監督:渡辺大知 わたなべ・だいち
1990年 兵庫県出身。東京造形大学造形学部デザイン学科映画専攻在学中
小学生のころに脚本家を目指して、いつか映画を撮ると思っていました。高校でバンドを組んでデビューして、役者として映画にも出演したけれど、脚本はずっと書き続けてきました。『モーターズ』は東京造形大学の卒業制作です。最初は自分の姉貴をモデルに、女の子が整備工場の男に恋する話を書き始めたものの、女性の気持ちがよくわからなくて行き詰まりました。そこで主役を男にして、将来の自分の姿をモデルに想定してみました。主人公の田中は40歳になったらこんな男でいたいという自分にとっての理想像で、彼と今の自分をモデルにした人物・タケオが会話する画を見てみたいと思った。そして地元に根づいて暮らす男たちの生活をシンプルに描きたいとも思いました。自分が出演しなかったのは、この映画を自分がずっと見ていたい世界にしたかったから。渋川さんには、女の子が主人公の段階で小さな役をお願いしていて、主人公を男に変えたとき、自然と渋川さんの顔が浮かんだので出演依頼しました。誰がプロの俳優で誰が素人かも関係ない世界が面白いと思って、渋川さんにもひとりの人間としてこの世界で生きてもらえるような演出を心がけました。
- 繰り返し観ている作品
- 『ミーン・ストリート』(73年/マーティン・スコセッシ監督)
- 最近観て面白かった作品
- 『きっと、うまくいく』(09年/ラージクマール・ヒラーニ監督)
- 好きな映画監督
- エミール・クストリッツァ、ジャ・ジャンクー、アキ・カウリスマキ
- 主役にしたい俳優
- 姉貴
【フィルモグラフィー】
『モーターズ』(2014年/83分/カラー)、『ワルツ』(2009年/23分/カラー)