29歳の絹子は妻子がいる年上の公平と毎週火曜日に会う日々を過ごしていた。
ある日、絹子は、路上詩人・真鍋とその居候・聖と出会い、平穏に見えた日々は少しずつ揺れ始めていく…。
30歳目前の実らない恋愛と秘めた片思いをしている少女をリアルで切なく描いた本作は、
恋愛における“幸福”について風間監督が5年前から温めていた作品である。
セックスとか闘いという意味を持つ“火星”では、徐々にかたちを変えながら繰り返されるカノンが奏でられている。
94年のロッテルダム国際映画祭でタイガーアワード賞を受賞した風間志織監督の7年ぶりの新作は、そんなタイトルのように、平凡な女性たちの壊れやすくて、いつも幸福と残酷さとの間を揺れ動いている恋愛模様を優しく描き出している。
主演は、「冬の河童」で主演して以来、風間監督とともに本企画をあたためていた久野真紀子。中年男性の公平役には、TVドラマ「HERO」などで注目を集め、風間監督が脚本を務めた「非・バランス」でも主演した小日向文世。聖役には、「ファザーファッカー」、「富江」、「東京ゴミ女」と主演作が続く中村麻美が演じている。
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