「PFFアワード2014」入選作品決定!今年は21作品を上映します。
4か月に及ぶ審査を経て決定しましたので、お知らせ致します。
入選作品は、9月13日(土)より東京国立近代美術館フィルムセンターにて開催する、
「第36回PFF」で上映し、その後、京都・名古屋・神戸・福岡と全国を巡回します。
ぜひPFFの会場で、作品をご覧ください。
「PFFアワード2014」入選作品
※作品名五十音順。上映時間、年齢は応募時のものです。
『暁の石』(30分)
監督:清原 惟・飛田 みちる
21歳 / 東京都・茨城県出身
『埋み火』(32分)
監督:山内 季子
24歳 / 青森県出身
『沖縄/大和』(98分)
監督:比嘉 賢多
22歳 / 沖縄県出身
『怪獣の日』(30分)
監督:中川 和博
27歳 / 奈良県出身
『還るばしょ』(35分)
監督:塚田 万理奈
22歳 / 長野県出身
『彼は月へ行った』(19分)
監督:藤村 明世
23歳 / 東京都出身
『ガンバレとかうるせぇ』(72分)
監督:佐藤 快磨
24歳 / 秋田県出身
『Super Tandem』(40分)
監督:小林 勇貴
23歳 / 静岡県出身
『多摩丘陵の熊』(33分)
監督:岡 真太郎
29歳 / 千葉県出身
『小さな庭園』(12分)
監督:斎藤 俊介
29歳 / 千葉県出身
『独裁者、古賀。』(79分)
監督:飯塚 俊光
33歳 / 神奈川県出身
『ナイアガラ』(27分)
監督:早川 千絵
37歳 / 東京都出身
『流れる』(13分)
監督:橋本 将英
16歳 / 福岡県出身
『ネオ桃太郎』(20分)
監督:小田 学
33歳 / 埼玉県出身
『波伝谷に生きる人びと』(134分)
監督:我妻 和樹
28歳 / 宮城県出身
『反駁』(51分)
監督:伊之 沙紀
30歳 / 神奈川県出身
『ひこうき雲』(25分)
監督:柴口 勲
46歳 / 福岡県出身
『人に非ず』(65分)
監督:矢川 健吾
26歳 / 神奈川県出身
『丸』(89分)
監督:鈴木 洋平
29歳 / 茨城県出身
『モーターズ』(88分)
監督:渡辺 大知
23歳 / 兵庫県出身
『乱波』(5分)
監督:中島 悠喜
23歳 / 東京都出身
各作品の詳細は、7月下旬にリニューアル予定の「第36回PFF」公式サイトにてご紹介します!
一次審査通過作品
『アカリと銀河』 監督:山本 圭祐 |
『太陽をつかみたかった』 監督:松尾 巧 |
『新しい朝』 監督:冨永 太郎 |
『でぐち』 監督:桑原 飛向 |
『アメリカの夢』 監督:大塚 信一 |
『時繋木 ~KAYANO 4 STORIES~』 箕面市立萱野小学校 |
『エピローグが待ち遠しい!』 監督:岩田 隼之介 |
『凪』 監督:橋本 一郎 |
『おかえりNASAい』 監督:須藤 なつ美 |
『ナノアルハナ』 監督:牛尾 文哉 |
『終わりのない歌』 監督:甫木元 空 |
『ひかりタイプ』 監督:柴野 太朗 |
『Alternative children』 監督:松林 紘幸 |
『ひとまずすすめ』 監督:柴田 啓佑 |
『カナリア』 監督:加瀬 聡 |
『秒針の向こうで』 監督:菅原 涼太郎 |
『THE FAB3 MOJANOBOUMOJAMOJA』 監督:島_ 景子 |
『ふざけるんじゃねえよ』 監督:清水 俊平 |
『サイン』 監督:ハセガワ アユム |
『僕だけできないタイムスリップ』 監督:本間 名音 |
『CME, that's why we bring dogs.』 監督:布村 喜和 |
『マッハ98万』 監督:稲川 悠司 |
『Journey to Mt. Fuji』 監督:Cris Ubermann |
『みちていく』 監督:竹内 里紗 |
『じゃんぷきっず』 監督:福谷 隆幸 |
『4mmベニヤ3枚と半』 監督:小_ 基広 |
『而立』 監督:尹 政旻 |
『リョコウバトの群れは途切れない』 監督:李 博子 |
『背中』 監督:近藤 正之 |
『わかれみち』 監督:小野 光洋 |
『セロリ』 監督:ペドロ・コヤンテス |
『別れ道』 監督:戸祭 朝美 |
『橙と群青』 監督:赤羽 健太郎 |
※作品名五十音順。
「PFFアワード2014」応募データ
【入選作品データ】
入選本数:21本
平均年齢:27.0歳
男女比 男性(15名):71%、女性(6名):29%
【応募全体データ】
応募総数:528本
平均年齢:28.9歳 最年少:16歳 最年長:60歳
男女比 男性(420名):79.5% 女性(106名):20.1% 男女混合(2名):0.4%
上映フォーマット比 フィルム作品(1本):0.2% ビデオ作品(527本):99.8%
「PFFアワード2014」セレクションを振り返って
PFFディレクター 荒木啓子
