東京では、映画学校生とその永遠なるテーマに果敢に挑んだ鈴木卓爾監督、長崎俊一監督のプレミア2作品に加え、映画魂の塊、森崎東監督とフランソワ・トリュフォー監督が映画撮影現場を描く2傑作を上映。名古屋では、名古屋学芸大学の映画プロジェクトとして製作された『唇はどこ?』の名古屋お披露目上映。映画づくりの歓びと苦しみと“何か”を浴びてください!
西田敏行扮するピンク映画のカメラマン・べーやんは、自殺未遂した主演女優の妻・奈津子に替えて、ロケ先の女中・笑子をヒロインに決めるが、故郷の福島に帰ると飛び出されロケ隊も同行することに。脚本を変えながら進む撮影と、次第に明らかになる笑子の過去。物語が交錯し、先の読めない映画の行方…トリュフォーの「アメリカの夜」のことを呟くべーやん。ホントとウソが溶け合って、絶妙な臨場感と映画のエモーションが生まれる傑作。
1927年生まれ。長崎県出身。京都大学法学部卒業後、松竹京都撮影所に入社。1969年、『喜劇・女は度胸』で監督デビュー。これまでの作品に『男はつらいよ フーテンの寅』(70年)、『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』(85年)、『ニワトリはハダシだ』(04年)、『ペコロスの母に会いに行く』(13年)など。
[1984年/日本/99分/カラー/35ミリ]
監督・脚本:森崎 東/脚本:近藤昭二/原作:津田一郎/製作:中川滋弘、赤司学文
出演:西田敏行、大楠道代、美保 純、柄本 明、加藤 武
© 1984 松竹株式会社