映画を構成する様々な要素について更に意識的になること、更に映画を楽しめるようになることを願うPFF講座シリーズ。
今年は視覚の大きなキーである「美術」と、映画の総合的なリーダー「プロデューサー」について迫ります!映画上映と、ゲストの対談で送る贅沢な時間を堪能してください。
相米慎二作品ほか100作品以上を手がけた伊地智 啓プロデューサーは、日活の助監督から監督に昇進する直前に会社の路線変更により、その後を新時代のプロデューサーとして駆け抜ける。ロマンポルノから独立プロへと続く多彩なフィルモグラフィーから、淀川長治氏絶賛のエンターテインメント映画(萩原健一主演! 西島秀俊デヴュー!)を上映し、ユニークな活動を続ける若手監督濱口竜介氏が聞き手になり、撮影所の映画と現在の映画の違い、そして、これからの映画を探る。
1936年生まれ。兵庫県出身。85年、相米慎二監督の『雪の断章 -情熱-』をプロデュースし、以降も数多くのヒット作を生み出す。95年、ケイファクトリーを設立。04年、李 相日監督の『69 sixty nine』を手がけ翌年の日本アカデミー賞協会特別賞を受賞。
1978年生まれ。神奈川県出身。東京藝術大学大学院の修了制作『PASSION』(08年)が国内外の映画祭で高い評価を得る。その後も『親密さ』(12年)、『不気味なものの肌に触れる』(13年)などを監督。最新作『ハッピーアワー』(15年)がロカルノ映画祭のコンペティションで女優賞と脚本のスペシャルメンションを授与。いま最も注目を集めている若手監督のひとり。
◎参考上映作品
[1994年/117分/カラー/35ミリ]
監督:渡邊孝好 出演:萩原健一、山口智子、室井 滋
街はずれの居酒屋の主人・壮太郎は、亡き前妻との約束を破り、若い後妻を迎える。しかし初夜の床に現れたのは怒った前妻の幽霊だった。やがて3人は奇妙な共同生活を始めることに…同名小説をもとにしたラブコメディ。