◎コンペティション部門 PFFアワード2014

揺れ動く監督の心の向こうに現在の沖縄が見えてくる

『沖縄/大和』

Okinawa/Yamato
[2014年/99分/カラー]

監督・撮影・編集:比嘉賢多

出演:安富租里穂、安富租 肇、安富租ミツ、小橋川共行、比嘉賀代子、比嘉好富

この映画のキーワード

  • 報道されない沖縄の姿
  • ドキュメンタリー作品
  • ラインとは何か?

セレクション・メンバーによる解説

沖縄に生まれ育った監督は、沖縄と本土の間にある心理的な境界線の存在を仮定し、それを追求するドキュメンタリーの制作を始める。そこで出会う人々の言葉や顔から浮かび上がってくるのは、沖縄と日本本土の政治的な歴史ばかりではなく、豊かな民俗学的考証でもあり、そこに生きる個々人それぞれが持つ小さな歴史でもある。
この映画を見て、いや、映画の枠を越えた日常生活でも否応なしに気づかされるのは、隔てられた沖縄と大和のそれぞれの内部でさえ、いかに人々は分断され孤立させられているかということだ。沖縄の内部で基地反対派と推進派は一本の道路を挟んで対立し、同様のことは本土でも起こる。この「沖/縄/大/和」、あるいは「お/き/な/わ/や/ま/と」とでも言うべき絶望的な状況を真摯に見つめることからしか、連帯は始まらない。

文:結城秀勇(ライター・映写技師)

監督:比嘉賢多 ひが・けんた

1991年 沖縄県出身。和光大学表現学部総合文化学科卒業
漠然と映画監督になりたいと思いながら、大学入学で上京。初めて撮った劇映画は、内地で撮って内地の人が出ているのに、観た人から「でも沖縄映画だね」と言われました。「沖縄映画」という言葉すら始めて聞いた僕は、本や映画を観て勉強。映像研究ゼミの卒業制作として、『沖縄/大和』を撮りました。最初は何もテーマを決めず、2か月あれこれ沖縄で撮って、その素材から「ライン」というテーマを見つけ、再び撮影を行って完成させました。僕も含め「復帰後世代のウチナーンチュ」は生まれた頃から米軍基地が生活の近くにあり、沖縄の風習も文化も本来のウチナーグチも知らずに生活してきたことで、沖縄に対しても大和に対してもギャップを感じてしまう、いわばアイデンティティの拠り所を失った文化的難民状態にあると思っています。なので、対立した考えや世代、立場の違う人たちに異なった意見を言われるたびに「こっちも正しいかも」とふらつく僕自身の芯の弱さも含めて、映画の中に組み込み、捉え直そうと試みました。

繰り返し観ている作品
『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(84年/ジム・ジャームッシュ監督)
『ウンタマギルー』(89年/高嶺 剛監督)
『極私的エロス』(74年/原 一男監督)
最近観て面白かった作品
『収容病棟』(13年/ワン・ビン監督)
『蜘蛛の地』(13年/キム・ドンリョン、パク・ギョンテ監督)
『アクト・オブ・キリング』(12年/ジョシュア・オッペンハイマー、クリスティーヌ・シン、匿名監督)
『エル・トポ』(69年/アレハンドロ・ホドロフスキー監督)
好きな映画監督
ジム・ジャームッシュ、アキ・カウリスマキ、高嶺 剛
主役にしたい俳優
カッチャン(コンディション・グリーン)、役所広司、カティ・オウティネン

【フィルモグラフィー】
『沖縄/大和』(2014年/98分/カラー)、『豪也少年と妖精の森』(2013年/51分/カラー)

◎予告編

◎上映日程

  • 【東京会場】2014年9月14日(日) 18:00~ / 2014年9月19日(金) 12:00~ ※監督、出演者など来場予定。
  • 【京都会場】2014年12月13日(土) 12:00~ / 2014年12月17日(水) 12:00~
  • 【名古屋会場】2014年12月21日(日) 13:30~
  • 【神戸会場】2014年12月23日(火・祝) 18:00~
  • 【福岡会場】2015年4月26日(日) 11:30~

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