

A
PROGRAM9/20(日)18:45~ OZUホール 9/23(水・祝)12:00~ 小ホール
監督:一色咲良
24歳/東京造形大学 造形学部/82分
荒れ果てた社会、でもただ前を向いて走っていく。
東京で一人暮らしをする美大生・幸子は、油絵を学びながらアルバイトで生活費と制作費を稼ぐ慌ただしい日々を送る。同じアパートに住む松本と現状を愚痴る時間は、そんな日常をかろうじて支えていた。だがある日、松本が事件を起こし逮捕される。
夢や希望を持たない人達に青春はないのだろうか? そんな問いに真摯に向き合う監督の眼差しが迫る。
監督:クワ
29歳/東京藝術大学大学院 映像研究科アニメーション専攻/12分
少年は、かつて父親にもらったナイフを手に取った。
ゲームが大好きな気弱な少年は、ある日ゲームセンターで金を奪われる。彼は父親にもらったアーミーナイフを手に取り、自分も「奪われる側」から「奪う側」になろうと決意する。その後の行動は、彼を「大人」にしたのだろうか。
手描きアナログ技法とVR技術を融合した一人称視点で、主人公の内面的な成長の過程を活写する。
B
PROGRAM9/22(火・祝)11:30~ OZUホール9/24(木)13:30~ 小ホール
監督:小池勇瀬
22歳/東京都立大学 人文学科/41分
無愛想な2人の感情豊かな距離感の物語。
子どもの頃に父親を事故で亡くし、母親と2人で暮らす大学生・サクは、事故現場となったトンネルに近付けないでいる。ある日、サクは、サイクルウェアの男が何かを追いかけるのを見かける。その後、母親がタイヤのパンクで困っていたサクと同い年の女性・ユキを家に連れてくる。当初からサクは、ユキの自転車が窃盗したものではないかと怪しむのだが。
監督:清家 天
26歳/フリーランス/33分
素直になれない男たちと美味しくないレモネード
実家暮らしの小島がある日、家に帰ると、持病持ちの母親がベッドの上で固まって動いていないことに気付く。小島は隣の家に住んでいる医学部を目指して8浪中の横田に診断を依頼するが、横田が母親の脈を測ると既にこと切れていた。医者を待つ間、横田の気を遣った言葉によって、ぎこちない2人の会話は思わぬ方向に進む。
監督:若林みちる
25歳/武蔵野美術大学大学院 映像・写真コース/15分
現代社会に残る、戦死者の記憶を巡る夜
およそ10万人が亡くなった1945年3月10日の東京大空襲。このひと晩に一体何が起こっていたのか。当時の体験者の証言や手記による「言葉」を、現在の風景に重ね合わせて、街に残る、忘れられた「景色」や「記憶」を浮かび上がらせていく。
空襲を体験した母と子の悲しみの記憶を、忘れてはならない歴史の言葉として鮮烈に紡いだ意欲作。
C
PROGRAM9/20(日)11:30~ OZUホール9/23(水・祝)18:00~ 小ホール
監督:福島大我
27歳/会社員/54分
人生の不確実さを愛するために夜の街に出た
派遣アルバイトで交通量調査をしている咲は、同じバイトの美咲と、信号を挟んで電話をしていた。アルバイトを終えて家に帰ると、派遣会社からの電話でクビを言い渡される。必死の謝罪で解雇を免れた咲が、呆然と時間を過ごしていると、恋人の成が帰ってきた。漫然とした時を過ごす2人だが、深夜に咲はひとり外に出て行くのだった。
監督:三宅美和子
25歳/早稲田大学 文化構想学部/27分
小さな心の揺れをそっと見つめる一夜の物語。
両親の離婚を機に、母親との新しい生活を始める5歳のハナは、夜間保育園に通うことになる。慣れない環境に戸惑うハナだが、母親も娘を預ける苦悩を抱いている。就寝時間となり、孤独で不安な夜を迎えたハナの心は、静けさのなかでそっと揺れる。
監督自身の幼少期の記憶から紡いだ、忘れてはならない、小さな眼差しの記録。
監督:澁谷桂一
34歳/フリーター/11分
杉並区はパリに似ている...?
