「H story」
「H story」写真
上映:7月4日(木) 18:30〜 映像ホール
監督来場予定
演出か?アドリブか?諏訪敦彦の真骨頂!!
諏訪敦彦監督3作目となる「H story」は、全2作と同様に脚本無しで撮影されている。
監督は新作のロケ地に、故郷であり、また、これまで深く関わることを避けてきた広島を選んだ。その新作は、マルグリット・デュラス原作、アラン・レネ監督「二十四時間の情事」リメイク版。その撮影現場に集まるキャストとスタッフ。リハーサルと本番を一台のカメラで取り続け、セリフは即効的に繰り広げられるため、役者の心情や時間、記憶などに左右されながら物語は展開する。みている者は、どこまでが「演出」でどこまでが「アドリブ」か、疑問を抱かずにはいられない。そして、撮影に訪れる町田康がキーパーソンとなり、物語に新しい側面を与えていく。

J・L・ゴダールやアルノー・デプレシャン作品の撮影監督であるキャロリーヌ・シャンプチエが撮る広島は、パリの街かと見間違うほど陰影や色、空気感に気だるいニュアンスが漂わせ、作品に不思議な緊張感を与えている。また、そこに居るだけで圧倒的な存在感をアピールするベアトリス・ダル(「ベティ・ブルー 愛と激情の日々」(1986)、「ナイト・オン・ザ・プラネット」(1991))が更に、作品のテンションを高める。

諏訪敦彦監督は、「M/OTHER」に続き、「H story」で2年連続カンヌ国際映画祭への出品となる。

(2001年/111分/35ミリ)
監 督:諏訪敦彦
出 演:ベアトリス・ダル、町田 康、馬野裕朗 ほか

2001年 カンヌ国際映画祭「ある視点」
2002年 香港国際映画祭

諏訪敦彦監督プロフィール
諏訪敦彦監督写真1960年、広島県生まれ。
1982年、長崎俊一監督「九月の冗談クラブバンド」に助監督として参加し、以後、山本政志監督や石井總亙監督作品に携わる。1984年「はなされるGANG」がぴあフィルムフェスティバルに入賞。1997年、「2/デュオ」で劇場映画デビュー。ロッテルダム国際映画祭でNETPAC賞を受賞。2作目の「M/OTHER」では、カンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞し、フランス全土で公開される。