上映作品

コンペティション部門
PFFアワード2023

557本の応募作品の中から入選した、22作品をスクリーンで上映。 上映後は監督を迎えてのトークを行います。

★オンラインでも配信!9/9(土)~10/31(火)

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詳細はこちら

★映画祭最終日9/23(土)、受賞作上映あり!

※上映作品は、9/22(金)に公式サイトで発表します

※年齢、職業(学校名)は応募時のものです。

Aプログラム

『完璧な若い女性』

監督:渡邉龍平(22歳/武蔵野美術大学 造形構想学部映像学科)

令和のシンカンカク歌謡映画、ここに誕生!

東京から静岡に里帰りする黒部と江莉夏は、二人の幼馴染み・汐音から届いたカセットテープ「perfect young lady」を再生する。出会いと別れのバカンスの記録。歌謡映像とコミカルな会話劇がクセになる!

2023年/カラー/65分
製作・脚本・監督:渡邉龍平/助監督・スチール・撮影:サマサ・シシースター/撮影:鈴木陽太郎/照明:八森香央海/録音・整音・ミキシング:青山武生
出演:perfect young lady、大友晶太郎、竹内 春、新井吉亮、田中由美子

渡邉龍平

WATANABE Ryuhei

2000年生まれ、東京都出身。武蔵野美術大学映像学科に在籍。レコード店で流れていたperfect young ladyに衝撃を受け、本作への出演を依頼。制作には映画学校出身の父も協力した。本作の自主上映イベントを企画中。

『ホモ・アミークス』

監督:馬渕ありさ(27歳/自営業)

いきものと共に生きることを問いかけるブラックファンタジー

人間の姿をした実験用生物ホモ・アミークスは「やめろ」としか喋らない。アミークスの飼育員になった田代はある1体に愛着を持ってしまう...。ユニークな設定、巧みなキャラ造形で、観客を物語に誘い込む!

2023年/カラー/42分
監督・脚本・編集:馬渕ありさ/撮影:哉司/録音:佐藤 開/音楽:Peno/キャスティング協力:小原正至
出演:芦原健介、辻 智輝、金子貴伸、須田晶紀子、山ノ内涼太郎

馬渕ありさ

MABUCHI Arisa

1995年生まれ、東京都出身。青山学院大学に在学中、映画部で部長を務める。一時期、肉が食べられなくなった自身の経験から本作を着想。1~2年かけて準備し、自費の約70万円で制作にこぎつけた。現在、フリーで映像制作を手掛ける。

オンラインで観る(9月9日~)
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Bプログラム

『リテイク』

監督:中野晃太(35歳/NPO職員)

読めない展開!劇中映画に翻弄される110分

景はほのかに想いを寄せる遊に自主映画のカメラマンを頼まれる。仲間を集めて撮影が進んでいく中、突然、遊が辞めたいと言いだし...。巧みな劇中映画の使い方!カットの掛け声がかかるたび映画は驚きに溢れていく。

2023年/カラー/110分
監督・脚本・撮影・編集:中野晃太/撮影:柳田修平/録音:飯塚 了、土佐香理/照明:金内直文
出演:麗、武藤優汰、タカノ アレイナ、大原奈子、千葉龍青

中野 晃太

NAKANO Kouta

1987年生まれ、神奈川県出身。高校の放送部で映像制作を始め、東京造形大学で映画を学ぶ。現在、NPO法人湘南市民メディアネットワーク代表。青少年や市民向けの映像制作ワークショップなどを開催しながら、2年以上かけて本作を制作。

『ちょっと吐くね』

監督:大野世愛(22歳/会社員)

病と自己を見つめるふたりの、トイレを舞台にした異色の会話劇

拒食症で嘔吐を繰り返す柚咲は、大学のトイレで嘔吐する静葉の存在に気がつく。ふたりはトイレの壁をへだて関係を築いていたが、静葉がある約束を破ってしまい...。文学作品を読んだ後のような余韻を残すラストは必見。

2023年/カラー/20分
監督・脚本・編集:大野世愛/撮影:吉田 嶺、前川季哉/録音:色川翔太/照明・制作:根岸一平
出演:小澤うい、緋水 綾、高橋輝仁

大野 世愛

ONO Senari

2000年生まれ、北海道出身。温泉宿で育つ。映画美学校フィクション・コースで学び、昨年から自主制作を始めた。本作は監督3本目。現在、北海道と東京を行き来しながら意欲的に映画制作を続けている。今秋、中編を撮影予定。

