HOMEPFFとは?作品紹介上映日程&料金リンク
「ピクニック」 監督:奥原浩志
「タイムレス メロディ」「青い車」の奥原監督の傑作

1993年/8ミリ/カラー/70分

プロのミュージシャンを目指しながらも、気楽な毎日を過ごす2人の兄弟。彼らのアパートの隣室に1人の若い女性が越してくる。やがて3人は意気投合し、彼女は兄弟のバンドで歌うようになる。しかし、それぞれの心に微妙な感情が生まれた時、兄は1人どこかへ去って行く。 登場人物の服から彼らの横にあるお菓子、ロケーション場所、拾ってきた本にいたるまで、豊かに統一されたセンスあふれる作品。たぶん監督の単なる趣味だろうが、画面に映る時、それは美意識と呼べるものとなり、贅沢な感性の映画作家の出現を感じさせる。一見たわいのないセリフもまた、本音を言わない世代の心象風景をよく捉えている。

93年日本船舶振興会賞(キャスティング賞)&シャンテ賞(観客賞)受賞

>>上映日時:7/29(土) 11:00
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「俺は園子温だ!!」 監督:園 子温
新作「紀子の食卓」公開直前!
強烈な個性が光る園監督の原点がここに!


1984年/8ミリ/カラー/32分

カメラに向かい、作者が今日の日記をつけるように喋り出す。そんな静かな日々の記録が綴られてゆくのかと思いきや、古びた館のイメージ・ショットがインサートされ、突然カメラが走り出して、作者は狂ったように騒ぎ出し、果ては頭を坊主にしてしまう。映画と言う媒体を利用して、作者自身の存在証明を過激に追及しているが、その一方で、映画の存在そのものに鋭く迫ろうとしている。

1986年入選

>>上映日時:7/29(土) 11:00
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「いそげブライアン」 監督:小松隆志
プロレスファン必見!?
昨年「奇談」が絶賛された小松監督の痛快作!


1985年/8ミリ/カラー/67分

ブライアンとチャーリー。「俺たちは最強のタッグチームだった」ある日2人は離れ離れになり、全く対照的な人生を歩み始める。その生きざまを、喋りっ放しのモノローグとたたみかけてくるイメージによって、青春を疾走する若者たちのの共通の叫びとして、パワフルにリリカルに描ききった無国籍青春映画。作者の、プロレスやSFやロックへの思いが、強靭な人生論となって見る者に挑みかかる。

1986年入選

>>上映日時:7/29(土) 13:00
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「宇宙虫」 監督:秋山貴彦
「ヒノキオ」の公開も記憶に新しい秋山監督の原点!

1988年/8ミリ/カラー/40分

宇宙に夢をはせる少年の読む本の上に落下してきた不思議な卵。そこから出てきたのは変な虫だった。少年は育てようとしたが母親に拒否されたため、近所の山に捨てて観察を続ける。虫はみるみる増殖を続け、人間顔負けの文明をつくりだすのだが…。一番の見どころは手作り特撮のテクニックだが、登場人物のキャラクターやドラマの設定もかなり笑えるユニークなSF。原作は水木しげる。

1988年入選

>>上映日時:7/29(土) 13:00
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「東京白菜関K者」 監督:緒方 明
「いつか読書する日」の緒方監督が魅せる破天荒な一作

1980年/8ミリ/カラー/62分

ある朝起きたら、白菜男になっていたK。街へ出たKは、疎外感や不条理に悩む暇もないくらい、モテてモテて、さまざまな事件や人々に追いかけ回される。そして、くたびれ果てたKは土に戻っていく…。明らかにカフカを下敷きにしながらも、全く心理描写や文学性とは無縁なところで、男の顔に白菜をかぶせたコスチューム、そして彼にただひたすらに街を迅走させる視覚的なアイデアだけで映画を成立させていく手腕は見事。走るKを追っていく手持ちのカメラ。一見乱暴な編集はバックグラウンドで鳴り響くロックのサウンドと心地よい対位法をかたちづくる。白菜が異常に高騰した時期の、街頭インタビューなども混じえながら、本来ならばKの内部の出来事として描かれるべきものを、すべて彼の外部の出来事に視覚的に置きかえていく手法は、すぐれて映画的であり、因果関係に縛られない新しいアクション映画の萌芽も見える。

1981年入選

>>上映日時:7/29(土) 15:00
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「南極へは、きみとふたりで」 監督:亀渕 裕
女の子たちの心情を捉えたポップムービー

2001年/DV/カラー/40分

品川、青山、琴村、川瀬は幼なじみで、今は店長のいない貸しスタジオで一緒にアルバイトをしている。単純に仲がよいとは言えないが、4人のリズムは出来上がっていて、集まって喋ってケンカも含めて一通り、といった感じである。同じ部分を確かめ合って楽しい時間を過ごすのでなく、違う部分を出し合って摩擦の時間を過ごす、不思議な友情。スタジオの営業時間のことでもめたり、電気を使い過ぎてヒューズを飛ばしたりして、お互いに呆れ、怒り、忘れ、そしてまた4人は集まる。そうやって日々は過ぎていき、先のことはわからないが、これからもこうやって過ぎていってもいいかと思えた。が、別れは突然、やってきた。 英語タイトルに「YOU'RE MY MUSIC」とあるが、この作品自体がプロモーションビデオのような、と言うよりも1曲の音楽のような映画。饒舌でスタイリッシュで繊細な女の子達の気分を、タータンチェックの枠やアニメの挿入、架空の原作のクレジット、画面の分割など映像上の遊びを盛り込んで、ポップに表現している。4人のキャスティングも良く、攻撃的ギリギリの自己主張や退廃ギリギリの皮肉っぽさ、わざとらしさギリギリの天然ボケ具合などが、魅力的な生きたキャラクターとして画面に息づく。映画を映像として捉えた自由さ、大胆さと、切ない物語のバランスが抜群で、作家の際立った個性を感じさせる。

2002年審査員特別賞&音楽賞(TOKYO FM賞)受賞

>>上映日時:7/29(土) 15:00
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「はなされるGANG」 監督:諏訪敦彦
「2/デュオ」「M/OTHER」の諏訪監督の秀作

1984年/8ミリ/カラー/85分

冒頭、「はなされるGANG」と云う字幕で、2人の役者、加村と理恵がこれから始まる物語について語り始める。そして耳の聞こえないギャング、加村と、文庫本を読む少女、理恵の逃走劇が展開されてゆく。シーン毎に、撮影された日付が記され、ほぼ順撮りで、一筆描きのようにして撮られたこの作品は、フィルムの虚構性のウラをかいて、映画の本質に迫ろうとする。

1985年入選

>>上映日時:7/29(土) 17:00
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「IMMEASURABLE MYSTIC BOOK」 監督:平沢翔太
本年度PFFアワードで3つの賞を獲得した
とにかく楽しめるフェイク・ドキュメンタリー


2005年/DV/カラー/22分

未開の島で発見された不思議な生き物たちの奇妙な生態系をCGを駆使しながら巧みに描いた疑似ドキュメンタリー。

2006年審査員特別賞&エンタテインメント賞(エイベックス・エンタテインメント賞)&GyaO賞(USEN賞)受賞

>>上映日時:7/29(土) 17:00
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「夕辺の秘密」 監督:橋口亮輔
「二十才の微熱」「ハッシュ!」の橋口監督の原点

1989年/8ミリ/カラー/51分

伊藤、吉田、奸原、春美は高校の同級生。伊藤は親友の吉田に秘かに想いを寄せている。吉田はそんな伊藤の気持ちを、困惑する風でもなくただ自然に受けとめている。ところが吉田の家に集まったある晩、春美が勢いで言った「伊藤君って吉田君のこと好きなんでしょ」という言葉によって、彼らの心の中に波紋が広がり始める。否応なく抱え込んでしまった同性愛という“秘密”の前で、彼らは苛立ち、戸惑い、気持ちを探ろうとひっかきあう。思春期の若者の心の微妙な揺らぎを、丁寧かつ大胆な手法で描く。

1989年グランプリ&最優秀女優賞受賞

>>上映日時:7/29(土) 19:00
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「鳥籠」 監督:木下雄介
「水の花」公開目前!
PFFスカラシップを監督した木下監督の才能を見よ


