映画の持つ大きな力。そのひとつが「知らなかったことを伝える」力です。第35回PFF全国開催では、この力を持つ作品を招待作品として、各地でヴァラエティ豊かに展開します。「え!」という驚きを与えてくれる時間を堪能してください。
大正に実在した哀しき無政府主義結社が甦る。
血と泥にまみれた極彩色の青春活劇をご覧あれ
[2013年/137分/カラー]
監督・脚本:山田勇男/撮影・照明:四宮秀俊/美術:水谷雄司/音楽:珠水
出演:中村榮美子、寺十吾、吉岡睦雄、川瀬陽太、佐野史郎、あがた森魚
大正11年。放浪から帰った詩人であり社会運動家の中浜哲は再会した古田大次郎らとともに、革命を夢見て無政府主義結社「ギロチン社」を結成、テロルを決行するもことごとく失敗。全てを見通すかのような瞳を持つ謎の女・松浦エミルは、彼らの前に現れては消える。翌年、関東大震災。彼らが慕う大杉栄が憲兵・甘粕大尉に殺害され、彼らは復讐に立ち上がるが…。
映像詩人・山田勇男が、実在の哀しき若者たちを題材に、独自の世界を表現。死を呑み下した男女の「たまさかの美」を、匂い立つ映像美で物語る。主演の松浦エミル役は舞台を中心に活動する中村榮美子。中浜哲役には実力派の寺十吾。ギロチン社の若者には吉岡睦雄、上原剛史、礒部泰宏、松浦祐也ら若手実力派俳優を起用したほか、川瀬陽太、佐野史郎、流山児祥、あがた森魚といったベテランやつげ忠男、ジンタらムータ、黒色すみれ、原マスミ、知久寿焼など漫画家、ミュージシャンも多数出演している。
1952年、北海道生まれ。
74年「天井桟敷」入団、寺山修司『田園に死す』に参加。以後、寺山映画の美術・衣装デザインを担当。77年『スバルの夜』(PFF入選)から2013年『幻景』まで8ミリフィルムを中心に103本を制作。92年『アンモナイトのささやきを聞いた』がカンヌ国際映画祭招待。03年『蒸発旅日記』。今作が長編第三作目。
※やむを得ない事情により、プログラムおよび来場ゲストが変更になる場合がございます。
© シュトルム・ウント・ドランクッ製作委員会