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PFFディレクターBLOGRSS

2010/03/30 01:41:41

映画監督業の家業化?

B&W.jpg香港には、シュウケイという、映画監督であり、プロデューサーであり、映画学校設立の推進者であり、香港のインディペンデント映画を支えている人物のひとりである方がいます。
彼が最近、ある学生から「先生、授業で昔の白黒の映画を見せるのはやめて貰えませんか。あんな色のない画面を延々みせられると、頭痛がしてきて耐えられないのです」と研究室で切々と訴えられたと聞きました。
映画を見慣れていると、白黒の映像が特に奇異には思えなくなっているだけで、実のところ、それは非常に理解の難しいものとなっているのかと、考えてしまいます。
慣れ、というか、人それぞれの体験や環境や教育による差異が、映画を観ることにも大きく影響してくることを改めて感じることの多い昨今ですが、映画監督業に携わる人々も、映画が、他の家庭環境に比して日常にある"親から代々"という人が、これからもっと増えるのかなとも感じています。

世界中を綿密にリサーチすると、非常にたくさんいらっしゃるのでしょうが、ちょっと思いつくだけでも、親子や家族で映画監督業に携わるのは、例えば日本では、マキノ家、伊丹家、野村家、今村家、深作家、新藤家、佐藤家、奥田家、イランではマフマルバフ家、アメリカでは、近年ではカサヴェテス家、コッポラ家、フォアマン家、スピルバーグ家などですが、昔はもっとおられますし、いやはや、アメリカ、ヨーロッパ、ロシアと、世界にはもう多分、星の数ほどある話だと思います。そういえば、ちょっと違いますが、昨日は、女優シャーロット・ランプリングの息子の監督作品について聞きました。

フィリピンのインディペンデント映画のリーダーの一人だった監督に、レイモンド・レッドがいます。
raymond02.jpg80年代の彼の実験的で天才的な8ミリの自主短編映画(写真:MISTULA)の数々を、PFFでは頻繁に紹介していました。
今回の香港映画祭では、最近の長編映画(東京フィルメックスなどで紹介されています)と、過去の8ミリ短編で構成されたレイモンド・レッドの特集があるのですが、このレイモンドの息子ミクハイル・レッドの5本目の短編映画が短編コンペで上映されています。18歳です。
あらゆる芸術芸能文化の分野で、映画はまだ歴史の浅い表現分野ですが、その始まりである19世紀の先祖から数えると、すでに4代目世代には入っているなあと実感します。

ところで、今、アメリカでは、香港カンフー映画の3Dリメイクプロジェクトが始動していると、ツイ・ハークのプロデューサーから聞きました。ブルース・リー特集も映画祭で行われていますし、カンフー映画よ永遠にと思う夜です。
香港滞在も、もうあとわずか。例年より涼しい毎日です。


(写真 ※白黒映画、東京では年中上映中です。例えば、こんな会場で遭遇できます。 上から順に、東京国立近代美術館フィルムセンター / 池袋 新文芸坐 / シネマ・ヴェーラ / 神保町シアター)

プロフィール

PFFディレクター
荒木啓子 Keiko Araki

雑誌編集、イベント企画、劇場映画やTVドラマの製作・宣伝などの仕事を経て、1990年より映画祭に携わる。1992年、PFFディレクターに就任。PFF全国開催への拡大や、PFFスカラシップのレギュラー化、海外への自主製作映画の紹介に尽力。国内外で映画による交流を図っている。

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