2002年/DV/カラー/38分

ある孤児院の社会見学の帰り、バスから1人の少年が脱走する。目的は母親探し。行くあても所持金もない彼だったが、公園でパフォーマンスをしていたピエロのおじさんに拾われ、アシスタントとして寝食を共にするようになる。ピエロのおじさんはかつてヤクザで、苦労をかけた妻が離婚後に亡くなったこと、1人娘が知り合いに引き取られて東京で暮らしていること、その娘に時折、自分の写真を送っていることなどを少年に聞かせるのだった。少年は母を探すが、名前すら知らないために手がかりもつかめない。真っ白な記憶の奥の母に近づくため、自ら少女になって踊る少年。だが手探りの行為は実を結ばず、帰ってきた彼を待っていたのは予期せぬ出来事だった。少年はおじさんの娘を訪ねるが、そこで彼が出会ったのは…。 「鳥は目を開けた時に初めて目にした動くものを母親だと認識する」この話をモチーフに1人の少年の旅を描くが、ドキュメンタリー風の飛び込み撮影、ポラロイド写真、ロケ、つくり込んだ室内など、異なるテイストの映像を組み合わせているにも関わらず、心象と具象のつながりが驚くほどなめらか。痛々しい日常から、驚きの展開を経て、幸福で美しいラストへと、観客はいつの間にか少年の旅に同行している。監督の頭の中にあるイメージの強力さ、その映像化に照明、音楽、美術、出演者の削ぎ落とされた演技と、スタッフワークが大きく貢献している。

2003年準グランプリ&観客賞(東京)受賞

>>上映日時:7/29(土) 19:00
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「私と、他人になった彼は」 監督:大谷健太郎
「NANA」「約三十の嘘」「ラフ」の大谷監督の原点

1991年/8ミリ/カラー/51分

登と美香は、元恋人同士。登の浮気が原因で別れてから一度も顔を合わすことのなかった2人だったが、借金のいざこざから半年振りに再開することになった。そしてひょんないきさつから登は美香の部屋を訪ねることに。2人きりで夜を過ごすうちにお互いの思惑は絡み合い、本音と嘘が微妙に交差する会話の駆引に、元恋人たちの未練心がどんどん露呈してゆく…。カタチでは別れていても、心の中ではまだ他人になりきれていない男女の揺れる心理を、ドキュメンタリー的手法で現実よりもリアルに描き出したビビッドな恋愛ドラマ。後半、会話だけで2人の心の葛藤がくっきり見えてくる演出は見事で、男女の切実な場面を淡々と描いているのに、観る者をワクワクさせるエンターテイメントに仕上がっている。

1991年優秀賞&最優秀女優賞&観客審査員賞受賞

>>上映日時:7/29(土) 21:00
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「雨女」 監督:矢口史靖
「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」は
ここから生まれた!


1990年/8ミリ/カラー/72分

降りしきる雨の中、他人の迷惑をもかえりみず突っ走る常軌を逸した2人の女。生きるためには畑を荒らし、スーパーを襲い、牛をも殺す。雨が降る限り続く2人の奇妙な共同生活。何故?そして、晴れたとき2人はどうなるのか?そんな観客の疑問にはおかまいなく映画は疾走する。 ある時はドキュメンタリー、ある時はB級ホラー、そしてはたまた前衛映画!?様々な要素を散りばめつつ断固として“意味づけ”を拒否する展開と、ストーリーやスタイルから離れて貪欲に対象に斬り込む映像。それは観客の生理を直撃し、前頭葉にべったりととり憑いて離れない。

1990年グランプリ受賞

>>上映日時:7/29(土) 21:00
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「犬猫」 監督:井口奈己
榎本加奈子×藤田陽子主演同名作のオリジナル

2000年/8ミリ/カラー/84分

三角関係のすったもんだの末にくっついて、つつがなく一緒に暮らしていた男の部屋を、すずは何の前触れもなく飛び出す。そして、やはり何の前触れもなく、古い友人・アベちゃんの家を訪ね、しばらく住ませてもらえないかと頼む。しかしアベちゃんは明日から中国に留学することになっており、帰ってくるまではヨーコが住むことがすでに決まっていた。すずとヨーコは中学の同級生で、いつも同じ男性を好きになり、いつもすずが勝つという、最悪の腐れ縁で結ばれている関係だった。自分が受け入れられる人間だと信じているすずは、当然のようにヨーコと暮らし始める。そんなすずにうんざりしながらも、悪くない2人のリズムができた頃、ルックスに自信のないヨーコが大切に育てようとしていた片思いの相手とすずが接近する。すずの言葉に嘲笑と挑戦を感じ取って傷ついたヨーコは、かつて、すずとの三角関係を繰り広げた男の部屋を訪ね、一夜を明かす。それを知ったすずは…。 生きていく上でのアプローチがまったく違う2人の女性が、反発し合い、傷つけ合いながらも、どこかで思いをかけ合う。男が原因の仲たがいを繰り返す2人は、本当は男が入り込めない深い友情を育てているようにも見える。いい意味で女性監督ならではの、意地悪なくらい細部を見つめる視線で描かれた不器用にじゃれ合う2人の姿は、少し痛々しく、たまらなく愛しい。

2001年企画賞(TBS賞)受賞

>>上映日時:7/30(日) 11:00
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「よっちゃんロシア・残りもの」 監督:玉野真一
とにかくパワフルな衝動が伝わってくる衝撃作

2001年/8ミリ/カラー/18分

街中の階段を、坂道を、ただただ転げ落ちていく男。ひたすら転げ続けた先には、1人の女が立っていた。対峙する男と女。緊迫する空気。にらみ合う2人が取った行動とは?そしてうんちが付いたパンツは何を意味するのか?(「よっちゃんロシア」) じりじりした日差しが照りつける真夏の墓地。ある墓石の前で主人公はエールを送る。「行け行け、アキヤマ〜」と、めまいがするほど叫び続ける。その理由は?そもそもこれは秋山家之墓なのか?(「残りもの」) ストーリーでもイメージでも、ましてやテーマでもなく、ある種の衝動を正直に映像化した作品。その衝動とは、人を好きになったものの、そこに生まれた自分の感情や性欲をどう捉え、コントロールし、相手に伝えていいかわからず、わからないながらも何とか外に放出しなければ辛くてやっていられない、というもの。その放出方法に作者は、ダイレクトに体を張ること(途中のシーンから主人公が手にサポーターをしているのが、やらせ無しの気迫と哀愁を感じさせる。おそらく上映時間の数倍、階段を落ちたのだろう)と、一番恥ずかしいものを見せること、それを映像で記録するという形をとった。結果、この作品は作者の生理を濃密に伝えつつ、恋する者の格好悪さと切実さという普遍を、どうしようもなくユーモラスに伝える。そしてそのセンスと力技は、見る者を魅きつけて止まない迫力を持っている。

2002年審査員特別賞受賞

>>上映日時:7/30(日) 11:00
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「ストレンジ・ハイ」 監督:水戸英樹
93年にグランプリを獲得した傑作!

1993年/8ミリ/カラー/60分

気弱な安藤はふとしたことから、陰気なクラスメートの荒井に、してもいない約束を破ったと執拗に責められるようになった。「今度は必ず来い」と映画のチケットを押しつけられるが、安藤は拒否。その約束の日の翌日、訪ねてきた刑事によって荒井が自殺したことを知らされる。その日から、死んだはずの荒井が安藤の生活を乱し始める。 普通の人が最も恐れる“少し変な人”、そして“人から少し変だと噂されること”の2つの不安を、手際良いエピソードの積み重ねで見せていく。しかし、死んでからイキイキしてくる荒井をはじめ、サイコぎりぎりのユーモアが、おかしさと怖さの間を行き来する不思議な味わいを残す。

1993年グランプリ受賞

>>上映日時:7/30(日) 13:00
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「気分を変えて?」 監督:犬童一心
「ジョゼと虎と魚たち」の犬童監督の原点がここに

1978年/8ミリ/カラー/30分

原将人監督の「おかしさに彩られた悲しみのバラード」、大森一樹監督の「空飛ぶ円盤」シリーズ、黒沢清監督の「スクール・デイズ」の影響を受けたという犬童監督の処女作。4月4日のキャンディーズ解散の様子と、その日を舞台に撮られたもう一本の映画。その2つを乱暴につなぎ込みながら、78年の夏を、舞台に映画にのめり込み過ぎた1人の少年が、初めて男の生理日を迎え、「気分を変えて」という映画を作ることによって、気分を変えて男の生理を乗り切る姿が描かれている。こうした身近なことによりかかっていると見せて、それをフィクショナルな構造まで持ち上げ、作者の生きている時代とそこで感じていることのすべてをぶち込んでいくパワーには、見るものを圧倒するものがある。

