福岡開幕まで

第38回PFF

東京会場
9月10日[土]~23日[金] 東京国立近代美術館フィルムセンター
京都会場
10月29日[土]~11月4日[金] 京都シネマ
神戸会場
11月3日[木・祝]~6日[日] 神戸アートビレッジセンター
名古屋会場
11月11日[金]~13日[日] 愛知芸術文化センター
福岡会場
2017年4月開催予定 福岡市総合図書館

◎コンペティション部門PFFアワード2016

PFFアワードは、自主映画のためにあります。自主映画とは、自ら企画し、自ら創り上げる映画=DIY映画です。だからこそ生まれる“よろこび”と“オリジナリティ”、予期せぬ驚きと力への期待を、本年はこの20作品に込めてお贈りします。
※最終審査員や各賞の紹介、審査方法など、詳しくは「PFFアワード2016について/賞」をご覧ください。

PFFアワード2016 グランプリ

『食卓』

監督:小松 孝(34歳/埼玉県出身)

年金生活を送る父・政夫と、ニートで詩人の息子・広志。彼らが暮らす一軒家では、食事も別々で、家族らしい交流もない。そこにネットの結婚相談所で政夫と知り合った寿美子が、妻として共に住むことになり、彼らの家族のかたちは変わっていく。酒を止めようとする政夫、三人が囲む食卓。だがそれが理想の家族生活であるわけでは決してなかった。
タイトルにある食卓は、かつてそう思われていたような家族の団欒を提供する場所ではない。だが、「食べる卓」である役割から解放されてフライパンアートの置場となった食卓は、ちょっとだけ自由になれたようにも、見える。

バンクーバー国際映画祭での作品評
映画評論家、プログラマー、映画作家 トニー・レインズ

無職のヒロシ(35)は、部屋に籠って、時折詩を書く毎日を送る。アルコール中毒の父マサオ(65)と生まれ育った一軒家に住むが、その暮らしが交わることは、ない。
マサオは、インターネットデートをしてみようと、出会い系サイトでスミコ(64)を見つける。
スミコは、ヒロシとマサオのジャンクフード生活を変えられるのか?散らかり放題の家を片付けられるのか?なぜ、彼女はフライパンを集め続けるのか?
小松孝の衝撃的なデビュー作は、ジム・ジャームッシュの登場以来、最も滑稽でまじめくさった悲喜劇であろう。完璧なプロットと魅力的な演技が相まって、他に類のない歓びが満ちてくる。
小松監督自身がヒロシと同じ年で、父親と同居している事実は全くの偶然であろう。しかしフライパンは?
ああ、フィクションの素晴らしさよ!

Profile

小松 孝Takashi Komatsu

1981年生まれ、埼玉県出身。早稲田大学第一文学部卒業。大学在学中、稲門シナリオ研究会に入会。卒業後、映画会社設立を目指してデイトレーダーになるも4年後に破綻。本作は約10年ぶりの自主映画本格復帰作。

= 上映スケジュール =

[2016年/47分/カラー]
監督・脚本・撮影・編集・録音:小松 孝
出演:村田元生、信耕ヒロ子、渡部直也

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