幼少期に“嘘つきのでたらめ屋”と呼ばれていた、パリ市杉並区在住のクララは、暇に任せて探偵業を始めた。全然事件が起きないことに業を煮やしたクララは、公園で拾った毛糸パペット・ロマンを従えて、事件を見つけに出かける。
パリを舞台にした映画を日本でつくれないものか、そんな冗談から生まれた軽やかなジャパニーズ・フレンチムービー。
D
PROGRAM9/18(金)18:30~ OZUホール9/23(水・祝)15:00~ 小ホール
監督:松林美和
22歳/大阪芸術大学 映像学科アートアニメーションコース/28分
数千年後の地球、2人の少年は忘れられた過去に触れる。
「前文明」の存在を信じていないコラッタは、前文明の証拠と言われている水棲生物を研究するイータと出会う。2人は、失われた文明の痕跡を求めて閉ざされた水中への扉を開ける。そこで彼らが目の当たりにする真実とは。
独特なノスタルジックな雰囲気と重厚でシリアスなテーマが共存する、観る人により印象が変わるアニメーション。
監督:薛 大勇
25歳/東京藝術大学 先端芸術表現科/11分
挫折と嫉妬と因果と時間を巡る悪魔の所業
オーケストラによる演奏会の夜、著名な指揮者・柯先生のもとにかつての教え子たちが集う。現在では音楽を諦めた大勇も遅れて駆けつけるが、荘厳な音楽が響くなか、自身の音楽人生を嘆くばかり。演奏会後に久しぶりの再会に旧交を温めるが、柯先生は突然、「悪魔」と叫んで倒れ、命を落としてしまう。混乱する会場で、大勇は或る異変に気付くのだが。
監督:芝田日菜
25歳/東京藝術大学大学院 先端芸術表現科/57分
キョンの骨を磨く一組の男女の物語
パートナーのわたげと団地で暮らす女性・松は、日々どこか落ち着かず、理由のわからない苛立ちを抱えて、小さな出来事にも過敏に反応してしまう。そんなある日、食器棚の上の段ボールの中に、人間が叫ぶような声で鳴くと言われる特定外来種・キョンの骨を見つける。日常生活にキョンの骨が入り込むことで、松の心には小さな変化が訪れる。
E
PROGRAM9/19(土)18:45~ OZUホール9/24(木)16:30~ 小ホール
監督:溝手 連
22歳/日本大学 芸術学部/63分
「嘘」を重ねることで、近付ける「本心」がある。
モデルの紗穂は、以前の恋人でカメラマンの幸人に宣材写真の撮影を依頼し、2人が恋仲であったことを知らない紗穂の今の恋人・光、そして幸人の今の恋人・ちひろの4人で、海岸への撮影旅行に出かける。撮影後の打ち上げパーティで、それぞれの本心が明らかになるなか、少しずつ歯車は狂い、事態は不穏な方向へと進んでいく。
監督:屋鋪柚人
23歳/武蔵野美術大学 映像学科/12分
静謐なモノクロ画面が寄り添う残ったモノたちの生活
雪原をさまよい歩き、自分を息子と勘違いする老女の家に辿り着いた男は、そこで老女との生活を始める。冬の終わり、男は寝たきりとなった老女に「自分は息子ではない」と打ち明けるが、彼女はすべてを知っていると伝え、かつてこの地を去った息子の話を始める。
生活の痕跡が呼び起こす記憶と時間の物語。
監督:脇 沙里亜
28歳/すいどーばた美術学院 彫刻科/22分
「たこつぼ」を決して満たせないブルーな人々
恋人の家で同棲生活を送る梓は、今の暮らしにうんざりしている。別れ話を持ちかけると、家主である彼氏が出て行くことに。広い家にひとり残された梓は、寂しさからすぐに新しい男を連れ込み、再び同棲生活が始まるが、程なくして、彼を残してポーランドに旅立つ。そんな折、残された男性の元に、新たな訪問者がやって来る。
F
PROGRAM9/22(火・祝)14:30~ OZUホール9/25(金)16:00~ 小ホール
監督:初見弘貴
34歳/会社員/29分
中途失明した父親と自分を映画にしたい。
43歳の時に失明した初見和生。2人暮らしの妻は引き籠りのような生活を送る夫に呆れ、実家に帰ることを繰り返し、その度に、和夫は既に家を出ている次男・弘貴に助けを求める。嫌気がさしつつも放っておけない弘貴は、仕方なく父親に会いに行くのだが、ある日、晴眼者の頃の父が撮影した古いビデオテープを見つける。実際の親子で撮影した、ある1日の物語。
監督:早川永納
25歳/ENBUゼミナール 映画監督コース/14分
止まっていた時間は、こうして軽やかに動き出す。