1979年入選

>>上映日時:7/30(日) 13:00
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「睡蓮の人」 監督:村田朋泰
Mr.Childrenのミュージッククリップなどを手掛けた
村田監督の心温まるメルヘン


2001年/DV/カラー/16分

初老の男が1人で暮らしている。家族も、訪ねて来る人もいない。少し寂しいが、贅沢を言えばキリがないと諦め、時間が止まったような家の中で日々を過ごしている。ある日、男は夢を見た。夢の中で、ゲタの音が聞こえた。自分はこの音を知っている。そう思いながら目を覚ますと、部屋に1匹のカメがいた。なぜか懐かしい気持ちのするカメに導かれるように鳥居が続く階段を登っていくと、池のほとりに辿り着いた。すると男の脳裏には、はっきりした情景がよみがえって来る。まだ自分が20代の頃、やはり若かった妻と2人で来た場所だった。いつも無口な自分の隣で、いつも笑顔でいた妻。夢で聞いたゲタの音は、妻のものだった。その時、男はやっと思い当たる。それは亡くなった妻からの伝言だと。何も考えずに過ごすのと、懐かしい人を思い出しながら生きるのでは、孤独の意味が違う。たまには自分を思い出してほしい――。寂しさを避け、思い出すことをしなかった自分は、亡き人に寂しい思いをさせていたのだ。そう気付いた男の目に、やさしい睡蓮が映った。 ラフにつくった紙粘土細工のようなテイストのクレイアニメーション。その素朴さが「孤独とは、1人ではないことを教えてくれるものだと思う」という作家のメッセージを、さり気なく、あたたかく伝える。ふすまや廊下や木の窓枠など、家の細部に懐かしい昭和の風景を丁寧に再現した点もまた、作品に深みを与えている。

2002年審査員特別賞受賞

>>上映日時:7/30(日) 13:00
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「はばかりあん」 監督:永森裕二
映画プロデューサーとして活躍する
永森監督の痛快なコメディ


1988年/8ミリ/パート白黒/57分

一見何の変哲もない中学校。しかし、そこは男子が大便を禁止された恐るべきブラック・ホールであった。ある日、善良な品行方正少年が突然猛烈な便意に襲われ…。物語は、この学園の隠された伝統と生徒たちの権力抗争の歴史を次々と明るみに出しながら、少年の孤独で苛酷な戦いをとうとうと描いていく。その溢れ出るパロディ精神が織りなす言葉と映像の銃撃戦は特筆もの。

1988年審査員特別賞&観客審査員賞&最優秀男優賞受賞

>>上映日時:7/30(日) 15:00
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「三月」 監督:松岡錠司
「きらきらひかる」「バタアシ金魚」の松岡監督の傑作

1980年/8ミリ/カラー/45分

大学に進学する先輩に思いを寄せる1年下の女子高校生。故郷を離れ、大学へ通うために東京へ向かう先輩に、将来結婚した2人の生活の夢まで語るが、先輩はその夢を共有することをためらう。季節の変り目であり、学生たちには生活の変り目である3月。家庭での生活、学校での生活を追いながら、女子高校生のロマンティックな夢をリアルな表情や会話などで描き出している。

1981年入選

>>上映日時:7/30(日) 15:00
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「ゴキブリマン」 監督:福津泰至
1996年にグランプリを受賞した傑作

1996年/8ミリ/モノクロ/33分

佐藤には近頃、気になることがある。煙草の減り方が妙に早いのだ。「自分1人で2人分喫っているのか。それとも、もう1人喫っている誰かがいるのか」。そして彼は考える。「自分が行っていない時も大学は存在するのか」「自分が部屋にいない間、部屋には本当に誰もいないのか」と。そんなある日、クローゼットの中からブリーフ1枚の男が登場する。時々、ベランダで飛ぼうとするその男は、毎日を無気力に過ごす佐藤に、現実的な質問をしたり、意見を言うようになるのだった。彼の正体は一体…? 自分の視界の外に広がる世界。その圧倒的な大きさに思いを馳せた時、自分という存在の小ささを思い知る。外との接触を断って、その恐怖をうやむやにする佐藤。男との会話を字幕にしたことで、彼の閉じた世界を表現することに成功した。数日間に起こった小さな再生を描いたユーモラスなタッチは、エンディングのテーマ曲で一層印象的になった。

1996年グランプリ受賞

>>上映日時:7/30(日) 17:00
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「BAMBI BONE」 監督:渋谷のりこ
バンクーバー国際映画祭で絶賛された衝撃作

2004年/DV/カラー/78分

東京都鹿骨に住んでいる小学5年生の唯生と幼馴染の彩。唯生は自分に異常に執着する父親と、それを気づかぬようにしている母親の3人暮らし。一方、母親と2人暮らしの彩は、男好きの母親からいつも疎ましがられている。 お互い家に居づらい2人は、そんな毎日に対抗する術もなく、何かを共有するかのようにゴミ袋をかぶり、同じ町内の住民たちに罵声を浴びせたり、気に入らない奴にオシッコをかけたりして退屈な冬休みを過ごしていた。そうやって過激なことをすることで心のバランスを保っていたのだ。 ある日、彩と仲良く遊ぶ様子を陰から見ていた父親に、彩と遊ぶことを禁止されてしまったと唯生。しかし、2人はまたゴミ袋をかぶって“遊び”を繰り返すのだが…。 息子に異常な欲望を抱く父親と、その欲望の対象となる唯生。そして夫への不満から他人の家で美しく咲いている植木鉢を盗むことがやめられない唯生の母。娘のことは省みず男遊びばかりの母親と、そんな母の姿を遠くから見つめる彩。唯生と彩、2人の我慢が限界に達したとき、彼らの反抗が始まった!

2005年審査員特別賞受賞

>>上映日時:7/30(日) 17:00
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「BLUE HEARTS」 監督:広崎哲也
2時間近い長尺で描かれた傑作エンタテインメント

1996年/8ミリ/カラー/112分

不良仲間とシンナー遊びや優等生いじめに明け暮れる大分の暴走族、梅川 哲。持ち前の要領のよさで暴走族でも出世し、高嶺の花だった美少女とも付き合い始めるが、それも束の間、次々と挫折が彼を襲う。地元に嫌気がさした哲は発作的に上京。プロボクサーとして成功している兄のもとに転がり込む。しかし、勝ち続けるためにストイックな生活を送る兄に反発、やくざの子分になってしまうのだった。ダラダラした生活を送る哲だったが、試合中に兄が死んだことを知り…。 恋、友人、ヒーロー、努力せずに得られる成功。1人のツッパリ少年が多くのものを失った後に辿り着く自己再生。それを定型に沿って描きながら、観ていて愛情を感じてしまうのは、隙あらば笑わせようというパワーと、自覚あるパロディ精神。観る物をあっという間に引き込むイントロから、主題歌が流れるエンドロールまで、徹底したエンタテインメント作品に仕上がっている。

1996年WOWOW賞&シャンテ賞受賞

>>上映日時:7/30(日) 19:00
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「RUNNING HIGH」 監督:篠原哲雄
「月とキャベツ」「はつ恋」の篠原監督の疾走ムービー

1989年/8ミリ/カラー/26分

結婚式帰りの男。酔って目覚めればそこは早朝の公園。気ままに早朝の街をさまよう彼は、そこでマウンテンバイクの少女に出会い、ふとしたことから少女のかわりに警察に追われるハメに。のんびりと清々しい朝の空気を追っていたカメラは、一転して男と一緒に逃走をはじめる。殺気立って執拗に彼を追う警官。彼は追手をふりきろうと必死に走り続ける中で、次第に高揚してゆく自分を知る。まるで、退屈でありきたりな日常から飛びたつための助走であるかのごとく――。力いっぱい走る男を雄弁に捉えるカメラワークが見事。

1989年特別賞受賞

>>上映日時:7/30(日) 19:00
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「PICKLED PUNK」 監督:山岡秀雄(現・山岡信貴)
昨年PFFで上映した「天然性侵略と模造愛」が好評だった
山岡監督の破天荒ムービー


1993年/16ミリ/カラー/82分

双子の片割れを腹に持つ男は「出してくれ」という弟の叫びに突き動かされるように、日常から逸脱する旅に出る。その彼を追い、自分もまた「留守番電話に何も入っていない毎日」から解放される旅に出る女。2人に巻き込まれる不運なサラリーマンと、ドッグフードが好物のカメラマン。彼らは、覚めては続く悪夢のように、出会っては別れ、別れてはまた出会う。そして最後に残るのは…。 起承転結や一切の説明を無視した、しかし魅力的なストーリー。そのストーリーを、断片的な映像とモノローグだけで見せる冷たいスピード感は、意味を追う観客を振り払うよう。凝った小道具やロケーションはないのに世紀末を感じさせる、精神的パンクな作品。