本年は、21作品を、「PFFアワード2014」入選作品として、9月の東京から始まる「第36回PFF」にて上映する結果となりました。
528作品を通し、「映画」という意味が大きく変わり始めたことを深く感じる年となりました。
「映像を撮ることが日常に手軽にある」という環境がもたらす作品の変化が、いよいよ顕著になってきたこと、「映画」への距離が、千差万別なことを実感し、戸惑うほどでもありました。
それは、作品が多彩になったということなのか、と問われれば、類似性は濃くなっています。
同じようなところをみて、同じような答えを探す、同じようなものを食べ、同じような音楽が流れ、同じようなタイトルで提示される、社会の閉塞をそのまま反映する状況を知る4か月のセレクション期間でもありました。
同時に、力作が次から次へと登場し、決断に苦渋する日々でもありました。
PFFでは、まず最初に、3人のセレクション・メンバーが、1作品を最初から最後まで観る。
3名の討議を他メンバーも一緒に聞きながら、一次通過作品を決める会議を持つ。
一日を費やすその会議の過程で、一旦一次通過作品を決定し、翌日からメンバー全員が、その作品群をみていく。
ここからが、入選作品を決定する、二次審査となります。
その過程で一次通過作品の追加推薦をメンバーから受け付け続けます。ですので、PFFの一次通過作品リストは、最後に発表されます。
一次通過作品に加え、一次審査会議で話題に上がった作品や、追加で推薦された作品を拝見し、二次審査に組み込んでいくことと、一次通過作品に対するセレクション・メンバーの意見を入れながら、入選作品を決定することは、PFFディレクターの責務となります。
入選作品は、いずれも、セレクションメンバーの誰かを熱狂させた作品ですが、多数決は存在しません。そもそも全員が激賞する映画は存在せず、そこが映画、ひいては創作物の魅力の一つであることを改めて納得する本年の結果です。
本年の入選作品は、短編、中編、長編、そして、ドラマ、ドキュメンタリー、アニメーションと混在を極め、つくり手は高校生から社会人までと、驚くほど振り幅の大きな作品群となりました。これがまさに、応募に、長さや年齢、ジャンルの規制のないPFFならではの結果なのですが、ご覧いただく観客の皆様や最終審査員諸氏を大いに悩ませるプログラムになることでしょう。また、セレクションの途上で、劇場公開が決定した作品や既にプロとして活躍している監督の作品が登場するなど、20世紀には起き得なかった事象も生まれ、昨今の自主映画の状況の活発さを体感しました。
入選作品はこれから多くの人の手で紹介され、情報が積み重ねられて行くのですが、入選ではありませんが、審査会議の席上で特に熱く語られた作品群を記しておきます。
いじめからの脱却、その願いが満ちる『新しい朝』(冨永太郎監督)、度胆をぬかれる子供たちの必死の姿が記録された『Alternative children』(松林紘幸監督)、かっこよさを次々に展開してくる『CME, that's why we bring dogs.』(布村喜和監督)、忘れがたい主人公と明確なイメージに討議が尽きない『Journey to Mt. Fuji』(Cris Uberman監督)、まさかの展開に呆然と引き込まれる『セロリ』(ペドロ・コヤンテス監督)、映画的熱量と気迫に打たれる『ふざけるんじゃねえよ』(清水俊平監督)などは、メンバー全員にとって、忘れがたい映画体験でした。
改めまして、皆様の、映画をつくろうという情熱、完成させる力に敬意を表します。
そして、映画をつくる人たちのためにプログラムをすすめる「第36回PFF」の会場で、皆様にお目にかかれますことを、大きく期待しております。
ご応募ありがとうございました。
「PFFアワード2014」セレクション・メンバー
荒木 啓子(PFFディレクター) | 杉浦 真衣(書店員) |
江川 太洋(フィルムラボスタッフ) | 中山 康人(教師) |
江村 克樹(PFFスタッフ) | 原 武史(レンタルDVD店スタッフ) |
小川原 聖子(書店員) | 真壁 成尚(映像ディレクター) |
小原 治(映画館スタッフ) | 皆川 ちか(ライター) |
片岡 真由美 (映画ライター) | 森下 くるみ(文筆家・女優) |
木下 雄介(映画監督) | 結城 秀勇(ライター・映写技師) |
小林 でび(映画監督・役者) |
※五十音順。
「第36回PFF」
9月13日(土)~25日(木)、東京国立近代美術館フィルムセンターにて開催!
京都:12月13日(土)~19日(金) 会場:京都シネマ
名古屋:12月19日(金)~21日(日) 会場:愛知芸術文化センター
神戸:12月21日(日)~23日(火・祝) 会場:神戸アートビレッジセンター
福岡:2015年4月開催予定 会場:福岡市総合図書館