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Cプログラム

『鳥籠』

監督:立花 遼(21歳/京都芸術大学 芸術学部)

あっけない10代の出会いと別れ。哀愁と痛みに溢れた青春映画

暇さえあれば公園に集まりつるんでいた高校生4人組。ある夜呼び出され、悪い先輩の誘いに付き合ったことで、4人の関係性に変化が生じていく。様々な場所を鳥籠に見立て高校生たちの閉塞感を表現した意欲作。

2023年/カラー/66分
監督・脚本・企画・編集:立花 遼/撮影・カラーグレーディング:天野伊雄/助監督:山崎真理子/録音・MA・編集:池島 快/衣装:倉田彩音
出演:山﨑龍吾、寺田智彦、上原恭平、奥村海斗、榎風ことは

立花 遼

TACHIBANA Ryo

2001年生まれ、大阪府出身。京都芸術大学映画学科に入学し、2年生の授業で短編をつくったことを機に自主制作を始める。本作は監督2作目。自身の子ども時代を反映させた物語を、約1ヵ月かけて撮影した。趣味はラップ。

『サッドカラー』

監督:髙橋栄一(33歳/フリーランス)

悲しくないって悪いこと?感情を測れる世界のディストピア映画

ある日ミヤは夫に勧められた病院で「悲しみを失くしている」と診断されてしまう。どうにかして悲しみを思い出そうとするミヤだったが...。突き放すような無機質で美しい画面と、皮肉でウィットの効いたセリフに目が離せない!

2023年/カラー/24分
脚本・監督・撮影・衣装・編集・整音:髙橋栄一/プロデューサー・助監督:望月亮佑/照明:三塚俊輔/録音:濵田耕司/録音:岡上亮輔
出演:小沢まゆ、野田英治、保土田寛、髙間ゆめみ

髙橋 栄一

TAKAHASHI Eiichi

1990年生まれ、岐阜県出身。建築、ファッションを学んだ後、塚本晋也監督『鉄男』と出会い映画の道へ。同監督の『KOTOKO』等に演出部として参加。自主制作した作品は30本以上。新作長編『ホゾを咬む』が12月劇場公開予定。

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Dプログラム

『USE BY YOUTH』

監督:高木万瑠(20歳/武蔵野美術大学 造形構想学部映像学科)

抜群のリズム、強烈なシナリオ、初期衝動が爆発する!

ジャンケンと拳が全てを決める町に転校してきた最強の男、真田。江美利という少女との出会いを機にその拳を封印するのだったが、再び戦いに巻き込まれていく...。主人公に台詞は一切なし!大胆すぎる設定の娯楽作。

2023年/カラー/51分
監督・編集:高木万瑠/脚本:秋葉原タイチ/音楽:toulavi/撮影・カラー:宮川 玄/録音・整音:芹沢日向
出演:二宮啓輔、瀬戸璃子、桝屋大河、加藤月乃、白田那千

高木 万瑠

TAKAGI Maru

2003年生まれ、東京都出身。高校から本格的に映像づくりを始める。現在、武蔵野美術大学映像学科に在籍。普段はMVなどを主に手掛け、視覚的な面白さを追求している。本作が映画初監督作品。好きな映像作家はダン・ストレイト。

『ただいまはいまだ』

監督:劉 舸(28歳/会社員)

ある一軒家での、ささいな一日を描いた4人の交流物語

中国人留学生の友人・李と共に、彼の音信不通の友人・高を探しに出かけた太郎。無事に高を発見すると、太郎は彼らを妹と住む実家に招待する。一軒家という限定空間から、確かに日常を生きる4人が浮かび上がる演出が光る。

2023年/カラー/28分
監督・脚本・編集:劉 舸/撮影:青石太郎/助監督・美術・カラーグレーディング:王 子易/助監督・記録:鄧 雅文/制作:蘇 暢
出演:郭 嘉雷、アライ ジン、范 西滢、塚田愛実

劉 舸

LIU Ge

1994年生まれ、中国北京出身。経済学を学びに来日したが、撮影の青石太郎との出会いを通じ、映画制作を開始。本作は編入した日本大学芸術学部の卒業制作で初監督作品。現在、制作会社でTV番組などを担当。憧れの監督はエリック・ロメール。

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Eプログラム

『移動する記憶装置展』

監督:たかはしそうた(31歳/東京藝術大学 大学院映像研究科映画専攻)

かつて栄えた町の記憶を巡る、町民とアーティストたちの物語

ギャラリーを運営する麻子は映像作家の谷繁に展示を依頼し、部屋を貸し出す。元々麻子とルームシェアするスミレは不信感を募らせるが、谷繁の展示の手伝いをする羽目に。シリアスなテーマとオフビートな会話劇の心地よい融合!

