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PFFディレクターBLOGRSS

2012/03/26 18:59:42

神戸で爆音体験

京都でのPFF開催最終日の翌日24日に、神戸アートビレッジセンターで、爆音のモンテ・ヘルマン二本立てがありましたので、ちょっと出かけて行きました。
今回、神戸アートビレッジセンターでは、上映準備のため、前日23日を休館して音を追い込んだという太っ腹!いわゆる「映画館」ではその決断は難しく、イベントにはありがたい会場だとしみじみしました。
主宰の樋口泰人さんとも、ダグラス・サーク特集以来ゆっくりお会いしました。
今回の神戸上映をきかっけに、ゴールデンウィークには、本格的に爆音go west展開とのことで、「食べ物の美味しい関西で、爆音参加しながらゴールデンウィークを過ごすのはどうか?」と私も考えはじめています。ほんとに、食べ物天国だ。関西!

四方山話によると、これまでの体験から、音に最も拘っていると思うのは、リンチ。そして、日本の監督で他にない面白い音のつくり込みをしていることを発見したのは、相米監督だそうです。また、何度も何度も大きな音でテストを繰り返していると、それぞれの監督が、どんな風に音を考えているのかが、くっきりと見えてくると。
爆音で観ていると、もう、普通の上映に戻れないなと思う音体験です。

同時に、今、樋口さんが夢中なのがモノラルレコードだそうで、先日、仙台で行った聞き比べイヴェントは、2時間の予定が5時間になったとか・・・次回は、関西で、アナログ時代、プレスする国によって音が多少違ってくるという、その差の聞き比べの企画も実行する計画だそうで、こちらも"果てなき路"だなと、ふかく感動しました。

そして、昨日25日は、新宿にある映画大学院大学での「デジタルのミライ」と題されたシンポジウムに出席しました。
VPSが日本の興行界を震撼させてから、活発に行われているシンポジウム。私たちPFFは「映画祭」のうえ、会場がいわゆる映画館でもない場合が多いため、ちょっと別世界にいるわけですが、デジタルにつきまとう、「最新装備へのアップデート」「上映規格の統一」という問題をクリアできるシステムは、ほんとに一種類しか設定できないのか?とは思います。
多種類は無理なのか?と、私の知りたいポイントは、そこであったりするのですが、今回はそういう話には流れず、私のしたことは、PFFがデジタル時代にどう対応しているかの紹介がメインでした。

シンポジウムが正直大変苦手な私。ドン・コルレオーネがいたら「思ったことをすぐ口に出すな」と注意され、早々と始末されてしまうタイプだなと、出席するたびに思う次第です。つまり、人に自分のオピニオンを話す訓練が足りないわけです。馬鹿ってことですね、

話は戻って、私が一番懸念しているのは、「10年後にもハリウッド映画は王者か?」ということ。決して変らないものとして想定されている、ハリウッドメジャーと、そしてアメリカ。ほんとに変らず、大きな興行収入を日本にもたらしてくれるのでしょうか。多くの人の生活を支えてくれるのでしょうか?映画で食べることの基本であり続けるのでしょうか?
(あ、現在のハリウッド映画で公開間近の『ドライブ』と『スーパー・チューズデー』どちらもライアン・ゴズリングいいですよ!余談でした。)

また、大規模に変わるものは、後年のツケ、大きくないでしょうか?ほら、大型店による地元商店街の崩壊とか、森林伐採里山削りだしによる自然体系の破壊とか。原発への転換とか。
少しづつ、様子をみながら変えることはできないのかな。
DCPの上映可能で、アップデートの可能な他のシステムは他に置けないのか。
あるいは、データ上映の可能な他の方法。
たとえば、Kyoto DUの推進している、Ki-Proを使っての上映。映画祭はこちらの可能性を考えてみなくては、とも思っています。

里山で思い出しましたが、5月にPFFを開催する計画の名古屋で、県が東京在住の地主を訴えているとか。20年前に県を支える大企業が計画した700名以上の地主が持つ東京ドーム58個分の里山をテストレーシングコースにするという計画。当時は買収に失敗したものを、「公共事業」として県が買収に動き、最後に残った一人が首を縦にふらないので、裁判と。すごいな~。自動車のテストコースのために里山を潰す。20世紀に計画された「21世紀の公共事業」って、怖すぎる・・・・

切実に収入が減り、借金が増え続ける日本という国の家計。
これまでの収入あるいは収支計画を維持しようと各地で必死の行動が噴出していますから、これからもっとすごいことが出てきそうで、こりゃますます、映画は現実に負けるわ・・・・現実に追いつけないわ、と、呆然とする気持ちになるこのごろ。
フリーランスの私には、国民年金がいつのまにか多くの公務員に着服されて誰も責任をとらないことに漫画を超えた日本の不思議を感じていましたが、今回はAIJによる1458億円の年金基金の損失を厚生年金で補填という方針が出そうとか。何故そうなるのかさっぱりわからないけど、これでサラリーマンの年金も崩壊する(してる?)ことがわかりました。そして公務員の共済年金は無傷。もう、笑うしかないですね。日本の縮図ここにあり。
でも、AIJに運営させたのは、誰?
銀行預金は、郵便貯金は、誰がどう転用してるのかな?
「お金が廻ることで豊かな社会になる」という、共同幻想が破壊された現在、お金は凶器に等しいなあとほんとに暗くなるのでした。そして、こんな壊れた社会だから、一笑に付される企画のほうが、正しくミライを予言する映画であったりするのかも、とふと思うのでした。

10年後、20年後、あるいは100年後を見据えた普遍的な力を持つ映画。その登場を待つPFF。公募締め切りは31日消印有効。既に審査は始まっています。

プロフィール

PFFディレクター
荒木啓子 Keiko Araki

雑誌編集、イベント企画、劇場映画やTVドラマの製作・宣伝などの仕事を経て、1990年より映画祭に携わる。1992年、PFFディレクターに就任。PFF全国開催への拡大や、PFFスカラシップのレギュラー化、海外への自主製作映画の紹介に尽力。国内外で映画による交流を図っている。

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