福岡開幕まで
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PFFアワードは、自主映画のためにあります。
自主映画とは、自ら企画し、自ら創り上げる映画=DIY映画です。だからこそ生まれる“よろこび”と“オリジナリティ”、予期せぬ驚きと力への期待を、本年はこの20作品に込めてお贈りします。
※各賞の紹介や審査方法など、詳しくは「PFFアワード2016について/賞」をご覧ください。
最終審査員の詳しいプロフィールは、「最終審査員プロフィール」をご覧ください。
毎日のようにバスケに興じる大学生4人。自分の胸のうちや境遇を語らない関係性とやがて起きる破綻を、繰り返しの日常でシャープに描く。ただならぬ映像センスが光る。
平和活動に飽きたキクザワは、橋の下に暮らす大石に再会。そこらの葉っぱを吸ったり劇をしてみたり、おっさん2人の突飛な行動に、喪失、自由、人生、友情が、ポップに炸裂!
隣あった家で独居生活する70代の姉と弟。趣味と健康維持にいそしむ姉弟の穏やかな日々を「観察」するうち、2人の習慣が入れ替わる! 監督の愛情に満ちた眼差しが全編を包む。
恋人を失って12年後、男は故郷に戻り彼女の死の真相を探る。トンネルを抜けたところにある村は、異世界のごとく人も空気も奇妙に歪み…。ねっとりした質感が充満する力作。
高校の応援団に入った1年生男子が、伝説の応援王を超えるべく奮闘。応援団の存在意義とは?という根源的な問いも含めて、熱くもえたぎる青春スポ根コメディー。
ひたすら小石を分類する砂利選別作業所で働く石井。使えない新人。唐突に辞めた先輩。石井の耳には冬なのに蝉の声が鳴り続ける。この閉塞した場から、早く逃げろ! 石井!
年金暮らしの父と無職の30代息子の散らかりきった一軒家に、父の再婚相手が参入。3人の孤独を食卓/食事の変化で表現しつつ、「創作」による再生も描く、汚部屋ラプソディー。
中学校の休み時間、ひとりの女生徒の目から見える教室の風景を描いたアニメーション。楽しげな級友や壁の落書きにおずおずと向けられる視線に、心情が鮮明に浮かび上がる。
兄と暮らしている女性はタクワン大好き。だが、ある日この世からタクワンの存在自体が消滅、代替物を探し求めるが…。愛や幸福の探求をコミカルに表現する発想力が素晴らしい。
田舎町の女子高校生・真子は、言葉にならない違和感を学校でも家でも抱いている。東京から来た従兄弟、妊娠する同級生。真子の苛立ちは何に対する嫌悪なのか、力強く描く。
とある美大。男は女を汚して映像を撮る。女は完成させた彫像を破壊。彼らにとって芸術とは? 基盤は性欲? 憎悪? 美男美女のボーイ・ミーツ・ガール形式で果敢に問う!
福島から避難した女性のペンションで働くミャンマー人青年と女性の甥。帰る場所を失った、似ているようで異なる境遇を越え、海辺の町で絆を結んでいく姿を情感豊かに描く。
戦争したくない。民主主義ってなんだ。暴力と痛み。言葉。違和感。大学生の私たちが、今、何を感じているか、探り、記録し、表現しようとする強い意志が、ひしひしと伝わる。
気弱なノビタ宅に居候する地方都市の大学生イクオはカンニングで留年決定。地味な女子に恋するノビタ。衝動的行動が思わぬ結果を招くが、それでも明日はある!と背中を押す。
大学の映画サークルに入った僕が始める映像日記は、フェイクドキュメンタリー、ミステリー、ホラーと七変化。美人先輩に「脂」と名づけられ嘲笑されても、撮影に突っ走る!
福島在住の監督が県内の桜前線に沿って移動、桜と人々を撮っていく。太平洋側から内陸へ、福島各地の現在が具体的に描かれるなか、静かな語り口と満開の桜に、涙あふれる。
「コウモリが天井に張り付いてる」と男が言い、1年。一緒に暮らすOLはなすすべなく別の男と逢瀬。過去と現在、幻と現実、さまざまが絡まり、映画的工夫が随所で楽しめる。
口論が絶えない倦怠期夫婦のアパートにヤモリが。妻は幸福の印と喜ぶ。すると、彼らの家にモノノケ(=もっけ)が登場! 微妙な心理の変遷をテンポよく描く、ある結婚の風景。
かつて山村家の団らんの中心にあったブラウン管テレビ=てれび氏は、無用の長物に。氏はずっと見つめてきた家族の日々を再生。氏の第二の人生も描く、愛にあふれた作品。
長野の祖父宅で穏やかな日々を過ごし、美岬は東京に戻る。監督自身の祖父や友人を配役して極私的世界を描きながら、映画の幅、日常で生まれるドラマの可能性を、押し広げる。