2023年/カラー/71分
監督・脚本:たかはしそうた/プロデューサー:徐 梅/撮影・照明:費 嘉潤/録音・サウンドデザイン:浪瀬駿太/編集:趙 冬梅
出演:佐々木 想、影山祐子、庄司麻子、廣田朋菜、土屋スミレ

たかはしそうた

TAKAHASHI Souta

1991年生まれ、神奈川県出身。東京藝術大学大学院映像研究科で学ぶ。大学院休学中に制作した『上飯田の話』(21)が今年4月に劇場公開。本作の主演である映画監督の佐々木想とは短編映画の現場で出会い、今回出演を依頼した。

『また来週』

監督:ハインズ麻里子(21歳/早稲田大学 文化構想学部)

フィクションが溢れた現代でフィクションと共に生きる

朝ドラを偏愛しすぎるあまり、まるで自分の経験のようにヒロインに同化してしまう明咲子。ヒロインと同じように女優を志すが、次第に理想の世界と乖離していく。劇中劇の朝ドラを現実と呼応するシームレスな世界として描いた構成力に注目。

2023年/カラー/36分
監督・脚本・編集:ハインズ麻里子/音楽:永岡史帆/撮影:榊原 滉/撮影:安井 彬/撮影:伊藤慎之介
出演:森川千滉、三谷菜々美、泉水美和子、新開ひかり、渡邉透羽

ハインズ麻里子

HYNES Mariko

2001年生まれ、東京都出身。早稲田大学で映画サークルに入り、20年から映画制作を開始。翌年、藤井道人監督らが参加したオムニバス『DIVOC-12』の公募枠に選ばれる。最新作『タピオカ学入門』が第34回東京学生映画祭に入選。

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Fプログラム

『ふれる』

監督:髙田恭輔(21歳/日本大学 芸術学部)

「ふれる」ことで喪失に向き合っていく少女の成長物語

数年前に母を亡くした小学生の美咲。学校などで問題を起こし周囲を困らせていたが、陶芸工房で遊ぶうちに喜びを感じるようになっていく。子供と、子供に関わる人々の魅力を引き出す繊細な演出力に注目。

2023年/カラー/60分
監督・脚本・編集:髙田恭輔/撮影・グレーディング:市川雄一/録音・音響効果:土手柚希/美術:黒田晴斗/助監督:宮川彰太郎
出演:鈴木 唯、仁科かりん、河野安郎、水谷悟子、松岡眞吾

髙田 恭輔

TAKADA Kyousuke

2001年生まれ、茨城県出身。高校生の頃から友人に出演してもらい映画を撮り始める。監督を目指し、日本大学芸術学部映画学科に入学。脚本に出来事だけを書き、セリフは現場で即興で生み出すスタイルで映画制作を続けている。

『Flip-Up Tonic』

監督:和久井 亮(22歳/東京大学 教養学部)

人間とアンドロイドをめぐるハイテンポな会話劇サスペンス

人型アンドロイド「リーチャー」を巡る被験者募集に応募した大学生の多良野。実験中、多良野はリーチャーに逃げられ落ち込むが、実験にはある秘密が隠されていた。事務的な会話から謎が広がっていくスリリングな展開に注目。

2023年/白黒/26分
脚本・監督・編集:和久井 亮/撮影:高橋怜央/録音・整音:増喜公美/音楽:柴田優華/スチル撮影:石坂洋子
出演:丸田亮祐、Axol、高田享太、三宗 凪、杉田南実

和久井 亮

WAKUI Ryo

2001年生まれ、東京都出身。東京大学教養学部に入学し、2年生から映画を本格的に観始める。学部で映画研究に触れる他、映画サークルに入って自主制作を始める。映画美学校でも学び、8月にフィクション・コース初等科を修了した。

『ParkingArea』

監督:増山 透(29歳/武蔵野美術大学 造形構想学部映像学科 助教)

非現実的なはずなのにどこか親しみを感じる幻想世界

パーキングエリアに訪れた女性、そこは世界がたったひとりだけのように現実感がない。無機質で幻想的な建築物の中で、彼女が行き着く先は...。一瞬たりとも目の離せない、圧倒的な映像美。

