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2011/11/04 14:22:25

お金持ちはドリーマー?

東京国際映画祭会期中は、同時に世界の映画人が東京に集合していた時期でもありました。
海外に作品を紹介する仕事の山が大きくなる日々も一段落し、今は一番胃の痛い「年明けの各国映画祭からの結果連絡待ち」の日々に入ってます。明るいニュースを近日中に発表したいものです!!
同時に、神戸のPFF開催の詳細が決定し、ただ今発表の準備中です。
今回、第33回のPFFは東京開催時期の変更に伴い、各地の開催時期も再検討。神戸12月、京都は年明け、福岡と名古屋は春になる見込みです。公共の施設は予算削減が、映画館は動員の低下が変わらず重い話題という、映画に関連する会話に、お金の苦労が入らないことは皆無な現代。「お金」ってとても大切だと思います。それを使ってできること、沢山ある。勿論PFFも資金の苦労なく運営してみたい・・・でも、「今この現実でできることをやる」のが仕事です。
映画祭の資金集めについて、海外の方法を伝授くださる方々もいます。アメリカでは「寄付」、ヨーロッパでは「公的援助」が大きいのですが、自分で昔から感じていたことを相談したりもします。たとえば、ロッテルダム映画祭の行っている「ヒューバート・バルスファンド」。サードワールドの映画作家の製作援助ファンドです。ここに、日本の監督も対象として入れてもらえないかな~という相談。無理だと知りつつですけれども。勿論、海外の映画人は、日本が驚異的に平等な国で、誰でも映画監督になるチャンスを持ち、映画人たちが世界でも珍しい生活のすべてを映画に費やし経済的に不安定な状態を続けている人たちであることを知っています。精選された一種のエリートで、それなりに経済的に恵まれている人たちが監督になるケースの高い欧州及びサードワールドの監督たちより、はるかに経済的に苦しいことを知ってます。が、国家の経済で言えば、日本はやはり高水準で援助の対象にならないのです。サードワールドは貧富の差が激しすぎて、たとえ映画に関わる人が日本の映画人より遥かに高収入でも"平均値"でぐっと下がる訳です。別の側面からみると、日本の監督はそこそこ食べて行けるから、映画に関われるという見方もされているということですが・・・国家と個人は"国際的"にはいっしょくたなのを粉砕できない無力さを感じる瞬間です。
とはいえ、別の見方をすれば、内需でそこそこ生きていける基盤を持つ日本であるとも言える訳です。
そして、世の中「お金」のために変になっていくとことに無自覚でいるのはもっと怖い。
目的があってお金が欲しいのと、「お金」それ自体が目的になるのでは、ちょっと事情が違うのは、こつこつ働いている人たちには当然わかっていること。お金を集めること、回すこと、増やすことしか興味のない世界の大金持ちの皆様は、世界が、未来が、自分たちの為のお金回収マシンだと思っているのだなあと、何度も何度もため息の出るニュースが続く毎日。少なくとも日本に於いては「大切なこととそうでないこと」がくっきりと明確になった3月のあの日からの体験があるはずなのに、まだまだ夢見る人の数は減らず、どこまで現実逃避するのかな~金持ち!(ここで"お金"から"お"をとってみる)、と心から驚愕する日々です。例えば期限の迫るTPP。一瞬PFFと紛らわしい(そんなことないか・・・)ところが更に気になるわけですが、世界経済とかグローバルとかいう言葉の元に世界を一括してコントロールしたいって、漫画か映画の中だけにしてください!です。考えれば考えるほど、『ダイハード4』か、『ターミネーター』か、が現実にやって来てますが、しかし、現実の世界に、超人ジョン・マクレーンも、ジョン・コナーも、無敵のターミネーターもいない。オソロシイ。「資産について考える合間に週に一本は映画をみて、夢想と現実の堺をちゃんとできる大人になってくれ!」という気分です。
TPPが具体的な恐怖として迫ってきたのは、昨年小さな報道がされた「ミツバチが消えている。原因不明」が気になってからです。ミツバチ。それは映画を観る人には甘美な響き。タイトルに「蜂」がある映画で忘れ難いのものは数ありますが、エリセの『ミツバチのささやき』アンゲロプロスの『蜂の旅人』は誰でも思い出すのでは?そして、花を追って旅する養蜂家の暮らしにイマジネーションの刺激されないクエイターはいないでしょう。(昔の漫画でちばてつやの名作「風のように」もありますね)その蜂が消える。なにごとか?とニュースを追っていましたら、ヴェトナムで使用された枯葉剤でも有名なモンサント社の殺虫剤ネオニコチノイドにより蜂の免疫不全が起こり、中枢神経と方向感覚の麻痺した蜂が帰巣できなくなった結果だと。そして、モンサント社はTPPをとってもとっても推進運動中とか。と、具体的な会社名を挙げる性格ではないこのブログなのに、なんという場違いなことをしている私。でも、こんな話って、『ターミネーター』を思い起こさせませんか?
まあ、現実が映画よりすごいので、映画産業衰退中でもあるわけですね。がっくし。
そういえば、先日の「ディズニーワールドに行きたかったので資金づくりに子供を100万円で売った」というアメリカの母親の話も仰天でしたね~。ぱ~っと『ミリオンダラーベイビー』のヒラリー・スワンク扮するマギーの母を思い出しました。(マーゴ・マーティンデイル。すごい女優です。)と言いながら、「ディズニーワールドってそんなに素晴らしいところなの?初体験しなくちゃ~」と思わされるところもあり、危険です。「あれ?なんだこれうまい宣伝だったの?」とかね。
『トゥモローワールド』『ソイレントグリーン』『日本沈没』『ターミネーター』『ダイハード4』思い出しすぎて気持ち悪いくらいの毎日です。
で、今週末公開作品では『ハラがコレなんで』お薦めです。いろんなことから解放される話。監督はまだ20代。これからの時代は1980年代生まれに委ねたほうが賢くない?密かにそう感じる人たち多くないですか?いやま~「ハリウッドチャンネル」とか読んでいると、とほほな20代も山盛りではありますが・・・

*有名なブログですが一応ご紹介です。
「サルでもわかるTPP」

プロフィール

PFFディレクター
荒木啓子 Keiko Araki

雑誌編集、イベント企画、劇場映画やTVドラマの製作・宣伝などの仕事を経て、1990年より映画祭に携わる。1992年、PFFディレクターに就任。PFF全国開催への拡大や、PFFスカラシップのレギュラー化、海外への自主製作映画の紹介に尽力。国内外で映画による交流を図っている。

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