1993年審査員特別賞受賞

>>上映日時:7/31(月) 12:30
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「豚足の夜」 監督:金子直人
豚足をきっかけにほころんでいく家族の絆

2005年/DV/カラー/23分

それぞれがバラバラな4人家族。長女の歯の違和感と機を合わすかのように、絆がほころんでいくシュールな家族劇。

2006年入選

>>上映日時:7/31(月) 12:30
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「あるべらえず うんべると -消え入ぬように-」 監督:関 乃介
いろんなことがあるけど、人生って素晴らしい
昨年グランプリを獲得した傑作ドキュメンタリー


2004年/DV/カラー/92分

何かが変わると思い1人暮らしを始めたものの、何もしていない作者。そのとき出会ったのがアルベラエズ・ウンベルトだった。声をかけてきたのはウンベルト。一緒にテニスをしようと誘ってきた彼に興味を持った作者は、彼を追い始める。 ウンベルトはテニス好きのコロンビア人。祖国にいる家族のために、日本で5年前からとび職をしている不法滞在者だ。彼らがテニスをしたり、食事をしたりして次第に親密になっていく様子をカメラがとらえる。夏が過ぎ、冬が過ぎ、彼らの生活とともに周りの景色も変わっていき、その記録は6年間もの間、続けられることになった。 ある年、ウンベルトは不景気で仕事が少ないことに悩み日本人の恋人まやさんと籍を入れたが、不法滞在のペナルティとして1年間コロンビアに帰ることになった。帰国中にコロンビアの大地震の被害を受けながらも、翌年無事日本に帰ってきたウンベルト。再び日本でまやさんと暮らし始めるが、彼の気持ちを変えるある出来事が…。 貧困のため家族の誰かが出稼ぎに出るしかないコロンビアの現状などを交えながら、家族を愛し、家族を求めるウンベルトの姿がありのまま捉えられたドキュメンタリー。

2005年グランプリ受賞

>>上映日時:7/31(月) 14:45
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「光」 監督:濱本敏治
濱本監督の才能がキラッと光る一作

2005年/DV/カラー/14分

実家の父が病気だと兄に知らされ、日帰りで帰省する弟。平穏な日常の変化を淡々と描きながら家族の姿を真摯にとらえる。

2006年入選

>>上映日時:7/31(月) 14:45
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「モル」 監督:タナダユキ
「タカダワタル的」「月とチェリー」の
タナダ監督が手掛けた"生理"劇


2000年/DV/カラー/76分

西原ゆかり、25才。大阪から単身上京、美術モデルをして暮らしている。目指す女優の道は遠いが、それなりに平穏な彼女の日々を、毎月やってくる例のモノが変えた…。ある時から、生理になると発熱し、その上、飛び降り自殺をしようとしている男と、実際の距離に関係なく目が合うようになったのだ。恥ずかしさをこらえて実家の母に電話し、解熱用の座薬を大量に送ってもらうも、出かければ自殺男と目が合い、そのショックから街なかで失神することもしばしば。さらに、生理中に暴力をふるった恋人にキレて逆襲、半殺しの目にあわせて別れたり、それがきっかけでエリート&ハンサム弁護士と付き合い始めるが、可愛い女になれずに別れたりと、生理に踊らされて人生くたくた。そんなものに踊らされず、当初の目的通り、女優に賭けたい。その最後のチャンスと決めて出かけたオーディションの日、また自殺男と目が合った。ゆかりの溜まった鬱憤と怒りが遂に爆発する。 男性のみならず、女性にとっても理不尽な聖域である生理。縦横無尽で問答無用のストーリーのベースにそれを持ってきたのは、確信犯でなく単なるアイデアだとしても、成功の大きな要因だろう。そして監督自身が演じるヒロインの魅力がこの作品の魅力。モチーフからベタつきを排除し、タイトルにまつわるエピソードの切なさも、彼女だからこそ、観客の胸にスッと落ちていく。

2001年グランプリ&ブリリアント賞(日活賞)&観客賞(大分・福岡・仙台)受賞

>>上映日時:7/31(月) 17:00
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「MY beautiful EGO」 監督:清水佐絵
全身でメッセージを表現した超ド級の衝撃作!

1999年/DV/カラー/40分

野原に全裸(帽子と靴は着用)で腰を振りながら「ミ・テ!」。そんな監督からの強烈なメッセージで始まる、半分ドキュメンタリーのような物語。「僕の夢は、早く家と学校から脱走して、うんこをしながらピアノを弾くこと」、そう言って華麗にピアノを弾き始めた坊主頭の中学生男子。演奏が終わったあと、ピアノの上には本当にうんこが…。そんな“本音”と“本当”が詰まったストーリーが次々とインサートカットでつなげられていく。 自分の恥部や本音をカメラの前でさらけ出すことで、相手の、そして観客の建前を引きはがすという、言ってみればショック療法のような撮影テクニックは、ドキュメンタリーの場合、決して珍しくはない。自分自身にカメラを向けるのも、やはり新しくない。だが、この作品には、それらにありがちな露悪の匂いや必要以上の深刻さがない。やりたいから、やっている。そんなシンプルな構図、モチベーションから解放された身軽さがベースに見えるのだ。出演者の話す言葉が“セリフ棒読み的”あるいは“照れて笑っちゃいました的”ではあっても、それが受け入れられるのは、彼らが楽しそうだからだろう。これだけのことをしておきながら、監督・清水佐絵の歩いたあとには草木も生えない、ではなく、彼女が歩いたあとには花が咲くだろうと思わせるパワーが、この作品からは伝わってくる。エネルギッシュな知能犯だ。

2000年審査員特別賞受賞

>>上映日時:7/31(月) 17:00
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「WEEKEND BLUES」 監督:内田健二(現・内田けんじ)
「運命じゃない人」でカンヌ国際映画祭で4冠に輝いた
内田監督の傑作エンタテインメント


2001年/DV/カラー/104分

山本健介、28才、人間のオス。心優しく少し気が弱い、ごく普通のサラリーマンである彼は、高校時代から好きだったフィアンセのさっちゃんを半年前に他の男に取られて以来、生きる意欲もない日々を過ごしていた。自殺にも失敗した健介が親友の健二の部屋に行くと、ネットで知り合ったという恋人のあゆみがいた。美人で料理も上手なあゆみにメロメロの健二は、フリーター生活を改め就職するつもりだという。2人を祝福しつつも落ち込む健介に、健二は偶然手に入れた「自信が出て幸せな気分になれる」というドラッグを渡す。ヤケクソで一気に飲み干した健介は、目覚めると丸1日の記憶を完全になくしていた。失われた記憶を求めるうち、誤解と勘違いと徒労に満ちた彼の冒険が始まる。 「自主製作映画のマニアックなイメージを壊すため、おもしろいかおもしろくないか、わかりやすい映画がつくりたかった」という内田監督の狙い通り、思わず引き込まれる上質のエンタテインメント作品に仕上がっている。「わかりやすい」と言っても単純な内容ではなく、時間を逆戻りさせたり、いいトシした男だからこその哀愁を笑いの中に描いたりと、ドラマとしての見応えを追求した脚本と演出の完成度は高い。映画製作の経験は特にないまま、脚本、監督、編集、役者を兼ねて、これだけのドラマをつくった内田健二のセンスと手際は驚きに値する。失恋経験のあるすべての男達に捧げる、愛と涙の再生物語。

2002年企画賞(TBS賞)&ブリリアント賞(日活賞)&観客賞(仙台)受賞

>>上映日時:7/31(月) 19:40
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「筋肉インフルエンザ」 監督:市川啓嗣/有馬 顕
たった11分に詰められたハイパー・バイオレンス

1997年/16ミリ/カラー/11分

男の職業はフリーの人さらい。組織からオーダーを受けると、その内容に見合った人物を見つけて次々にさらってきて引き渡す。仕事は早くてスマート。誰が何のために、なんて考えない。情け容赦はない、証拠も残さない。報酬はまあまあ、不満はない。路上で、バーで、街角で、男はさっさと仕事をこなしていく。この世の中、やろうと思えば簡単に、いくらでも人はさらえるものなのだ。だが、ある日、急に気が向かなくなった。人さらい休業。しかしこの世の中、抜けようと思えば簡単に、ヤバイ仕事から抜けられるものなのか? おそらく、映画史上で最も短時間に多くの人がさらわれる映画。そうしたストーリーも含め、作品全体に流れるふてぶてしさと軽いノリは、凶暴なシーンは全く出てこないにも関わらず、この作品を「バイオレンス映画」と呼ぶのにふさわしいものにしている。また、主人公にスタイルがあり、痛い目に遭わせても遭ってもそれを貫くという点では「ヒーロー映画」でもある。