2023年/カラー/9分
監督・脚本・制作・編集 : 増山 透
出演:岡野紗咲

増山 透

MASUYAMA Toru

1993年生まれ、茨城県出身。武蔵野美術大学彫刻学科に入学した後、映画学科に転科。映画サークルで自主制作を始める。2020年から同学科で助教を務め、この春に退職。現在、フリーでCG制作や映像編集を手掛けている。

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Gプログラム

『逃避』

監督:山口真凜(22歳/フリーランス)

登場人物、男と女。逃げても逃げても日常はやってくる

帰宅した恋人の和真の様子がおかしいことに気づいた彩乃。彼は、車を乗り捨て洗濯を始め、何が起きたかは全く話さない。翌朝家に尋ねてきたのは...。緊迫の状況で掃除や布団を干す日常的なリアリティが、現実の焦燥感を増幅させる。

2023年/カラー/57分
監督・脚本・編集:山口真凜/プロデューサー:田中佐知彦/撮影:佐久間アキラ/照明:照井康平/サウンドデザイン:鈴木紀貴
出演:サトウヒロキ、村上由規乃、諏訪珠理

山口 真凜

YAMAGUCHI Marin

2000年生まれ、栃木県出身。高校卒業後に上京、ネットで仲間を募り、映画制作を始める。プロデューサーの田中佐知彦氏との出会いを機に、まつむらしんご監督や高橋泉監督の現場に入るように。本作のキャストは全員、現場で知り合った。

『うらぼんえ』

監督:寺西 涼(27歳/フリーター)

夢と、うつつと、現実と。世界がうらがえる28分!

息子の啓太を海の事故で亡くした真司。講師をする絵画教室の生徒から、故人を架空の相手と死後結婚させる供養の言い伝えを聞き、実行にうつすと不思議な変化が...。独特なおどろおどろしい演出と、巧みな構成力が素晴らしい。

2023年/カラー/28分
監督・脚本・編集・音楽:寺西 涼/録音:馬原洋幸、三村一馬/撮影応援:団塚唯我/制作:稲生 遼
出演:田口ゆたか、阿部能丸、吉村健太郎、加島知枝、下東久美子

寺西 涼

TERANISHI Ryo

1995年生まれ、神奈川県出身。東京藝術大学美術学部絵画科に在学中、デヴィッド・リンチ監督に触発され、映画づくりを始める。前作『屋根裏の巳已己』がPFFアワード2020で準グランプリに。以降も精力的に映画制作を続ける。

『こころざしと東京の街』

監督:鈴木凜太郎(21歳/東京工芸大学 芸術学部)

「道」と人生の選択にまつわるミニマルな映像作品

進路に悩む、高校生の佐藤と金本。進路選択の提出が明日に迫る中、友人二人にカラオケを誘われ佐藤はそれに乗ってしまう。坂道やT字路の道の形状を「進路」や「人生」に重ね合わせる、短いながら誠実さに溢れた一篇。

2023年/カラー/10分
監督・脚本:鈴木凜太郎/撮影・照明:内堀駿介/録音:森田ことわ、根本大雅/助監督:大竹洸也
出演:小林栞大、土屋 翼、村上顕輔、鈴木凜太郎

鈴木 凜太郎

SUZUKI Rintaro

2001年生まれ、東京都出身。東京工芸大学芸術学部への入学を機に映画に目覚め、自主制作を始める。本作は大学1年の時に書いた脚本に、現在就職活動中の自分を重ねた。理想の映画はロベール・ブレッソンの『ラルジャン』(83)。

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Hプログラム

『リバーシブル/リバーシブル』

監督:石田忍道(34歳/映像作家・障害福祉従事者)

「メンタルヘルス」をヒューマンドラマに落とし込んだ意欲作

持病を持つ田中は息子の開と暮らしている。田中は風俗店の送迎の仕事で出会ったミサキに妖精が見えると告げられ、土手に探しにいくようになるのだが...。「見える」ことによる不確かな現実と、確かに存在する生の両面を描き出す。

2023年/カラー/77分
監督・脚本:石田忍道/撮影:平良良樹/助監督:斎藤千晃/録音:伊藤昭宏/車両:井上歩夢
出演:田丸大輔、杉崎みなみ、小松遼太、奏羽 茜、藤原絵里

石田 忍道

ISHIDA Shinomichi

1988年生まれ、愛知県出身。障がい福祉施設での仕事中、担当した高校生の希望でアクション映画を撮ったことを機に、映画づくりの面白さに目覚める。2019年に上京後、俳優の経験を積みながら人脈を広げる。本作が監督2作目。

