「歩く、人」
「歩く、人」写真
上映:7月2日(火) 19:00〜 ホールD
監督来場予定
人にはそれぞれ歩いていく道がある。
北海道のとある町で造り酒屋を営む63歳の本間信雄は、2年前に愛妻を亡くし、次男・安夫とふたりでひっそりと暮らしていた。彼の日課は、片道8キロある鮭の孵化試験場へ散歩すること。放流を待つ稚魚たちの成長を見守ることで自分の孤独感を癒していたのだ。
妻の3回忌が迫ったある日、信雄は、法事の日に長男を呼び寄せるよう安夫に告げる。
久々に顔を合わせることになった家族だが、それぞれの行き詰まった思いをぶつけあってしまうのだった…。

雪深い風景の中で、おのおのの人間が持つやるせない思いを淡々とした演出で見せる小林監督作。主演は、「殺し」に続いて小林作品に登場する緒方拳。老齢ゆえに持つ孤独感と家族に対する思いを、味わい深い演技で表現している。

ちなみに、カンヌ映画祭で高い評価を得た「海賊版=BOOTLEG FILM」、「殺し」に続いて、本作もまた小林監督のお気に入りの場所である北海道増毛町で撮影され、同じくカンヌ映画祭に出品されている。

(2001年/103分/35ミリ)
監督:小林政広
出演:緒方 拳、香川照之、林 泰文、大塚寧々 ほか

2001年 カンヌ国際映画祭「ある視点」
2001年 シカゴ映画祭

「歩く、人」公式ホームページ:

http://members.aol.com/sarumachi/arukuhito/arukuhito.html

*2002年9月7日(土)より 三百人劇場にて公開


小林政広監督プロフィール
1954年、東京都出身。
16歳の時、フランソワ・トリュフォー監督「大人は判ってくれない」に刺激を受け監督を志す。1982年、第8回城戸賞入賞。それを機に、脚本家としてテレビドラマやピンク映画の脚本を手掛けるようになる。
そして、1996年には「CLOSING TIME」で監督デビュー。この作品でゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭のグランプリを受賞。その後、「海賊版=BOOTLEG FILM」(1998)、「殺し」(2000)、「歩く、人」(2001)を監督し、3年連続でカンヌ映画祭に出品された。