1997年NTT DoCoMo賞(撮影・照明賞)受賞

>>上映日時:7/31(月) 19:40
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「自転車とハイヒール」 監督:深川栄洋
劇場公開もされた、「狼少女」の深川監督作

2000年/16ミリ/カラー/60分

家が貧しくて自転車を買ってもらえないことを友達に言えず、嘘に嘘を重ねていた典彦は、大人になっても気が弱く、無遅刻無欠勤だけが取り柄のサラリーマンになった。始発の電車の中でお弁当を食べて出勤し、真っ直ぐ家へ帰るという地味な彼の生活に、ある日、突然の侵入者が現れる。自転車が盗まれ、やっと見つけた典彦のそれを、自分のものだと言い張る男が、小学校の同級生・博之だったのだ。遊び人の雰囲気を漂わせ、半ば強引に典彦を家に招待する博之。彼のアパートには、感情がハイかローの2つしかない女・しのぶがいた。赤いハイヒールをはいて走る姿を博之に見てもらうのが何よりも好きなしのぶ。彼女を持て余しながらも自分なりの愛情をかける博之。2人のちょっと変わった愛の形を目にして、典彦の中に変化が生まれる。彼は新しい自転車を買い、始発で一緒になる女の子に、思いきって声をかけるのだった。 みんなと同じでいたくて嘘をつき、結局は同じになれずに世の中からはみ出していた主人公が、たった1人に愛されたくて“変わった女”になった女性を知り、自分を見つめ直す。そのストーリーを、丁寧に作られた子供時代のシーンと、子供時代と今を繋ぐ心象風景を挟み込みながら、重くなり過ぎず、後味よく完成させた。その力量は、スタンダードなドラマを撮れる作家として、すでに確立されている。

2001年入選

>>上映日時:8/1(火) 12:30
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「ダム・ガール」 監督:児玉和土
特異な切り口で描かれた壮大なストーリー

2005年/DV/カラー/33分

ダム開発によって、父と故郷の村が沈んでしまった娘の孤独と愛を、日本独特のエロスも取り入れながら描いたドラマ。

2006年入選

>>上映日時:8/1(火) 12:30
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「シンク」 監督:村松正浩
「トニー滝谷」のメイキング作「晴れた家」の
村松監督が描いたコミュニケーション


1997年/S-VHS/カラー/85分

冬の午後、クミは冗談半分である実験を遂行する。離れていても特定の人の声が聞こえる超能力らしきもの、を、自分が持っているようなので、仲間を探そうと思いついたのだ。すると本当に、サツキとミノルという2人の男がやってきた。3人の秘密をちょっとしたおまけのように楽しみながらも、そんなことはお構いなしに進んでいく自分の人生と格闘するクミ、サツキ、ミノル。彼らが出会う人々もまた、少々面倒で、それなりに面白い人生を生きていく。その一部が、どこかでシンクロしている事に気付きもせず。そして3人は、深夜の海辺で再び出会い、お互いが大切な友人になっていることと、その関係が終わることに気付く。 3人が離れた場所で会話するシーンが絶妙で、それぞれのキャラクターとともに、空間の距離と時間の同時性が見事に伝わってくる。コミュニケーションを題材にした作品は多いが、ダラダラしつつ客観的で、なお切なさが残る人間関係の描き方に監督の個性が見える。主演の3人も好キャスティング。

1997年グランプリ受賞

>>上映日時:8/1(火) 14:45
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「珈琲とミルク」 監督:熊坂 出
昨年のPFFで3賞を獲得した心温まる傑作

2004年/DV/カラー/30分

アラーキーを目指して、日々写真を撮って歩く小学6年生のミルク(産まれたときに色が白かったから“ミルク”と呼ばれている)。彼は、ラーメンをすする人、動物がムシャムシャ食べる様子、お皿の割れる瞬間、「こんにちは」とあいさつをするおばさんを次々に撮影する。なぜミルクはそんな写真を撮影するのか? それは、カフェで働いている12歳年上の大人の女性、珈琲に密かに想いを寄せ、耳の聞こえない彼女のために“音を写真に撮ろう”と思いついたからだ。 “音の写真集”を完成させたミルクは、ドキドキしながらカフェへ向かう。しかし、気に入ってもらえると思った“音の写真集”は、「音のある世界に住む人の発想だ」と逆に彼女を傷つけてしまった。ミルクは呆然となり、撮影したフィルムを川へ投げ捨てる。今回の計画は最初から失敗だったと悟ったミルク。彼女の怒った意味がわからない友人のフジオは「よくがんばった」と励ますが、ミルクは「トリュフを食べたことないのに、写真を見て味が想像できないだろ」とますます落ち込んでしまう。しかし、その瞬間ミルクの頭にある考えがひらめいた。自分と彼女が気持ちを共有できる方法を…。 少女が語るフランス語のナレーションが物語のキュートさを引き立て、優しい映像が溢れ出す。ラストシーンが心に染みるハートウォーミングなドラマ。

2005年審査員特別賞&企画賞(TBS賞)&クリエイティブ賞(エイベックス・エンタテインメント賞)受賞

>>上映日時:8/1(火) 14:45
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「つづく」 監督:菱沼康介
グランプリを獲得したドキュメンタリーのような家族物語

2001年/DV/カラー/46分

1人暮らしをしながら大学に通う真理枝は、ある日、母の来訪を受ける。その目的は再婚の報告だった。自分や兄に何の相談もなしに決めてしまった母に驚きながらも、幸せそうな様子を見て祝福する真理枝。「新しいお父さんに会いに来てほしい」という母の言葉を受け入れるが、兄の広人は重い腰を上げようとしない。母に頼まれて真理枝が説得に行くと、兄は恋人と暮らしていた。やさしくてしっかり者のその女性の力も借りて何とか兄と約束を取り付けたものの、自分の知らない間に母と兄に愛し合う相手ができ、新しい家庭をつくりつつあることに、真理枝は取り残された寂しさを憶える。日曜日、兄妹は母と新しい父が暮らす家を訪ねるが、なじみのない“実家”で過ごす時間はぎこちにない。そんな中、母と散歩に出かけ、一緒に料理をし、再婚相手の働く姿を見るうち、真理枝のわだかまりは少しずつ溶けていく。 ことさら大きな表情や声もなく、感情を吐露するセリフもなく、奇抜な演出もない。役者の演技も決して達者ではない。しかし、淡々とした日常的な動作が、登場人物の細やかな感情のひだを豊かに説明する。その理由は、静かな画面の根底に、作者の描きたい空気のイメージがしっかりと保持されているからだろう。真理枝がわだかまりを乗り越えるきっかけにもう一歩踏み込みが欲しいが、ぎこちない時間を寝てやり過ごす兄の立ち居振舞いがリアルでおかしい。

2002年グランプリ&観客賞(名古屋)受賞

>>上映日時:8/1(火) 17:00
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「盲(めしい)の夢」 監督:平田啓介
人は音に対して、無力なのです。

2005年/DV/カラー/65分

単調な生活を繰り返す若者が突然、車椅子生活を余儀なくされる。そんな彼を優しく癒す1人の盲目の青年との小旅行。

2006年入選

>>上映日時:8/1(火) 17:00
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「突撃!博多愚連隊」 監督:石井聰亙
これぞ70年代の自主製作映画の代表作だ!

1978年/8ミリ/カラー/75分

日活でリメイクした「高校パニック」の完成後、中断していた撮影を再開。「高校大パニック」では出しきれなかった持ち前のバイタリティをいかんなく発揮したバイオレンス・アクション。90分全篇、息もつかせずつっ走る凄まじい熱気の固まりで、まさに“パワフル”の一言!

