PFFがロバート・アルトマン、ダグラス・サーク、クリント・イーストウッドに続いて贈る「アメリカの輝ける才能」シリーズ。ゴダール、ヴェンダース、ファスビンダー、スコセッシらが惚れた異才(偉才)フラー。その誰にも真似できないエモーション!
アメリカ人ギャング(ロバート・ライアン)が暗躍する昭和30年の東京。夫を殺された女(李香蘭=山口淑子=シャーリー山口)、は捜査員(ロバート・スタック)と恋に落ちる。日本で撮影され、多くのアジア人役は白人がメイクアップで成りすますのが常識だった時代に、本当に日本人が演じるということを実現し、更に男と男の愛と暴力についても描き、アメリカメジャー映画の常識を破った意欲作。各国でヒットを記録し、フラー自身にとっても日本を発見するステップとなった。
1912年生まれ。アメリカ出身。
新聞記者、小説家、映画脚本家などを経て、1949年に『地獄への挑戦』で監督デビュー。ジャーナリスティックな感性や第二次大戦従軍経験を活かし、常に脚本も自身で執筆。強烈な暴力描写・登場人物の心理探究・社会的不正に対する抗議を織り込んだ自由で独特な低予算娯楽作品を大プロデューサーの運営するメジャースタジオ下でありながら数多く生み出し、後年、多くの映画作家に強い影響を与えた。フランスでは特に人気が沸騰。ジャン=リュック・ゴダール『気狂いピエロ』での自身の役以降、ヴィム・ヴェンダース、スティーヴン・スピルバーグら若手監督の作品に俳優として多数の出演も。1997年没。
[1955年/アメリカ/102分/カラー]
監督・脚本:サミュエル・フラー/製作:バディー・アドラー/脚本:ハリー・クライナー/撮影:ジョー・マクドナルド/色彩監督:レオナード・ドス
出演:ロバート・ライアン、ロバート・スタック、山口淑子、キャメロン・ミッチェル、ブラッド・デクスター