『肉にまつわる日常の話』

監督:石川真衣(22歳/名古屋学芸大学 メディア造形学部)

食遍歴から人生の細部を想像する4分間の映像体験

ある映画を見たことをきっかけに肉を避けた生活を送っている女性のエッセイムービー。実写映像やコマ撮り、手書きアニメなど様々な手法で食遍歴を語る!ひとりの人間の人生とおかしさが込み上げてくる作品。

2023年/カラー/4分
監督・脚本・編集:石川真衣

石川真衣

ISHIKAWA Mai

2000年生まれ、愛知県出身。名古屋学芸大学大学院メディア造形研究科に在籍。肉を食べるのは幼稚園の頃から避けてきて、周囲に面倒くさがられる空気を感じ続け、いっそ宣言してしまおうと本作の制作を決意。前作は抽象アニメを手掛けた。

『Sewing Love』

監督:許 願(27歳/多摩美術大学 グラフィックデザイン学科)

愛は縫い合わせることができる?男女の愛を描いた寓話物語

男の胸には穴が空いている。あるときひとりの女性に出会い、穴を埋めるように愛を育んでいく。しかし彼女を失う恐怖から、自身の胸に彼女を縫い付けようとする...。様々な質感や素材に変形していく感情の表現は圧巻!

2023年/カラー/8分
監督・脚本・編集・作画・色付け:許 願/音楽・音響・効果音:佐藤七海

許 願

XU Yuan

1995年生まれ、中国上海出身。大学卒業後はゲーム会社で働くが、作品づくりへの思いが募り、2018年に来日。多摩美術大学大学院に入る。本格的なアニメ制作は本作が初めて。自宅で独り原画を繰り返し描き、2年半かけて完成させた。

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Iプログラム

『じゃ、また。』

監督:石川泰地(27歳/フリーター)

この部屋はどこに繋がって、どこに向かっているのか?

大学を除籍となり引きこもっているナリヤスの家に、かつての映画仲間シュウタが突然やって来る。彼はなぜ家にやってきたのか?異空間につながる部屋、巻き戻される時間、男の心情と呼応した世界の変化に翻弄される52分間。

2023年/カラー/52分
脚本・監督・編集:石川泰地/撮影・グレーディング:新藤早代/録音・MA:寒川聖美/録音:佐藤友亮/音楽:関口 諭
出演:石川泰地、国本太周

石川 泰地

ISHIKAWA Taichi

1995年生まれ、東京都出身。早稲田大学在学中から自主映画を撮り始める。前作『巨人の惑星』がPFFアワード2021に入選。現在、テアトル新宿と山形国際ドキュメンタリー映画祭事務局で働きながら映画制作を続けている。

『ハーフタイム』

監督:張 曜元(33歳/東京藝術大学 大学院映像研究科 博士課程)

実習生の徒労感と静かな怒り

中国からの技能実習生・慶陽は給与未払いの訴えが組合に取り合われず疲弊していた。さらにルームメイトの悪事に加担し、組合に弱みを握られ、追い詰められていく。映画に終わりはあるが、観る者の脳裏で物語は終わることがない。

2023年/カラー/30分
監督・脚本:張 曜元/プロデューサー:徐 梅、筒井龍平/撮影・グレーディング:由 進/サウンドデザイン:鈴木昭彦
出演:阿部 力、姜 楠、張 晟、村松和輝、秋美敏春

張 曜元

ZHANG Yao Yuan

1989年生まれ、中国大連出身。2014年に来日し、大阪芸術大学映画学科で大森一樹の指導を受ける。22年『登場』で第14回日本映像グランプリ最優秀ドキュメンタリー映画賞を受賞。東京藝術大学大学院映像研究科博士課程に在籍。

『不在の出来事』

監督:川口淳也(29歳/フリーランス)

ワンルームという限定空間を宇宙的に解釈した短編映像

登場する男に名前はない。そしてほとんど映ることもない。カメラは男がいなくなったマンションを写し続ける。「不在の空間」は「観察者」がいるかぎり運動し、息づいている。空間の認識が一変する、感性爆発の13分間。

2023年/カラー/13分
監督・構成・撮影・録音・編集:川口淳也/制作応援:大川晃平
出演:川口淳也、丹羽 歩(声)

川口 淳也

KAWAGUCHI Junya

1993年生まれ、三重県出身。名古屋ビジュアルアーツを卒業後、アルバイトをしながら映画制作を続ける。誰もいない空間を撮りたいとの思いから、本作を着想。自宅を撮影場所とし、10日間ほどで撮り上げた。

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