1978年入選

>>上映日時:8/1(火) 19:40
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「青〜chong〜」 監督:李 相日
最新作「フラガール」の公開を控える李監督の原点

1999年/16ミリ/カラー/54分

在日朝鮮人学校に通う在日3世のヤン・テソン。ケンカをしたり女の子にちょっとエッチな気持ちを抱いたり、ごく普通の高校生活を送っている。1つ違うのは、朝鮮人として誇り高く生きるよう学校でも家庭でも教育を受けていること。しかし、姉が「結婚したい」と連れて来たのは日本人で、美しく成長した幼ななじみも日本人と付きあっているらしく、おもしろくない。子供の頃から打ち込んできた野球も、高校野球連盟に朝鮮人学校の加盟を認められるが、練習試合で日本人学校に大敗。テソンは自分の無力さを感じて野球部をやめて失意の日々を送る。そんなある日、日本人と付きあっているという理由で、幼ななじみがいじめを受け…。 在日3世の日常という硬くなりがちなテーマを、簡潔にして練りこまれたストーリーと、省略をうまく使ったカット割、センスあふれる構図で、テンポのいい新鮮なエンタテインメント作品に仕上げた。朝鮮人の蔑称である“チョン”と、朝鮮語で“青”を表す“チョン”、そして日本語で“若さ”を意味する“青”。恋や挫折といった当たり前の青春の悩みが、在日朝鮮人というアイデンティティの問いかけと重なる登場人物達の状況を、タイトルは見事に伝える。また、映像はそのタイトルを裏切るように、学生シャツ、学校の屋上、月、紙製のロケット台など、白を効果的に映していく。その白が、彼らの潔癖さと可能性を感じさせて、まぶしい。

2000年グランプリ&企画賞(TBS賞)&エンターテイメント賞(レントラックジャパン賞)&音楽賞(TOKYO FM賞)受賞

>>上映日時:8/1(火) 19:40
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「黒森歌舞伎〜僕が君に残したいもの〜」 監督:木村陽亮
伝統芸能とともに生きる人々

2005年/DV/カラー/85分

山形県・酒田市で江戸時代から脈々と継承される伝統歌舞伎に取り組む者たちの複雑な人生を巧みに描いたドラマ。

2006年入選

>>上映日時:8/2(水) 12:30
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「hanafusa」 監督:甲斐博和
審査員・緒方 明氏が号泣した人間ドラマ

2005年/DV/カラー/33分

男が久しぶりに同棲先のアパートに戻ると、女は別の男との引っ越しの最中だった。舞台劇の手法を用いて見せる人間模様。

2006年審査員特別賞受賞

>>上映日時:8/2(水) 12:30
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「ファララ」 監督:塩田明彦
「黄泉がえり」「カナリア」の塩田監督の秀作

1983年/8ミリ/カラー/65分

夏の終わり。男1人女2人の三角関係の行方を、しゃれたセリフと映像で描き出す。

1984年入選

>>上映日時:8/2(水) 14:45
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「ニューヘアー」 監督:川原康臣
審査員特別賞を受賞した「おわりはおわり」に続き、
2年連続入選した川原監督の人間ドラマ


2005年/DV/カラー/43分

入院中の元仕事仲間の奇妙な「遺書」に従いながらドライブを続ける男女。音楽を映像がスタイリッシュに交差する。

2006年入選

>>上映日時:8/2(水) 14:45
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「NEG.WONDERLAND(ネガ・ワンダーランド)」 監督:上田大樹
2003年にグランプリを受賞した不思議世界

2002年/DV/カラー/60分

数年間、植物人間状態で眠り続けていたキリコ。奇跡的に目覚めると、父と母と愛犬はすでに亡く、失踪したまま音信不通だった姉のマリエが戻っていた。両親達の死を受け入れられず、何事もなかったように平然としている姉も受け入れられないキリコは、将来のことも現在のこともうまく考えられずに、イライラを募らせる。そんな気持ちを落ち着かせてくれるのは、生まれ育った家だけだった。しかしマリエはある事情から、キリコに黙って家を売る契約を済ませていた。立ち退きの日は迫り、引っ越しの準備を進めるマリエと抵抗するキリコ。混乱する2人の家に、マリエの元カレらしいゴトウが訪ねて来て居ついてしまう。さらにそこへ、家出女子高生のサチもやって来て…。 姉妹が住む家そのものが主人公とも言える作品だが、家の中、外観はもちろん、あらゆる“場”の撮り方がうまい。田んぼの横を通る道路、青々とした草が生い茂る原っぱ、水がまかれる庭など、その季節のその場所の匂いや温度や湿度が映像から感じられる。ワケあり風ではあるが、核としたものが見当たらない登場人物達の心理も、おとぎ話めいた不思議なラストシーンも、なんとなく納得できるのは、それら“場”の雄弁さが大いに役立っているはず。仲が悪いようで、根っこではずっと手をつないでいるような、キリコとマリエ、マリエとゴトウ、サチと父の関係は、不思議なハッピー感を醸し出している。

2003年グランプリ&コミュニティ賞(BROBA賞)&観客賞(仙台・大阪)受賞

>>上映日時:8/2(水) 17:00
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「胸騒ぎを鎮めろ」 監督:楫野 裕
急展開の驚きを隠せない!

2005年/DV/カラー/48分

真夜中のパーティーで出逢った彼女とのデートを楽しむ青年が運命のいたずらに翻弄される。風変わりなラブサスペンス。

2006年入選

>>上映日時:8/2(水) 17:00
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「星ノくん・夢ノくん」 監督:荻上直子
「バーバー吉野」「かもめ食堂」と、ヒット作を放つ
荻上監督のハートウォーミングストーリー


2000年/DV/カラー/68分

修学旅行で地球にやって来た星ノくんと夢ノくんは、帰りの汽車に乗り遅れ、2人だけ取り残されてしまう。時間を潰すお金もなし、噛んでいないと死んでしまう酸素2倍ガムも残りわずか。愚痴っぽくてすぐに怒る夢ノくんは、気弱で少々ピントはずれな星ノくんを「こうなったのはすべて君のせいだ」と責めるが、自分1人では何もできず、星ノくんはいざという時に頼りになるので、「だから君が責任取れよ」的な言い方で一緒にいた。案の定、星ノくんが修学旅行のしおりから、列車に乗り遅れた場合は指定の場所で故郷の星と交感して帰る方法を知るべし、という項目を探し出す。その公園の場所を聞こうと、1人の若い女性に声をかけるが、恋人にふられたばかりのその女は、支離滅裂にわがままだった。「道を教える代わりに元カレを殴って!」普通じゃない3人の、当初の予定より少し長い旅が、ここから始まった。 自分の“普通”が他の人と違っても、一向に気にせず、人と合わせることもしない。わがままと取られがちだが、それは自分に誠実なだけ。「うんこがしたい時に、はっきりそう言える女の子と友達になりたいし、そんな子が描きたかった」という監督の言葉がうなずける、魅力的な自己チュー3人組の物語。日常のエピソードもテンポよく楽しく観られるが、星との交感や迎えの汽車など宇宙を表すシーンのアイデアに、卓越した監督のセンスが光る。

2001年音楽賞(TOKYO FM賞)&観客賞(神戸)受賞

>>上映日時:8/2(水) 19:40
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「まばたき」 監督:湯浅弘章
その技術力に圧巻される本年度審査員特別賞受賞作

2005年/DV/カラー/49分

病院を抜け出し、「別れた妻」の元へ向かう老人や、母親の出産を目前に控えた少女らが1台のバスに乗り合わせる。

2006年審査員特別賞受賞

>>上映日時:8/2(水) 19:40
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「美女缶」 監督:筧 昌也
妻夫木 聡主演でリメイクもされたファンタジー

2002年/DV/カラー/61分

大学生の大町健太郎は、何でもしてくれる恋人・マリとの同棲生活に飽き始めていた。タイミングよくマリが仕事の都合で引っ越しを余儀なくされ、健太郎は1人暮らしを始める。ある日、健太郎は隣りの部屋からきれいな外国人女性が出てくるのを目撃する。驚いたことにその美女は、ブサイクな隣人にぞっこんの様子。さらに健太郎は翌日、翌々日と、もっと驚く経験をする。まるでフィーバーのパチンコ台のように、ブサイク男の部屋からとびきりの美女が次々と出てくるのだ。不審に思った健太郎は隣室に侵入し、「美女缶」なる缶詰を見つける。1つ持って帰った健太郎は、自室で美女・美知川ユキを誕生させる。ユキは缶詰製美女特有の刷り込みで健太郎に好意を寄せ、彼もまた本気になる。だが美女缶には品質保持期限があり…。 生まれてから今日までの記憶を持ち、自分を普通の人間だと信じているアンドロイド美女との恋といえば、退廃的な近未来を舞台にした名作「ブレードランナー」が思い出される。しかしこちらも、美女缶のパッケージや取扱説明ビデオなどに徹底的な仕込みが施され、ディテールの細かさは天下一品。そのため、六畳間、納豆カレー、縁日の金魚すくいなど、ごくごく日常的な風景の中で、物語は独自のSF色を帯びてくる。そして新しい恋人とのきらめく日々、元カノへのつれない態度など、男心のわがままな本音は、意外なラストをさらに効果的に盛り上げる。