高校時代は演劇部に打ち込むも、卒業後には演劇から距離を取っている松井のもとに、当時の友だちであり部活仲間であった時田から、大学の卒業公演への誘いの連絡がくる。卒業後の4年間、疎遠であった2人が再会し、まるで当時と変わらない会話を始める時、そこには決して変わることのない感情のきらめきがあった。
監督:市川雄大
24歳/フリーター/53分
浅はかな男による”遺跡探し”と”財宝探し”と”自分探し”。
ジョージは、大学の夏休みに、親友を誘い遺跡発掘調査のバイトに申し込む。同棲中の彼女がいるのに、現地で喫茶店を営む女性と仲を深めたり、アルバイト先の仲間と遊んだり、上司の旧日本軍の財宝探しを手伝ったりと愉快な日々を過ごす。そんなジョージにはアメリカでコメディアンになりたいという、秘かな夢があった。
G
PROGRAM9/18(金)16:30~ 小ホール9/26(土)11:30~ OZUホール
監督:チョン・ワニ
23歳/弘益大学 フィルム&アニメーション/14分
そして私とおばあちゃんの映画づくりは続いて行く。
主人公・ワニは、韓国語の辞書を開き、「切なさ」と「後悔」という二つの単語を無作為に選んだことから、祖母を主役にした「切ない後悔」の映画をつくろうと決意する。しかし、「人生に切ない後悔はない」と語る祖母の言葉で、映画制作は中止となるが、ワニの中で、なぜこの映画をつくろうとしたのかと言う自問自答が始まり、これまでと違う感情が芽生える。
監督:中尾和空
22歳/武蔵野美術大学 映像学科/44分
呼吸のリズム、そして生活のリズムを整える一日を見つめる。
仕事を休んだ主人公・悠は、高校時代の過呼吸の発作を思い返し、また発作が起こるのではと不安を抱えていた。同居する祖母の丁寧な掃除に触発されて家の掃除を始める悠は、亡き祖父の部屋から使われていない火鉢を見つける。祖母と畑に向かう途中に出会ったズル休み中の高校生と共に、火鉢にゆっくりと火を起こしていく。
監督:稲川悠司
28歳/無職/32分
太陽に問答する男の遥かなる旅路の記録
ある日突然、同棲中の彼女に家の鍵を替えられた男は、別れ際にも彼女に「ありがとう」と言えなかった。「ありがとう」を1つしか持っていない男は、本当に感謝を伝えるべき相手を探して当所も無い旅に出るのだった。
「PFFアワード2024」の準グランプリ受賞監督が送る奇妙奇天烈な禅問答。
H
PROGRAM9/18(金)14:00~ 小ホール9/26(土)14:30~ OZUホール
監督:藤井智也
17歳/東京都立工芸高等学校 グラフィックアーツ科/23分
「虚実の入り混じる世界」から、その先への挑戦。
近未来、容姿に自信の無い高校生・もん次郎は、メタバースサービス「デュオラクシー」では自分好みのアバターを纏っていた。ある日、メタバースのサーバーエラーにより、もん次郎のアバターが自我を持って現実社会に出現し、2人のもん次郎の自己認識が交差する。
高校生監督が情熱で描くリアルとバーチャルが共存する新鮮なVR譚。
監督:川村圭乃
17歳/高知学芸高校 映画研究部/44分
あの夏、彼女たちは「人間の業」の深さを知った。
他人の物を盗むことでしか自分の存在を確かめられない少女・べっちんと、他者との関わり合いを疎む少女・サチは、偶然の出会いから関わりを持つようになる。ある日、べっちんはサチにクラスメイトから盗んだものを見せるが、サチはそれらをこっそり返そうと提案する。
高校2年生の監督が、学校という狭いコミュニティで起こる青春の残酷さを真正面から描く。
監督:中島きり
17歳/石川県立金沢泉丘高等学校/30分
スウィートでファニーでちょっぴりブニブニな物語
人類絶滅の危機、マッドサイエンティストは己の体にクマムシ注射を打ち込んで、人間とクマムシのハイブリッド体を手に入れた。人類は瞬く間にクマムシアンとなり、世界は救われた。しかし20年後、クマムシアンになることを拒否する映画クラブのキッズたちがいたのだ。
映画研究同好会の高校生たちによる魂のストップモーションアニメ。
監督プロフィール
監督:岩倉龍一/Iwakura Ryuichi
2002年、神奈川県生まれ。東京造形大学映画・映像専攻で映画制作を学び、本作が初の長編監督作。現在、横浜シネマリンで勤務しながら一般社団法人こども映画教室のスタッフとしても活動。
スタッフ・キャスト
監督・脚本・編集:岩倉龍一/撮影:遠藤有紗/録音・整音:鈴木大智/助監督:笹本陽介/音楽:DJ MAYAKU/編集:鈴木 寿/タイトルデザイン:近藤唯士/クレジットデザイン:仲原か
出演:吉川侑那、菊地恵泉、新川華那、岩倉龍一川部良太