PFFアワード2016 観客賞
『ヴァニタス』
監督:内山拓也(23歳/新潟県出身)
大学に入学した柴原は、伊藤、橘、永井という3人の男子生徒と体育館で出会い、友人になる。学校では一緒にいる4人だが、それ以外の関わりはなく、普段何をしているかはお互いに知らない。生活のため続けるバイト、怪しげな先輩を介した怪しげな仕事、誰にも言えない心の悩み、そうしたものが積み重なって4人は少しずつ離れていく。4年間の学生生活の終わりに、彼らを待ち受けているものとは。
大学の校舎を通り抜けていくロングショットからつながる、天井が高く抜けのいい体育館。冒頭に描かれた空間は、解放的で自由というよりも、むしろどこか空々しく空虚な大学生活を象徴するように、作品全体を覆っている。