2003年企画賞(TBS賞)&観客賞(大分・福岡)受賞

>>上映日時:8/3(木) 12:30
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「.doc」 監督:西野方子
"出会い系"を題材にした現代的人間ドラマ

2005年/DV/カラー/40分

彼氏と同居しながら出会い系サイトでバイトを始める女性。サイトにハマる若者像を通じて今日的社会テーマを鋭く描く。

2006年入選

>>上映日時:8/3(木) 12:30
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「single」 監督:中江和仁
渋谷東急の観客たちが選んだ本年度観客賞受賞作

2005年/DV/カラー/62分

学生時代に付き合っていた彼女との間に出来た中学3年生の息子と初めて同居生活をすることになった中年男の物語。

2006年観客賞(東京)受賞

>>上映日時:8/3(木) 14:45
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「ダイバーのリズム」 監督:野沢拓臣
セリフを極力排し描かれる"青い感情"

2005年/DV/カラー/26分

台風が接近する海沿いの夜のプール。水泳部員の少年とマネージャーの少女の会話を軸に、海風と波の音に彩られた世界。

2006年入選

>>上映日時:8/3(木) 14:45
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「寮内厳粛」 監督:佐藤信介
「修羅雪姫」「LOVE SONG」の佐藤監督の原点

1994年/16ミリ/白黒/18分

冬季講習前の、ある予備校の学生寮。石黒は、同室で寮の牢主のような存在の篠原から、1つの噂を聞かされる。最近、隣室の橘の成績が急上昇しているのは、薬を使っているかららしい、というのだ。半信半疑の石黒に篠原は、橘の部屋に忍び込んで真偽を確かめようと誘う。そして2人は、彼の机の上に薬のビンを見つける。 ただ1つの目的のために費やす時間は、長いか、短いか。「過ぎてしまった時間の重みから逃げ出すには、自分自身が軽くなること」とばかりに飄々と生きる篠原をはじめ、プレッシャーに飽きた浪人生達の、長くて短いいつもの1日を、名随筆に通じる軽くて枯れたタッチで切り取る。

1994年グランプリ受賞

>>上映日時:8/3(木) 14:45
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「鬼畜大宴会」 監督:熊切和嘉
「青春☆金属バット」の公開を控える
熊切監督の過激なバイオレンス


1997年/16ミリ/カラー/112分

学生運動全盛の頃。1つの左翼グループが、薄汚れたアジトに集まっていた。メンバーは、カリスマ・相澤の信奉者たち。相澤は獄中におり、出所までの組織の実権は、彼の恋人・マサミが握っていた。だがそのやり方に信念や展望はなく、アジトの雰囲気は徐々にすさみ始めていた。そして出所間近のある日、相澤が独房で割腹自殺を遂げ、指導者を失った組織は混乱に陥る。そんな時に起きた仲間割れの制裁が、彼らを逆戻りできない狂気と暴力の世界へ暴走させていく。 徹底した70年代の時代考証は見事という他なく、この作品が97年に撮られたこと、監督が74年生まれであることを考えると、執念といっていいほどの迫力を持つ。そこまで監督が70年代にこだわったのは、集団による狂気を描く素材として、学生運動が最適と判断したためだろう。また、和太鼓や尺八の音楽、着物に白塗りなど、日本的な題材の数々が多用されるのも、70年代の日本映画を彷彿とさせる。

1997年準グランプリ受賞

>>上映日時:8/3(木) 17:00
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「新ここからの景」 監督:岩田ユキ
榮倉奈々主演「檸檬のころ」の監督に抜擢された
岩田監督のキャンパスストーリー


2003年/DV/カラー/15分

歩は、学校の屋上からの眺めが好きな中学生。彼女はある日張り出された学級新聞で、自分が嫌われ者部門第3位になったことを知る。かわいい子部門第1位に選ばれた女の子は、謙遜しながらもうれしさが顔に溢れている。どこか冷めた物の見方をしている歩だが、やはり気にしないと言えばウソになる。イヤな気分になって保健室に逃げる歩。そこへ嫌われ部門1位だった姿子が、歩を探しにやってきた。2人は何気なく屋上へ行く。そこからは、クラスの人間模様が手にとるように窺えた。2人は、それぞれいろんな想いを抱きつつ、屋上の上で1時間だけ同じ空気を味わうのだった…。デフォルメ化された漫画的キャラクターや出来事をドラマに昇華した短編作品。

2004年審査員特別賞受賞

>>上映日時:8/3(木) 17:00
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「MIDNIGHT PIGSKIN WOLF」 監督:内藤隆嗣
本年度企画賞を獲得した風変わりなハードボイルド

2005年/DV/カラー/51分

里親に虐げられ続ける無骨な男が、川で釣ったジャケットを身にまとい大都会へ向かう。珍妙なハードボイルドロマン。

2006年企画賞(TBS賞)受賞

>>上映日時:8/3(木) 19:40
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「走るぜ」 監督:古厩智之
「灼熱のドッジボール」直後に製作した
古厩監督の大学卒業製作作品


1993年/16ミリ/カラー/29分

好きな子のカバンが不良に盗まれた!カバンを取り戻すべく走っていく彼女につられ、周囲の人間たちも走り出す!そして、辿り着いたのは…。

>>上映日時:8/3(木) 19:40
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「灼熱のドッジボール」 監督:古厩智之
今なおファンが語り継ぐ
古厩監督の1992年グランプリ作


1992年/16ミリ/カラー/15分

暑い夏のある日。1人の女子高生が転校していく。校門の前で仲間たちに別れを告げていたその時、駅から発車のベルが聞こえてきた。次の列車まであと40分…。かくして河川敷で最後のドッジボールが始まった。みんなの頭の上を音を立てて黄色いボールが飛んでいく。彼女を好きだった男子生徒2人の視線がからみあう。その1人が彼女に声をかける。 「おまえ靴ずれしたんだろ」 すると彼女は裸足になってその男の子に抱きついた。やがて駅から聞こえてくる発車のベル。 「バイバーイ!」 複雑な気持ちのみんなに大きく手を振って彼女は駅へと向かう…。 誰にでもある10代の甘酸っぱい思い出。決して目新しくはないこのテーマをドッジボールのゲーム上でストレートに表現していく。カットのつなぎやカメラワークも実にユニーク。放課後ならではののんびりとした時間の流れと発車の時刻が迫る緊迫感が渾然一体となって、別れのドラマに起伏をもたらしている。

1992年グランプリ&最優秀女優賞&観客賞受賞

>>上映日時:8/3(木) 19:40
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「Catchball With ニコル」 監督:浅野晋康
2004年「新しい予感」に続き入選した浅野監督の快作

2005年/DV/カラー/60分

兄妹の2人暮らしのアパートに突然現れる妹のカナダ留学時代の友人。異文化コミュニケーションを軽妙に見せた快作。

2006年入選

>>上映日時:8/4(金) 11:30
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「5月2日、茶をつくる」 監督:小嶋宏一
茶づくりの様子を垣間見れる1999年グランプリ受賞作

1998年/DV/カラー/25分

祐作は、全寮制の専門学校生。進路を決める時期になり、真剣に打ち込んできたバスケで推薦入社が受けられる可能性も出てきているが、茶畑を営む両親が自分に跡を継いで欲しいと思っているのは痛いほど知っている。そのため、休日には茶づくり名人のもとで修業を積んでいるが、はっきりとした決心はつかないままだ。八十八夜である5月2日、祐作は名人と2人、茶をつくっている。しかし、将来に対する不安や焦り、苛立ちから、昼休みに後輩を殴ってしまう。自己嫌悪に陥り、午後の作業に気もそぞろな祐作だったが、名人と息を合わせて茶づくりをするうち、次第に気持ちが浄化され、波立っていた心がおだやかになっていくのがわかるのだった。そして、つくりたてのお茶は、彼の身体と心の両方に、さわやかにしみ渡っていった。 「めったに撮影できない」という茶づくりの作業風景は、記録として珍しいだけでなく、見ているだけで一緒に作業をしている感覚になるようなリズム感があり、つい引き込まれる。「黙々と働く人のかっこよさを撮りたかった」という監督の意図を充分に反映されているといっていいだろう。シンプルなストーリーだが、茶摘みや茶づくりの様子、作業室などの風景を大切に撮ったことで、この作品ならではの清々しい空気が生まれた。特に、身体を1つのことに集中させ続けると訪れる、頭の中がからっぽになる“昇華の瞬間”を、主人公が目をやる窓の外の風景に重ね合わせたシーンで、テーマと題材が1つに融合している。

