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2012/03/14 01:50:07

2012年ベスト10が出揃ったようです

先日の日本アカデミー賞TV放映後の夜、近所のTSUTAYAを訪れると、見事に『八日目の蝉』が全部借りられておりました。『冷たい熱帯魚』もありませんでした。テレビの伝播力健在なり・・・とふと思いました。
数々の映画ベストテンの発表も一段落した昨今。インディペンデント系映画への注目が高い、ヨコハマ映画祭、おおさか映画祭、高崎映画祭などの賞も決定し、さまざまなベストテンを並べてみると「多彩な年だなあ~」と実感しています。同時に、来年の所沢イヴェント「世界が注目する日本映画たち」ラインナップスタートだなあ、と、本年のイヴェントを2日後に控えならが(!!)思っていました。

「世界が注目する日本映画たち」は、日本国内のみならず海外でも注目の邦画を一挙上映する企画ですので、当然海外での邦画への反応も集めなくてはなりません。
以前、このブログで、「海外で有名な日本の監督は、宮崎駿と北野武、映画祭関係者が会いたいのは、黒沢清と是枝裕和という傾向がある(敬称略)」ことをご紹介しましたが、今月は、奇しくもフランスで、是枝監督の特集(フランスアジア映画祭でドキュメンタリー作品も含む全作品上映がありました)と、黒沢清監督の特集(ドービルアジア映画祭で今)が行われました。どちらも監督を招いての企画でした。フランスは監督特集の活発な国で、「いいな~」と子供のような感想が漏れます。また、5月の韓国チョンジュ映画祭では、小林政広監督と内田吐夢監督の特集を実行するそうです。小林監督も、海外で多く特集が組まれる監督です。

さて、金曜16日から始まる"週末映画祭"とでもいった「世界が注目する日本映画たち」。西武線航空公園駅にお近くの方、是非お越しください。上映7作品のみならずゲストも監督、プロデューサー、出演者と多彩ですし質疑応答タイムや、パンフレットへのサイン会も行われます。今回唯一来場不可能な是枝監督はメッセージビデオで登場いただくのですが、そのビデオは、『ふゆの獣』の内田伸輝監督が撮影くださいました!今回上映の是枝作品は『奇跡』。子供たちが"願い"をかける、その願いに心で滂沱の涙が流れた私。被災地の仮設住宅街でも感じましたが(勿論日常生活でもそうでしょうが)子供のエネルギーたるやすさまじいものがあります。子供が来るといっぺんに、場の色が変わってしまう。そんな子供の有無を言わせぬエネルギーを生かし切った奇跡のような映画『奇跡』。スクリーンで堪能いただけると嬉しいです。

そうです。あの日から一年が経ち、メディアは「復興」へと報道色を替え、政府は原発再開推進やらなんやらかんやらに動いている気配がします。「もうすっかりメジャー報道を疑っているなあ・・・」と我ながら思うのは、一斉に始まった「大地震が来る」報道を、大がかりな「現実から目をそらさせろキャンペーン」だと解釈している自分がいることです。いやいや~、書いてて我ながらこわいです~。
電気代徴収は、水(とガス)と並び「止まると困る」もののひとつとして、ものすごく安定した「全国民からの自動集金装置」ですから、その権利を手放したくない、人生設計をそこからの収入に依って居る人が、驚くほど多くの場所に、大量にいるのだと実感したこの一年。ただ今公開中の映画『TIME』になぞらえると、『発電送電からの収入』でしょうか。さて、自分の生活で電気がないと困るものは何か。もちろん、映画をみることです。あとは、PC、冷蔵庫?ガスもスイッチに電気が必要で電話もそうだから、必要ないものに変えるか?灯は18世紀に戻ってランプと蝋燭か。家庭内自転車型発電機を導入するとどのくらいまかなえるか?ダイエットも兼ねられるが、足腰動かなくなったらどうするか?とか、いつものカウントをしてみます。実は最近一番頻繁に思うのは、それはともかく「エレベーターの閉じるボタン廃止はどう?」と、「エスカレーターの片側一列乗り廃止はどう?」です。
エレベーターの「閉じる」ボタンは、ゾンビや殺人鬼やストーカーに追われた時には絶対欲しいですが、基本、要らないものでは?「開く」ボタンは優しさに沿っているけれども、「閉じる」ボタンは意地悪に近づいていかないでしょうか。エスカレーターも、あの不自然なステップを歩いて登る力があれば、普通に階段を登ればいいのではなかろうか?エスカレーターはその本来の目的通り、二列(ほとんどの場合2人幅ですね)でただ乗ってる昇降機でいいのではと思えてなりません。ほんの数秒の速さのために、無駄なストレスとエネルギー使ってる気がするエレベーター「閉じる」ボタンとエスカレーター「片側歩行専用制度」。一年前までの悪習のひとつなのではないかな~。

政治的イデオロギーや様々な常識、暗黙の所属、などが崩壊したと思うこの一年。戻るのではなく、復興や再生や刷新を願って新しい価値観を生きていくことにすんなり入れるのは、もしかしたら一年前に何も持っていなかった私たち、いわゆるフリーランスの人間や、まだ何もない若者なのかなあとやはり思ってしまったのは、先日国際空港でみた風景からでもあります。
それは推定60代なりたての夫と、推定50代中盤の妻、そして推定20代後半の娘。推定家族旅行に出発する推定裕福な日本人3名。e-ticketに慣れない夫は、妻がまとめてチェックインしたあとに手許にあるものが、従来の「搭乗券」ではないので「お前は何か間違ってる」と不機嫌になり、また妻をカウンターに並ばせる。そのなんだか理不尽に怒っている父の機嫌を「まあまあ」と(明らかに馬鹿にしながら)なだめることに終始している娘。既に疲労してカウンターから戻り「これで間違いない」と夫に報告する妻。「もうやだ~パパ~」という娘。憮然として不機嫌なままの夫。まだ旅は始まってもいないのに・・・今年一番面白い風景で、なんだかずっとその家族の姿を追いかけていた私。多分、夫は推定自分の所属する「組織」の習慣を家庭に持ち込んでいるのでありましょう。推定、部下が旅の準備をし、旅だちも、到着してからも、常に誰かが世話をする。自分の不安や不便を人に解消させることが普通と思う、推定「組織で上がっていく」ことを日常生活でも引きずるその家族の姿に「古い」とつぶやいてしまうのは、私だけではないだろうなあと感じながら、話す相手のいない一人旅を残念に思ったのでした。

「ひとりでなんでもやれ。
次に、ひとりでやれないこと、あるいは、ひとりでやらないほうがいいことを知れ。」
それが自主映画の基本ではないかと常々思う私は、その一家にビデオカメラを持たせて「映画を撮ってみれば?」と話したくなったりしました。
勿論キチガイ扱いされるのは明白ですから、話しませんけど。

あれ?なんだか話がすっかり飛んでしまいました。
本日は気分転換にまたまた『次郎長三国史』(マキノ雅弘監督)をみてしまいました。「ワッショイワッショイ」と走って、とりあえずいつも笑ってる。素晴らしいなあと、またまた惚れ惚れするのでした。

プロフィール

PFFディレクター
荒木啓子 Keiko Araki

雑誌編集、イベント企画、劇場映画やTVドラマの製作・宣伝などの仕事を経て、1990年より映画祭に携わる。1992年、PFFディレクターに就任。PFF全国開催への拡大や、PFFスカラシップのレギュラー化、海外への自主製作映画の紹介に尽力。国内外で映画による交流を図っている。

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