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2015/06/19

鈴木洋平監督『丸』が台北映画祭、ウィーン国際映画祭から招待されました。

maru_1.JPGPFFアワード2014入選作『丸』(鈴木洋平)が、新たに2つの海外映画祭から招待されました。

今年3月にニューヨーク・リンカーンセンターで行われた、
世界の若手監督を紹介することで著名な映画祭「New Directors / New Films」
上映されたことで、海外から更なる注目を浴びている本作。

今後の上映予定とあわせて、
トニー・レインズ氏(イギリス)、チャック・ボーエン氏(アメリカ/Slant Magazine)
2名の海外評論家による『丸』の映画評をご紹介します。
スピルバーグやジャームッシュとの比較で、作品の魅力が語られています。ぜひご覧ください。


【今後の映画祭】
■台北映画祭(台湾)
6月26日(金)~7月18日(土)
【公式サイト】

■ウィーン国際映画祭【ビエンナーレ】(オーストリア)
10月22日(木)~11月5日(木)
【公式サイト】

今月末に開催される台北映画祭では、『野火』(塚本晋也)、『百円の恋』(武正晴)、『トイレのピエタ』(松永大司)などの話題作と共に、『丸』が上映されます。鈴木洋平監督も現地入りし、映画祭に参加予定です。(Future Lights部門での上映)
さらに、観客数が延べ8万人以上といわれるヨーロッパ最大級の映画祭、ウィーン国際映画祭(ビエンナーレ)からも招待されました。ヨーロッパプレミアとなる上映での観客の反応も楽しみです。


【『丸』海外映画評】

未知なる可能性
トニー・レインズ

「丸」
鈴木洋平監督作「丸」は大島渚監督の「絞死刑」以来、数十年ぶりに、日本の停滞した政治・文化・経済に風穴を開けた良作だ。ブラックコメディーでありながら、SFミステリーでもあり、ルポタージュでもあり、問題作でもある本作は、ドキュメンタリードラマの形式でスタートし、ごく平凡な郊外の家族を1人ずつ字幕で説明する。続いて警察の手続きの不手際に焦点を当て、やがて性政治学的な爆雷へと変わっていき、総じてサミュエル・ベケットの小説のようなバックビートを奏でている。要するに、本作は衝撃の長編デビュー作であり、今年一番の喜ぶべきサプライズをもたらす存在だ。いつもどおり、ほぼ全ての日本の評論家は本作から目を背けているが。

【掲載ページ】

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「丸」 ★★★☆
チャック・ボーエン 2015年3月20日

「Ow」(※「丸」の英語タイトル)を見ればすぐ、そのタイトルどおりの映画だと分かる(ただ日本語の原題を直訳して「Zero」という英語タイトルにしたほうが、より合っていたかも)。映画の舞台は郊外にある鈴木家で、家族構成は最近リストラに遭ったという事実を隠している中年の父親、一度も働いたことがなく寝てばかりいる成人した息子、認知症ぎみの祖母、家族との毎日にうんざりしている母親。つまり鈴木家は典型的な中流家庭なのだが、今の時代にはそうした生活を維持していくのは難しくなっている。鈴木洋平監督は家庭内の悩みや不安、失望、恥を格子のように張り巡らせて見事に描き出している。緻密に計算された描写は各所に見られる。

鈴木監督の表現は温かさと緊張感を同時にもたらす。鈴木監督はスピルバーグのように共同生活の喜びと苦しみをうまくとらえる才能に長けており、ジム・ジャームッシュのように時々シュールな笑いを交えて社会における孤独を描き出すセンスを持ち合わせている。結果としてヒューマニズムが生まれ、本作がSF的な寓話へと発展するのに役立っている。

【掲載ページ】


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