1999年グランプリ受賞

>>上映日時:8/4(金) 11:30
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「バードウォッチング」 監督:矢口史靖
めったに観ることができない矢口史靖監督の傑作

1996年/16ミリ/カラー/15分

川原にピクニックにやって来た3人の女の子。ふたりが買い出しに出かけたスキに、双眼鏡を首から下げたバードウォッチングをしているっぽ男が近づいてきて…。

>>上映日時:8/4(金) 11:30
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「グラウンド・ゼロ」 監督:大泉彰彦
本年度音楽賞を受賞したバイオレンス

2005年/DV/カラー/70分

自殺サイトで知り合った2人の若者が毒ガスを極秘に入手し、「パターンから外れたヤツら」を始末しようと模索する。

2006年音楽賞(TOKYO FM賞)受賞

>>上映日時:8/4(金) 13:30
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「さよなら さようなら」 監督:廣末哲万
第16回PFFスカラシップ権を獲得した廣末監督の問題作

2003年/DV/カラー/37分

3年前に集団自殺でただ1人生き残った"ヨハネ"。彼はインターネットの掲示板上に、「僕と一緒に死にませんか?」という書き込みをする。そして本当に死ねるという証拠を見せるため、場所を告知し、雑踏の中で手首を切ってみせるのだった。それをきっかけに"ヨハネ"のもとへ自殺志願者からのメールが次々に届く。しかし、"ヨハネ"の目的は彼らと一緒に死ぬことではなく、死ぬ瞬間に「生きたい!」と渇望する人間に優越感を感じることだった。被害者意識で自殺する人。死ぬギリギリのところまで辿り着きたいと願う人。死のうとする人を見て性的興奮を覚える人。"死"すら快楽や娯楽として扱いもて遊ぶ、自殺マニアという現代の病理に痛烈な疑問を投げる。

2004年準グランプリ受賞

>>上映日時:8/4(金) 13:30
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「ある朝スウプは」 監督:高橋 泉
自主製作として初めて
日本映画監督協会新人賞を獲得した傑作


2003年/Digital8/カラー/90分

パニック障害で精神科に通う男・北川。そばには彼に献身的に付き添う同棲相手・志津の姿があった。一緒に暮らすふたりは朝日差す中、穏やかに喋りながら朝食をとる。しかし、そんな日々も少しずつ崩れ始めていく。病気で仕事を辞めていた北川だが、社会復帰していこうと、ある仕事のセミナーに通い始めたのだ。初めはそれを喜んでいた志津だが、北川の言動からそのセミナーが新興宗教であることを知る。宗教ではないと言い張る北川。しかし、のめり込み方が次第にひどくなり…。新興宗教の深みにはまる男と、なんとしても食い止めようとする彼女。恋人同士とは言え、相手の心の中まで入ることができない人間の無力さを、熱演で表現している。

2004年グランプリ&技術賞(IMAGICA賞)&観客賞(大分)受賞

>>上映日時:8/4(金) 16:00
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「隼」 監督:市井昌秀
審査員・やまだないと氏が「恋しちゃった」と絶賛した
本年度準グランプリ受賞作品


2005年/DV/カラー/73分

エアコンのない古びた一軒家で慎ましく生活する貧しい夫婦。貧乏の極限にまで達した2人はやがて反目してしまう。

2006年準グランプリ&技術賞(IMAGICA)受賞

>>上映日時:8/4(金) 19:00
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「はっこう」 監督:熊谷まどか
審査員・伊勢谷友介氏、絶賛!
2年連続入賞した熊谷監督のグランプリ受賞作


2005年/DV/カラー/28分

一向に言葉を発しない幼児を抱え、いらだちが募る専業主婦の日常。不安が狂気に変わる姿をラテンのリズムで活写する。

2006年グランプリ受賞

>>上映日時:8/4(金) 19:00
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「錆びた缶空」 監督:松井良彦
松井良彦×石井聰亙が贈るパワフルな一作

1979年/8ミリ/カラー/59分

ホモのカップルと、相手のいないホモ男の3人が絡み合ったり、並行したりしながら描かれていく。おかしくて、切なくて、一見普通の小太りなおっさんタイプの男からこうしたイメージを引き出してくる演出と、役者の1つになったパワーを感じさせる。一方、その間カップルはバスルームでホモの阿部定事件を繰り広げる。このあたりの凄惨な描写もなかなかのもの。

1979年入選

>>上映日時:8/4(金) 21:00
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「五月雨厨房」 監督:中村義洋
「クイール」「刑務所の中」「仄暗い水の底から」の脚本から
「ほんとにあった!呪いのビデオ」シリーズの監督など
幅広く活躍する中村監督の93年優秀賞受賞作


1993年/8ミリ/カラー/17分

開店を明日に控えた小さな中華料理店。見習いコックのリーさんが料理を作り、若い店員・兼松は手書きでメニューを書いている。着々と準備が進んでいるように見えたその時、店長が倒れた。病院に付き添って行った先輩店員からの電話を待ちながら、切れた蛍光灯の下で、兼松はメニューを黙々と書き続ける。そんな時鳴った電話は「店長は今夜がヤマ」と伝えるものだった。そして夜が明け…。 ほんの一夜、ほとんど厨房の中だけというミニマムな時間と空間の中で、登場人物それぞれのキャラクター、そしてお互いの間にある穏やかなつながりをも感じさせる脚本と演出の力量は高い。ワンシーンワンシーンの絵の力強さにも注目してほしい。

1993年優秀作品賞受賞

>>上映日時:8/4(金) 21:00
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「悲しいだけ」 監督:豊島圭介
「怪談 新耳袋 ノブヒロさん」が公開中の
豊島監督作の原点


1994年/8ミリ/カラー/17分

いつも苛立ち、スリルのためだけのスリや強盗を強要する女。抵抗しながらも、限りない寛容で共犯を続ける男。相手を繋ぎ止めておくために必死なのは、男か女か。果てしなく膨らみ続けるように見えた苛立ちと寛容の間に入ったのは女の兄。しかし、両親の墓前で女に謝罪させる彼もまた、自分の愛を繋ぎ止めるために、ウソという罪を犯すのだった。 説明的なセリフはほとんどない。余白の多い映画ながら、登場人物それぞれの気持ち、境遇を伝えて余りある。構成、脚本や演技力という映画の基礎力の確かさが、新しい三角関係の誕生をクールに、そしてリアルに描き出すことを成功させている。

1994年入選

>>上映日時:8/4(金) 21:00
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「Pellet」 監督:小林和史
海外でも絶賛された2001年準グランプリ作

2000年/DV/カラー/17分

1人のバレリーナのモノローグで語られる物語。留学から久々に帰国した“私”は、恋人の家を訪ねて愕然とする。宮大工である彼は若いが頑固で、めったに人に心を開くタイプではない。それが、自分の留学中に飼い始めたという1羽のメスのフクロウとは、これまでに見たことがないほど深く心を通わせているのだ。「ばかげていると思われるでしょうが」と自覚しつつ、“私”はその関係に嫉妬を感じ、それは間もなく確信に変わる。フクロウもまた、自身を彼の伴侶だと自覚しているらしく、その態度には愛されている者特有の余裕さえあった。両者の間に分け入ることが無理だと知った“私”は、あることを思いつき、彼を殺す。フクロウは小鳥やねずみを丸ごと食べると、その後消化しきれなかった骨や羽を体内で固め、PELLET(ペリット)と呼ばれる小さな物体にして吐き出す。その特性を利用して、彼と1つになる究極の愛を夢見たのだ。 人間と動物という突拍子もない、と言うよりも、だからこそ揺るぎない完壁な恋愛関係。それがこの作品の説得力の核になるわけだが、観れば誰もが納得するはず。ほんの1シーンで、彼とフクロウの関係が放つエロチシズムに圧倒される。ペリットの説明シーンでは死がクローズアップされるが、それさえ淡々と見せてしまう清潔感あふれる映像と抑えた語りが、そのエロスを際立たせる。監督が14年飼っているというフクロウが生み出した半ドキュメント。

2001年準グランプリ&技術賞(IMAGICA賞)受賞

>>上映日時:8/4(金) 21:00
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