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PFFディレクターBLOGRSS

2013/04/09 02:23:55

火事で燃えなかったのは『さよならさようなら』でした

PFFルネッサンスでの特集「群青いろのすべて」初日を迎え、『ある朝スウプは』を久しぶりに拝見しました。
高橋泉監督も、私と同じく、約10年ぶり「ロッテルダム国際映画祭以来にみた」ということでしたが、しかし、群青いろの「すべて」が詰まっている1作だなとしみじみしました。

上映後のトークでわかったのですが、廣末さんの住んでいたアパート(『ある朝スウプは』の舞台になった部屋)が火災にあい、8ミリビデオカメラの中に残っていた作品だけが焼けずに残っていた、というその作品は、私が聞いていた『ある朝スウプは』ではなく、本日上映する『さよならさようなら』だったのでした!
ああ、早く訂正してほしかった、私の聞いた誤った情報・・・・すいません。

その火事で、『さよならさようなら』以外すべてのものが焼けて溶けてしまったという廣末監督の体験もすごいなあとしみじみしておりましたら、高橋監督が「火災保険ぶとり」だったという衝撃の事実をポツリと・・・・10キロ太ったそうです、廣末さん。
聞かなければよかった話でした。

ところで、『ある朝スウプは』『さよならさようなら』は、「PFFアワード2004」での受賞作品です。その年の最終審査員のおひとりが、若松孝二監督です。*後に、並木愛枝さんが永田洋子を演じるご縁もここに始まったと言えましょう。
ただいまテアトル新宿では、その若松監督の遺作となった『千年の愉楽』を公開中です。
ロビーには、在りし日の若松監督の姿が随所に展示され、黒田征太郎さんの手による貴重な生ポスターが掲示され、数々の取材記事も読むことができます。
そこに、若松監督が大切にしていた4つのことという記事があります。
・群れない
・頼らない
・ぶれない
・ほめられようとしない
この4つをノートに記して毎朝みていたというお話です。
インディペンデントスピリッツを忘れぬための言葉として、しみじみと、誰もが大切にしたい4つです。

「群青いろのすべて」=「群青いろ12」
上映には、高橋さん廣末さんのトークを毎回設けます。
会場で販売する特製パンフ「群青いろ」は、おふたりのロングインタビューや、作品コメントを含め、これまでの群青いろを総括する濃い内容を、美術品のようなデザインに納めた他にはない貴重な文字記録。
是非一冊お手許に置いてください!

本日の上映作品の1本『阿佐ヶ谷ベルボーイズ』は、大変上映回数の少なかった作品。レアなチャンスになります。
明日の『鼻歌泥棒』は実は『ある朝スウプは』に迫る海外人気の高かった作品です。しかし、国内での上映は、これまた少ない作品です。
この機会に、スクリーンで観る得難い群青いろ体験を!
お待ちしております。

プロフィール

PFFディレクター
荒木啓子 Keiko Araki

雑誌編集、イベント企画、劇場映画やTVドラマの製作・宣伝などの仕事を経て、1990年より映画祭に携わる。1992年、PFFディレクターに就任。PFF全国開催への拡大や、PFFスカラシップのレギュラー化、海外への自主製作映画の紹介に尽力。国内外で映画による交流を図っている。

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