュ感が、おみごと!

セレクションメンバーからのコメント

ネコムシという架空の海の生物を密漁して暮らす女、そしてその密漁を監視する男。そんな海辺の町での普通の日々を、オフビートな笑いとともにシュールにキュートに展開するこの物語は、ひとは何故どこかに行きたいと思うのか?そして何故どこかに留まりたいと思うようになるのか?をじんわり問いかけてくる。この『海辺の暮らし』は我々日本人の現在の生活を、そして未来に起こるであろう悲劇をこっそり暗示している。

小林でび(映画監督・役者)

監督紹介

加藤正顕Masaaki Kato

1987年東京都出身/東洋大学 文学部哲学科 中退

最初のまとまった映画体験は大学浪人中にツタヤでバイトをしていた頃です。映画を浴びるように観て、勉学を怠り、結果、第一志望の映画を学べる大学には落ちました。大学入学後、実験映画観たさにイメージフォーラム映像研究所に入り、成り行きで8mmフィルムで実験映画を制作しました。その後、大学のサークル内で仲間とふざけて作ったものが僕にとって初めて制作した劇映画でした。役者が指示を逸脱して自由に動いた方が面白いという場面に何度も直面して、人間を使ってドラマを撮ることに興味がわきました。
その後、映画美学校に入り、本格的に映画の勉強を始めました。映画美学校を修了して1年ぐらいしてから、仲間たちと海に行って遊びで何か撮ろうということになり、そのとき撮ったものを冒頭部分にして、続きを足していく形でつくったのが、『海辺の暮らし』です。主演の坂口真由美さんは面白い雰囲気をもった人で、冒頭以降の脚本は、この人にこういう事をやらせたい、という観点でアテ書きにしました。

【繰り返し観ている作品】
『3-4×10月』(1990年/北野 武監督)、
『ポゼッション』(1981年/Sアンジェイ・ズラウスキー監督)、
『シンプルメン』(1992年/ハル・ハートリー監督)、
『ガンモ』(1997年/ハーモニー・コリン監督)

【好きな映画監督】
ハーモニー・コリン、ハル・ハートリー、アンジェイ・ズラウスキー

予告編
上映日時

[2015年/37分/カラー]
監督・脚本・編集:加藤正顕/撮影:美谷島諒、大野祐樹/録音:磯崎祥吾/衣装:倉田春那
出演:坂口真由美、上野皓司、野坂拓彰、青木佳文、磯崎祥吾、小林 遥、角 梓、原田浩二、酒井進吾、藤井治香、島田 薫

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