映画を構成する様々な要素について更に意識的になること、更に映画を楽しめるようになることを願うPFF講座シリーズ。
今年は視覚の大きなキーである「美術」と、映画の総合的なリーダー「プロデューサー」について迫ります!映画上映と、ゲストの対談で送る贅沢な時間を堪能してください。
1984年公開当時、低予算のピンク映画にもかかわらず大きな話題を呼んだ周防正行監督の『変態家族兄貴の嫁さん』。小津映画にオマージュを捧げたこの映画の美術は、一般映画で助手として仕事をしていた種田陽平氏だった。出会いから30年たった今、この二人が、小津映画独特の美術、また、映画と映画美術の関係について対談する。上映は、小津安二郎監督が唯一東宝に招かれオール東宝スタッフで撮ったアグファカラーの美しいオールスター映画『小早川家の秋』。
1960年生まれ。大阪府出身。81年、寺山修司監督作品に絵画助手として参加。以後、『スワロウテイル』(96年/岩井俊二監督)、『悪人』(10年/李 相日監督)など数々の日本映画で美術監督を務める。海外ではクエンティン・タランティーノ監督『キル・ビル Vol.1』(03年)に参加。
1956年生まれ。東京都出身。84年『変態家族兄貴の嫁さん』でデビュー。89年『ファンシイダンス』で初の一般劇場用映画を監督。『シコふんじゃった。』(92年)で日本アカデミー賞最優秀作品賞、続く『Shall we ダンス?』(96年)では、日本アカデミー賞13部門独占受賞。その他の監督作に『それでもボクはやってない』(07年)、『舞妓はレディ』(14年)など。
◎参考上映作品
[1961年/103分/カラー/35ミリ] ※英語字幕版での上映 with English subtitle
監督:小津安二郎 出演:中村鴈治郎、原 節子、小林桂樹
京都にある造り酒屋「小早川」を舞台に、小早川家にかかわる人々の悲喜こもごもを、ユーモアやと無常観を交えて情感たっぷりに描写した物語。松竹を拠点としてきた小津が、東宝でメガホンをとった唯一の作品。